旅 日 記
三保の松原 丸子梅園 2006年2月13日(月)
「ボチボチ梅の花が咲く頃やな〜。どっかないか?」
ばあさんの春は梅の花から始まるそうな。ところが近郊の梅林はほとんど行きつくしている。新し物好きの彼女は再訪をあまり好まない。お気に入りの結城神社には二度も行っているし・・・。となるともう行くところなどないじゃん。
ところが13日の休みには晴れると言う。ならばここ二ヶ月ほどの冬眠から抜け出すには絶好のチャンス? しかし梅などまだどこも咲いていないが・・・。ところがいろいろ検索していると2月中頃に見頃を迎えるところがあるそうな。
なに? 静岡? 伊勢湾岸道路が東名高速とつながり、5時間足らずで走れるようになったことだし、行ってみるか? この時期、富士山もすっきりと美しいことだろうし・・・。
そんな訳で急きょ出かけることにし、午前2時に出発。そんなに早く出なくても静岡なら4時間半ほどで着くだろ? いや、ETCには色々特典があり、その一つに深夜割引がある。それを利用するには亀山インターチェンジを4時までに通過しなければならないと言うのがその理由。3割引きは大きい。
まだ真っ暗な牧之原サービスエリア。時間は5時半。これはあまりにも早すぎる。そこで1時間ほど仮眠をとり、ようやく明るい光を投げかけ始めたお日様に向かって走り出す。工場の煙が真っ直ぐに上がっている。こんなに朝早くからの無粋な煙を見下ろし、迷惑そうな顔をした富士山が見え隠れしていた。
静岡インターチェンジを下り、国道150号線へ。この道は伊豆からの帰りに走ったことがある。イチゴ街道と言うだけあってビニールハウスが連なり、イチゴ狩りの看板が賑やかだ。
右に海を見ながらの快適なドライブ。通行量はかなり多いが、渋滞は思ったほどでも無い。
間もなくジェラートのお店、YAMA−ROKUが見えてきた。2003年に、またお越し下さい・・・と言われていたっけ。そんな機会は無いと思っていたがまた来たじゃん。だがこんなに早くから開いている訳はない。
7時半、到着した三保の松原の駐車場には車も人影も見られない。大きな松並木をぬけ、海辺へ出ると現れたのが羽衣の松。だが添木がしてある上に包帯のようなものも巻かれ、葉もついていない。これはどう見ても老木・・・世代交代だろうか、隣には若い木が植えられていた。
広い砂浜の砂と石に足を取られながら、波打ち際をのんびりと散歩する。風は全く感じないのに押し寄せる波の運動量はかなり大きい。少し歩くと大きな富士山が迎えてくれた。真っ青な空と青い海。そこにそびえる雪を被った美しい富士山。もうこれだけで来た甲斐があると言うものだろう。
ところがばあさん、富士山が少しもやっている・・・とご不満のようだ。そう言えばまだ2月半ば、その上早朝にもかかわらず風の冷たさもさほどではなく、寒さは全く感じない。いや、お日様の光を受けて暖かいくらいである。と言うことはこれは早くも春霞?
ことのついでに日本平へも寄ってみた。前回、この道も走ったが富士山は雲に隠れていたっけ。だが今日はこの天気。見事な富士山にうっとり・・・。
ばあさんや、先ほど見た海からの富士山より、少しはくっきり見えていると思いますが・・・いかがですかな?
今日の目的地、丸子梅園にはちょうど開園時間の9時30分に到着した。国道1号線沿いの急な斜面を利用した個人のお宅の庭を梅園として営業されている。5〜6部咲きというところだろうか? 種類も多いらしいが、それらは鉢植えで栽培されているもの。梅林はそこそこの広さがあり、紅梅と白梅がちょうど半分くらいかな?
梅園としてはまずまずと言うところかな? しかし、これで入園料が700円とはちと高い? 個人経営で営業期間と手間や経費を考えるとやむを得ない? そんなことよりも、わざわざ奈良から静岡まで来ることの方が問題あり?
梅園を後にして国道へ出た途端、ばあさんが小さな看板を目にして声を上げた。なに? くまさん牧場? 4年前、三男の嫁が送ってくれて大喜びしていたっけ。それが静岡のジェラートを知るきっかけであった。
それにしても良くぞ見つけたものである。それほどに小さな看板。自分の好きなものには特別の嗅覚がある? そのソフトクリーム、少しなめたが、私には濃厚すぎて・・・。
11時、焼津さかなセンターに到着。お目当ては回転寿司の昼食。マグロは勿論、きんめ鯛や桜エビなど、静岡ならではのネタにばあさん、大満足。
さてこれからどうする?
「こんなええ天気やろ。キラキラ輝く海を見ながら走ろ。」
「せやけど富士五湖の帰りに国道150号線を御前崎から浜松まで走ったけど、海なんかなんも見えへんかったで〜。浜名湖まで行ったら見えるやろか? それと地図見たら中田島砂丘てあるわ。はままつフラワーパークもあるで〜。」
その中田島砂丘、鳥取砂丘には遠く及ばないが、結構な広さ。海を見るにはかなり歩く必要がありそうだ。だが、風が強く、時々砂が舞い上がっている。これは遠慮した方が無難であろうと入り口で引き返す。今朝はあんなに穏やかだったのに・・・。
海沿いを走る浜名湖バイパスは確か有料だったのに料金所が無い。無料開放されているようだ。
春を思わせる高い太陽に照らされてキラキラと輝き、また強い風に煽られて少し荒れ模様の海を眺めながらの快適なドライブ。少しは楽しんでもらえたかな?
そして浜名湖の上にかかった橋を渡り、館山寺温泉近くのはままつフラワーパークへ向かった。
しかし、やはりこの時期に行くようなところではないようだ。梅の花も咲き始めたところだし、少しばかりの菜の花に小さなボタン園、後はまだ冬枯れの芝生ばかり・・・。温室も思ったほどでなく、これは大失敗。
最後に鴨たちの写真を撮ろうと近付いたところ、ゾロゾロと水から上がってくる。なんと人懐っこいのだろう。人が来ると餌をもらえると思っている? ならばとばあさん、急いで餌を買いに・・・。
これは大変なことになってしまった。たくさんの鴨たちに囲まれて人間の方が右往左往。この時期入場者も少なく、餌に飢えていた? もう終了・・・。
するとどうだろう。瞬く間に池の中へお帰りのようだ。なんとげんきんなこと・・・。感心するやらあきれるやら・・・。でもこれで入園料800円の半分くらいは元を取れた・・・かな?
夕日に照らされた赤い橋に見送られ、浜松西インターチェンジから高速道路で帰途につく。西日がまぶしくてこれは運転が大変じゃん。
帰りも勿論通勤割引の100Kmを意識して豊明インターチェンジで下車。5割引きでは多少の苦労などいとえない? あとは国道23号線から名阪国道へ、8時過ぎ無事帰りついた。全走行距離 770Km。
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