旅 日 記
赤沢自然休養林 御嶽山 開田高原 2005年10月24日(月)
10日ほど前に今年3回目の入院から退院したところである。病名はレンメル症候群と言う珍しい病気で、セカンドオピニオンで行った病院での結果が26日にでる。運命の宣告? いや、早く手術をしてすっきりとしたいのが本音ではあるが、バイパス手術しか手がないと言われたらどうする? 難しい手術になるのは避けられない?
しかし命にかかわる病気では無いと言うし無理をすることも無い? とは言え半年で3回も入院したとなればどうにかしてほしい。どちらにせよ大いに悩むことになりそうである。
だが今は胸のモヤモヤもあまりなくて体調も良く、何事も無いように過ごせている。そこへ各地から紅葉の便りが届き、余計にモヤモヤ? しかしそこはまだまだ病人のこと。もう少しおとなしくしているのが賢明かな?
ところがばあさん、三連休だからどこかへ紅葉狩りに行くと言い出した。ここ最近、私がふさぎこみがちなので元気を出させようとのお気遣いらしい。気分が滅入りがちなのは事実であり、何か吹っ切れることがほしいのも事実。さすがばあさん、良くわかっていらっしゃる。
だがそんなに遠くへは行けない。二年前だったかロープウェイの事故で行けなかった御嶽山なら何とかなるかな? それなら下調べもできていることだし、高速道路を使ってのんびり行けばそんなに遠くはないし、疲れたらどこかでお泊りをしても良いかな?
そこで24日、朝の4時過ぎに家を出た。中津川インターチェンジから国道19号線で木曽福島方面へ向かい、まずは赤沢自然休養林を目指す。
静かな森の中に美しい水が流れる良いところじゃん。道中紅葉が始まりだした渓谷沿いの道は通る車も少なく、のんびりとハンドルを握る。退院後のドライブに少々不安もあったが、それを吹き飛ばしてくれそうな雰囲気である。
9時過ぎに到着した駐車場には観光バスが停まっていた。そんなに広い道路ではなく、途中出遭っていたらどうする? 帰る時にはもう一台増え、帰り道でもさらに一台とすれ違った。バスとバスでも大丈夫なの? これが休日なら渋滞は避けられない?
観光バスの到着で10時からの森林鉄道が9時30分から営業してくれるそうな。往復歩かないですむじゃん。乗車料金は往復乗れて700円。なに? 切符が桧? 我が家のおばはん、
「これで記念品ができたわ。今日はお土産を買わんとこ。」
このケチ!
ガタゴト、ガタゴトとオモチャみたいなトロッコ電車で約10分。終点から帰路は渓谷沿いをのんびり散歩することにした。
ところどころで色付いた木や可愛い葉っぱを愛でながらゆっくりゆっくり。記念撮影で遅くなっていた団体さんより早く歩き出したのに、すぐに追い越されてしまった。おかげで後は誰もいない全く静寂の世界である。
流れる水はどこまでも美しく、あちらこちらにアマゴだろうか、川魚も泳いでいる。遊歩道は完璧に整備され、高低差もほとんどなくてとても歩きやすい。退院後のリハビリにはちょうどよかったかな?
さて御嶽山を目指そう。山道を登り、峠を少し下ると雪を被った御嶽山が現れた。美しい。これだけでも思い切ってここまで来た甲斐があったと言うものだろう。
ところがだんだん雲が厚くなってきた。先ほどの観光バスの乗客の話では昨日、強風でロープウェイが一時止まったそうな。それに比べればこの天気、贅沢は言えない。
到着した御岳ロープウェイの駐車場にはかなりの車や観光バス。スキー場のゲレンデに咲く可憐なコスモスの花、だが近付いてみるともう見ごろは過ぎている。これなら遠くから見たほうがきれいじゃん。誰かさんといっしょ?
「今なんか言うたか!」
ロープウェイからは何とか見えていた御嶽山だが、2150mの展望台に着いた時には雲の中、これはしばらく待つしかない? 最初はそんなに寒く感じなかったのに時間と共に冷えてきた。薄手ではあるがジャンパーは着ていたので薄着のばあさんを室内で待たせ、なおも粘ること10分? いや15分?
ようやく顔を現してくれました。大きくて美しい御嶽山、四つの峰があると言うが見えているのはどれなんだろう。一つは荒々しい山肌、もう一つは雪を被り真っ白・・・まあなんと美しいことよ。あわててばあさんを呼びに行った。
駐車場に戻ったのは12時40分。昼時だがもう少し我慢する? ここまで来たからにはやはりお蕎麦だろ?
そこで開田高原の 「霧しな」 と言うお店でいただいた少々お高い900円のおろし蕎麦は普段食べているのとは少し違う? 私はうどん党で蕎麦はあまり好物ではないが、これはおいしくいただけた。
そしてすぐ前の開田高原アイスクリーム工房では食後のソフトクリームに満足そうなばあさん。なに? 蕎麦ソフト? 10月限定だそうな。
紅葉にはまだ少し早い開田高原は家やお店なども少なく、のんびりとしたとても静かなところ。牧場では木曽馬が草を食んでいた。夏などはゆっくり、のんびりするには良いところかな?
さてどうする? 御嶽山は雲の中、これでは地蔵峠まで行っても拝めそうにない。ばあさんは最近腰が痛いと言っていたことだし温泉宿に泊まってのんびりするか?
しかし電話で問い合わせたところ濁河温泉はどの旅館も満室だそうな。仕方なく観光案内所へ。なに? 西野温泉も満室? なんだかもうその気がなくなってしまった。
もう帰ろうか。ばあさんは私の疲れを心配してくれているが、そんなに感じていないことだし大丈夫だろうと開田高原を後にし、木曽福島から国道19号線、中津川インターチェンジからは高速道路を利用して9時過ぎに無事帰り着いた。走行距離 690Km。
少しは疲れたがそれも思ったほどではない。これで気持ちも吹っ切れ、元気も出てきたようだ。入院時のことも含めて、ばあさんには感謝している。
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