旅 日 記


黒部渓谷 2000年11月4日(土)


 11月3日の夕方、カミさんが突然、

 「明日ええ天気やから、この前行けへんかった黒部渓谷へ行こ。」

 と言い出した。それも日帰りだと言う。

 「高速道路やったら行けるやろか。」

 ところが・・・我が家に高速道路はない・・・とおっしゃる。この鬼ばばあ〜!

 当然のことのように今までもよほどのことがない限り高速道路を走らせてもらえなかった。我が家では女王様に逆らうことなど出来ないのである。そうとなると・・・やはり夜中に出発するしかないか? まして明日は土曜日。急いで少しばかり眠り、日付が変わらないうちに出発した。ヤレヤレ・・・。


 深夜の国道8号線をひた走り、到着した宇奈月の空にはまだ星が輝いていた。かなり寒い。少し仮眠して切符を買い、また少し眠る。

 7時32分発の始発トロッコ電車はやはり満員になっていた。欅平まで1時間20分。黄色く色付いた山と山の間を流れる黒部川をいくつもの鉄橋を渡り、トンネルをくぐってオモチャのようなかわいい電車がゴトゴトとさかのぼって行く。

 深く切れ込んだ渓谷・・・見上げる高い山・・・下を流れる清流・・・。それに加え今が盛りの紅葉。そして到着した欅平はピンと張り詰めた空気と眩しいばかりの日の光で溢れていた。

 もみじの真っ赤な葉を通して光が輝いて見える。いろいろな形と色をした葉っぱを眺め、そして踏みしめて狭い歩道をゆっくりと下って行く。木々の間から垣間見えている見上げるばかりの山はほぼ垂直の壁のように立ちはだかり、ここは谷底だと実感させてくれる。ほどなく猿飛狭。清流をわたる風が何とも心地良い。奥鐘橋から人喰岩にも周り、再びトロッコ電車に乗り込んだ。

 宇奈月周辺は大渋滞。駐車場に入れない車が溢れている。魚津市内でお魚の昼食。富山からは国道41号線を南下。高山から飛騨せせらぎ街道へ回る。この道は素晴らしく、快適に走れる。残念ながら夕闇が迫り、美しく紅葉した山々が良く見られなかった。あと1時間早ければと悔やまれる。この道はきっとまた走る機会があるだろう。

 道の駅パスカル清美を過ぎ、有料の坂本トンネルを抜け、しばらく走ると郡上八幡である。当然ながら帰宅は深夜。ようやる・・・。


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