旅 日 記


帝釈峡 奥出雲おろちループ 三瓶山 2003年5月29日(木)


 年初から体調不良が続いている。下痢の症状が治まらず、時々熱もでる。何度か検査を受けたが原因が特定できない。しかし桜の季節も過ぎて暖かくなるとともにようやくその症状も治まってきたようだ。

 久しぶりにカミさんが連休だと言う。週に二日の休みはあるが大体は月曜日と金曜日で以前のように連休ではない。天気が良ければどこかへ行こうか? だが入梅が近いらしく天気予報が思わしくない。しかし週間予報が猫の目のように変わり、直前になって雨の予報が二日ほどずれ、良い天気だと言うではないか。ならば新緑か紅葉の時期に走ってみたかった奥出雲まで行ってみるか?


 走りなれた道である。前回同様、阪神高速、第二神明道路から加古川バイパス、姫路バイパス、太子竜野バイパス、そして国道2号線、国道373号線、国道179号線をひた走り、美作の道の駅彩菜茶屋には7時過ぎに到着した。早くも営業中、新鮮で安い野菜や花などが売られている。早速何か買っている。なに? 桜餅? こんなに朝早くから?

 美作インターチェンジからは中国道を利用。緑いっぱいの山の中の快適なドライブであるが通行量は極端に少ない。

 東城インターチェンジを下りてすぐにある道の駅遊YOUさろん東城の駐車場で男性二人が会話をしていた。

 「腰が痛うて医者へ行きようたが〜。」

 「ソリャ〜おめえ〜、オエリャ〜センノォ〜・・・。」

 そうか、ここは広島県なんだ〜。


 緑の森と青い空の中、15分ほどで帝釈峡の駐車場に到着。案内板を見ているとおじいさんに自転車での散策を勧められた。道の駅で道草を食ったおかげで予定を一時間以上もオーバー。早くも9時半である。

 雄橋まで歩けば往復1時間ほどだが、ここは少しでも時間を取り戻す? いや楽をするか? 二人で1000円だそうな。そこで貸し自転車屋さんに行ってみると・・・なに? 先ほどのおじいさん? これは図られた?

 溢れんばかりの美しい緑のシャワーを体いっぱいに浴びながら渓流沿いの道をのんびりとペダルをこぐ。アップダウンは無く快適に走れる。空気はひんやりとしていてやはりおいしい。昨年の秋に行った奥入瀬渓流を思い出させてくれた。

 程なく雄橋に到着。自然に出来たとは信じられない見事なアーチを描いた本物の橋のようだ。これは青の洞門のように誰かがノミで彫ったのではなかろうか? 三脚を立てカメラを構えた先客二組の夫婦以外、人影は無い。緑がより美しく輝きだした。

 このままUターンをするにはあまりにももったいない。この際、後で回る予定の神竜湖まで走ってみよう。だが、少しばかり坂道に差し掛かり、ついには自転車を押して登らねばならない。

 今度は下り坂。後ろを走っていたカミさんの姿が無い。楽なはずなのに怖がりの彼女は降りて押している。サイクリングなどいつ以来? いや経験あったっけ? ならば無理は禁物かな? そこで山女の養殖場がある断魚渓で引き返すことにした。まあ、十分に森林浴も楽しめたし・・・1000円の値打ちはあった・・・かな?

 どこまでも続く緑の森、淡い雲が浮かぶ青い空、絶好のドライブ日和である。日差しは強いが緑色の風はさわやかだ。ポピーなどかわいい花が道路沿いに咲き、スポーツ施設や温泉などが設けられたスコラ高原を抜けると神竜湖。緑を映し、神秘的な素敵な青に変身した湖に架かった真っ赤な橋がスポットライトを浴びている。ここの写真はそのまま絵葉書になりそう・・・。

 素晴らしく整備された国道を北へ。通行量は極端に少なく周りは緑色しか見えない。どこまで続いているの? もう十分じゃん・・・ようやく道の駅奥出雲おろちループに到着。だが去年走った時にはここまでの間に奥出雲ループ橋が見られたはずだが? 取りあえずうどんの軽い昼食。

 少し先にある展望台に到着。これではっきりと思い出せた。ならばもう一度確かめてみようとUターン。その時は桜の時期で新緑には程遠く墨絵の世界であり、新緑や紅葉はどんなに素晴らしかろうと思ったのである。

 その結果は思った通りでとても素敵な緑の世界だが、木々が葉をつけたせいで周りの景色も変えてしまっているらしい。全く違った様子に見せるほどの新緑であり、自然の営みの底力を見せられたような気がした。


 仁多町から県道を利用。この県道も先日繋がったインターネットが教えてくれた。おかげでほとんど迷わず志都美に到着。ポピーのお花畑があるはずだが・・・やっと見つけたが残念ながらまだちらほらと咲いているだけ。やはりこのあたりは標高が高いのかな?

 程なく三瓶山。女性的な優しい山が連なり、周りすべてが緑一色。美しい穏やかな山裾に広がる草原にたくさんの牛がのんびりと寝そべり、とても優雅な良い雰囲気である。 ワイド写真

 三瓶山を一周する約17Kmのドライブへ。体も心も緑に染まりそうだ。見る角度でいろいろな姿を見せてくれる三瓶山。その裾野に広がる草原にのんびり寝そべってみたくなる・・・牛さん達もこんな気持ちなのだろうか? うらやましくも優雅にキャンバスに向かっている人が見られた。

 県道30号線で石見銀山を目指すはずが、うかつにも40号線と勘違いしてしまった。狭い山道、その上ずいぶんと遠回り・・・。結局石見銀山には行けず・・・。トホホ・・・。

 大田市から西へ向かう。やがて目の前に大きな日本海。日の光に輝きキラキラとまるでダイヤモンドが散らばっているようだ。

 鳴き砂の琴ヶ浜にも寄ってみる。細かくて美しい砂浜が続いているが、歩いても何も音がしない。先客のグループにもっと波打ち際に行くように教えられる。

 キュッ、キュッ、キュッ、キュッ。割と大きな音がするじゃん! これは初体験。少しすり足で歩くと良いようだ。鳴き砂はやはり波に洗われ、美しくなった砂でなければ鳴かないのだろう。


 今日の宿にと飛び込んだ温泉津温泉には少しガッカリ。ほんに田舎の小さな温泉で、古いこじんまりとした旅館。窓を開けると隣の屋根? 温泉も思ったほどでなく、湯量も少ないらしい。料理も? まあ、お値段もお値段だしこんなものかな?

 前から気にかかっていたこの地方に広く見られるピカピカとオレンジ色や真っ黒に光る石州瓦のことを聞いてみると釉薬と焼く温度が違うらしい。石州とは石見の国の別称とは知らなかった。


 翌金曜日も好天が続くはずが台風4号が接近中のため朝から雨。今日は大山を一周する予定だったがこれでは・・・。どうも大山とは相性がよくない。何度か行ったが、いずれも雨であった。仕方が無い。鳥取でお昼にお寿司を食べて早めに帰ろう。

 やはり山陰もここまで来ると美しい砂浜が続いている。海水浴にはさぞ最適なことであろう。だが出雲市内を抜けるのに時間がかかり、宍道インターチェンジから山陰道を利用する羽目になってしまった。ただし、もちろん渋滞ばかりの理由ではなく、土産物店や道の駅などでゆっくりしすぎたからなのだが・・・。

 またもサービスエリアに寄り道。早くもお昼近くになっているが朝食を食べ過ぎたせいか空腹感が全く無い。設置されているパンフレットに誘われ、腹ごなしに玉造温泉ゆうゆで一風呂。結局すし若鳥取店到着が3時になってしまった。おいしいお寿司に満足し、あとはどこにも寄らず8時半には帰り着き、家でお茶漬けの夕食。これは珍しい?

 それにしても道の駅キララ多岐ではびわのソフトクリーム、サービスエリアで柿のソフトクリーム、道の駅大栄ではスイカのソフトクリーム。 こんなカミさんにはもう付き合いきれない。


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