旅 日 記


高岡城址公園 松川遊覧船 2005年4月14日(木)


 ここしばらく、いや昨年の秋に信州へ紅葉狩りに行って以来だから半年も遠出をしていない。最も寒い冬の出不精は毎年のことではある。その上2月には入院騒ぎでそれどころではなかった。その病気だが先日の血液検査の結果肝臓の数値も平常値に戻り、医者から無罪放免のお許しも出てホッとしたところ。

 4月に入っても花冷えが続き各地で開花が遅れていた桜だが、このところ急に暖かくなったこともあり、各地でようやく満開を迎えたようだ。そうなると我が家のばあさんが黙っている訳が無い。

 そこで昨日大宇陀町まで出かけたところ、前日の雨の影響もありピークを過ぎた本郷の又兵衛桜にがっかり。満開の桜を知っている者にとっては少々消化不良? その帰り道、

 「明日も休みやし、どっか桜見に行こ。」

 「そやな〜。ほな前から行こ行こて言うてた富山の松川の桜でも見に行くか? 去年も行かれへんかったやろ。」

 「そんなん遠いやん。明後日は休まれへんし、日帰りしか行かれへんで〜。あんた、体大丈夫かいな。」

 「これだけ出かけてなんともないし、もう大丈夫や。」


 ところが帰って調べてみると松川の桜も三日ほど前に満開を迎えたそうな。そこへ一昨日の雨、どのように影響しているか? ところがばあさん、

 「富山やったらおいしいお寿司もあるやん。」

 それもそうだ。桜は気がかりだが他に行くあても無く、これは行くしかない? その上、

 「帰りに金沢へ寄って板屋の菰かぶりも買いたいねん。」

 おいおい、なんとまあ、欲張りなことよ。


 少し前なら文句たらたら言われてなかなか乗せてもらえなかった高速道路だが、最近では無理をさせないように気遣ってくれているらしく、

 「ハイウェイカードはなんぼ買うといたらええんや?」

 そう優しく言われるとなんだか気味が悪い?


 岸渡川は思っていたより川幅が狭く小さな川。しかしその両岸に連なる見事な桜並木が奈良の佐保川の桜並木を思い出させてくれたが、その距離ほんの数百メートル。だが小型版と思えばこれもまたいいかな? その上こちらはまだまだ木が若くて流れる水も美しく、とても新鮮に感じられる。

 次に向ったのは高岡古城公園。こちらはとても広くて見事に満開の桜が迎えてくれた。桜とブロンズ像・・・少し違和感もあるが、まあ、桜は今の時期だけだし・・・。

 お堀に桜や赤い橋を映し出し、鳥達も元気に泳ぎ回っている。

 「ちょっとちょっと、あれ、黒鳥ちゃう?」

 と言う声に後戻り。なるほどこれは珍しい。

 そのほとんどはソメイヨシノだが、いろんな種類の桜も植えられ、その違いを教えてくれ、また歴史を感じられる古木も多いようだ。椿の花も結構多く、のんびり散歩するには格好の場所である。

 さて今日の目的地、富山へ急ごう。このバイパスは何度走ったことだろう。少し春霞かかかっているのか少しばかりぼんやりとはしているが、こんなにはっきりと眺められた立山連峰は始めてかな? 昨年の雪の大谷が思い出され、何とも懐かしい。

 富山市内の中心部を流れる松川の周辺にはたくさんの桜が満開である。心配していた雨の影響も杞憂であったらしい。だが富山城のお濠には少しばかり散った花びらが浮かんでいた。

 松川遊覧船に乗って船頭さんの見事な棹さばきに身をゆだね、身も心ものんびり、ゆったり、ほっこり。小さな笹舟からの桜見物、何かタイムスリップをしたような優雅な時間が流れている。風流とはこういうことを言うのだろうか。

 しかしそこは都会のど真ん中。近代的なビルが立ち並び、川岸にはどこまでも続くコンクリートの岸辺。それにも負けずに、いや勝るとも劣らぬ両岸を覆いつくす見事な桜並木、このミスマッチがまた魅力的ではないか。なんだか古き良き時代を思い出させてくれているようだ。あと少しすれば桜吹雪の中の舟下りが楽しめることだろう。


 さて、ちょうどお昼時。やはりこの時間になると花より団子? そう言えば岸辺の桜の下ではお弁当をひろげている人もいた。

 我々の行き先は当然のように回転寿司、いき魚亭である。ばあさんもおいしいお寿司に大満足。次は高速道路を利用して金沢へ向う。


 なに? 夕食に海鮮丼を食べたい? そんなことをしたら帰りつくのがまた夜中になるじゃん。それより今お寿司を食べたところなのに良くそんなことを思いつかれますね〜。とは言え我が家の女王様の仰せなら無視もできない? ならばどうする?

 夕食となれば6時か? それまでの時間つぶし。ならばまたなぎさドライブウェイを走りますか?

 てな訳でやってきました三度目の千里浜なぎさドライブウェイ。美しい海が広がり、カモメが遊ぶ砂浜をゆっくりと車を走らせる至福の時間。キラキラと輝く海と青い空。何度来ても飽きませんね〜。

 ことのついでにやわらぎの郷の桜も見に行くか? 何かの史跡らしいが、桜となると・・・こんなものでしょうか? まあ、ことのついでですから・・・。

 金沢市内へ戻ったのが3時半ごろ。まだ時間もあることだし、と兼六園の駐車場へ、しかしさすがにこの時期、駐車できたのは4時を回っていた。

 兼六園も満開らしいが・・・なに? もう桜は十分堪能した? 歩くのもしんどい? それよりお土産屋さん巡り? なんのこっちゃ。

 あとは桜が満開の卯辰山にも車を走らせ、板屋の菰かぶりを買い、金沢港にある厚生食堂に到着。時間はちょうど6時前。なんと時間調節の上手なことよ。

 おいしくて安い海鮮丼に満足顔のばあさん。ここは2度目だが、このボリューム、新鮮な魚で1000円だから言うことはない。11時過ぎ、無事帰着。 走行距離、839Km。


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