旅 日 記


弘前ロングステイ


十和田湖〜八甲田 紅葉ドライブ 2007年10月18日(木)


 さあ、あとはいよいよ十和田湖か? でもまだ少し早いだろうか。ならば下見に行く?

 なに? 下見? なんと贅沢なことよ。こんなことができるのも弘前に滞在しているからできること。まあ、今日は特に予定もなく暇なことだし、お天気もまずまずだし・・・。そんなこんなで9時を回ってから出かけたが、最初からのんびりムードである。ダメでもともとだし・・・。


 黒石から八甲田と十和田湖への分かれ道に差し掛かり、ついでだからこの近くの中野もみじ山も下見・・・と早速寄り道。テントが張られ出店も出ているが、案内係りの人は、

 「あと一週間か10日後でしょうか。今年はずいぶん遅れています。」

 と申し訳なさそうな顔。でもいいじゃん。どうせ下見だから・・・。

 中野神社の裏山に散策路が設けられてある。さすがにカエデの木が多い。紅葉はまだ先のようだが、これらが色付けばすごいだろう。その時にはライトアップもされるそうな。

 かなり急な階段と坂道をゆっくりと登る。ほどなく観楓台。少しは色付いた木も見られるが、おおむねまだ緑の世界。これでは我々が滞在中に見ごろを迎えるのは無理な相談かな?

 虹の湖が見えてきた。真っ赤に染まった木が見える。そこで道の駅虹の湖に併設されている虹の湖公園にも寄り道。何の木かな? 赤い木と緑の芝生のコントラストがいい感じ。

 小学生の課外授業? でもお目当ては紅葉よりは遊具のほうらしく、一目散に走り出した。まあ、当然だろうけど・・・。

 この調子では先が思いやられる。いくらなんでものんびりしすぎじゃん。ならば十和田湖へ急ごう。

 やがて温川温泉に差し掛かるとブナの森が広がり、川沿いの道がトンネルになっている。しかしここでも見ごろにはもう少しかかりそうだ。

 だがその道も登るに従い、だんだん美しくなってきた。やがて滝ノ沢展望台。ここは5年前に通り過ごしたところ。こんなところだったのか。

 雲が多いものの、5年ぶりの十和田湖が色付き始めた木々の向こうに、それも慎ましやかに少しだけ顔を現してくれている。しかし展望台と言うにはちょっと・・・?

 御鼻部山へ登ってゆく。このあたりも霧で何も見えなかったところ。

 今日は曇り空だが視界は良好。黄色やゴールドに色付いている見事なブナ林が続き、見晴らしの良いところからはまるで絨毯のように広がる大きな森が見えている。こんなにいいところだったのか。

 やがて御鼻部山展望台。曇り空の上風が強く、少し寒い。でも美しい大きな十和田湖がそれを忘れさせてくれた。変化に富んだ湖面がその神秘さを物語っている。

 昼飯にする? だがばあさん、

 「寒いさかい車の中で食べよ。」

 それも当然のことかな? ここは海抜1011m。まあ、それもまた一興・・・と駐車場でおにぎりの昼食。

 子ノ口まで下ると青空が広がってきた。遊覧船が客を待っている。湖畔の紅葉はもう少しと言うところかな? でもお日様に照らされた十和田湖の水がとても青くて美しく輝いていた。

 なに? 食後のデザート? それももっともなこと。ばあさん、この旅の計画時から目的の一つでもあったっけ。ならばと休屋までひとっ走り、湖畔の喫茶店、マリンブルーへ急ぐ。

 「今日はアップルパイあります?」

 と確認してから入店。5年前もそうだったが今日も客は誰もいない。静かな湖を眺めながらのんびりとコーヒータイム。おいしいアップルパイに満足そうなばあさん。ようやくその時のリベンジを果たせて良かった良かった。

 マリンブルーから来た道を戻り、寄った瞰湖台からの冴えない紅葉にがっかり。まあ、今日は下見ですから・・・。美しい十和田湖の水の色で今日のところは我慢かな?

 奥入瀬渓流もまだまだ緑の世界。でも銚子大滝では小さく虹がかかっていた。

 雲井の滝にも立ち寄り、あとは渓流を横目にのんびりとドライブ。さすがにまだ紅葉には程遠く、車も人も少ない。

 立ち寄った奥入瀬渓流観光センターは模様替えをしたらしく、5年前とは少し雰囲気が違っていた。

 蔦沼にも寄って見たが、ここでも紅葉にはあと少しというところかな?

 しかし、まだ緑のブナ林や湖畔に設けれた木道をのんびり歩くのは気持ちの良いものである。道の真ん中に開けられた穴から木が伸びている。そうか、ここでは木のほうが先輩と言うことか。

 谷地温泉から先は紅葉もすでに終盤を迎えているようだ。睡蓮沼では早くも晩秋の気配。間も無く落葉が始まるのだろう。そして雪も近いのかな? まあ、この前訪れたときからはすでに10日も過ぎているし・・・。

 笠松峠や周りの山も色があせてきている。でもこの雰囲気も捨てたものではない。

 ところが地獄沼まで下ると今まさに紅葉真っ盛り。見事な色具合にうっとり・・・。

 時間は4時を回ったところ。山かげに傾いた太陽の光がえもいわれぬ光景を演出してくれている。より寒くなってきたのだろうか、湖面にはもやのような湯煙が立ち上り、より静かな水面には美しい紅葉が鏡のように映し出され、まことに神秘的である。

 来て良かった〜・・・とばあさん。お〜い、これが下見かい!

 城ヶ倉大橋も見ごろのようだが、もうすでに夕闇が迫っている。遠くにはピンク色した夕焼けの空に岩木山が美しいシルエットのように浮かんでいた。

 今日のダメ元下見ドライブを最後には本番ドライブに変えてくれた一日が終わろうとしている。このおいわきやまはその舞台にふさわしい山に違いない。その余韻をかみしめて帰途についた。


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