旅 日 記
弘前ロングステイ
青荷温泉と黒石こみせ通り 2007年10月22日(月)
今日も朝からしぐれ空。しかし明日から三日間は晴れるらしい。そしてまた26日の金曜日には全国的に雨との予報。
予定では24日に十和田湖、奥入瀬渓流を巡り、25日に出発。そしてどこかで一泊して26日の金曜日に帰る予定。
帰りの25日と26日には寄りたいところもある。それは抱き返り渓谷、鳴子峡、蔵王、磐梯、安達太良山など。ちょっと欲張り過ぎ? だがこの先、こんなチャンスはもう来ない? 何分みちのくは遠い、いや遠すぎる。
そこへこの天気予報。
その上行きたかった抱返り渓谷の紅葉はもう少し先だそうな。ならばそのあとに予定していた鳴子峡へ直行するか? でも鳴子温泉で泊まるのも中途半端で、帰りの距離がありすぎるかな?
そこでばあさんがご提案。
「帰るんを二日早めて、23日の朝から十和田湖、奥入瀬渓流を巡るやろ。その足で鳴子温泉まで行って泊まったらええやん。24日に鳴子峡を見てからもう一日どっかで泊まったら? 25日もええ天気やと言うし、あとどっか、紅葉見ながら帰ったらええんとちゃう?」
う〜ん、なるほど・・・それも良い考えである。一泊分余計な出費にはなるが、大蔵大臣がそう言ってくれるのなら問題はない。あとのことはまた考えるとして、とりあえずは明日の朝早くに出発するか?
となるとこのマンションでの生活も今日が最後になる。お片づけもしなければならないし、レオパレスにも連絡しなければならない。そこで電話をしたところ、鍵を郵便受けに入れておけば良いそうな。これならいつでも出発できる。
そこで最後の一日、昼食を早めに済ませて11時過ぎに飛び出した。行き先は青荷温泉。ランプの宿で有名なところ。話のネタに一度行ってみるのも良いかな?
道の駅虹の湖を過ぎてまもなく標識が現れる。山道を登ること6Kmばかり。しかしこれは本当に山奥ではないか。
道中、津軽言葉の道案内があり、楽しませてくれる。
「ずんぶ登ったばって、まんだだべか。」
「いや、ほんまでっせ。こらホンマに遠いがな。」
などと、こちらは関西弁でツッコミも入れながら・・・。
八甲田山の展望台もあるが、今にも雨が降りそうな空模様で、見晴らしはきわめて悪い。
駐車場には除雪用のブルドーザーがおいてあり、冬にはこれで送り迎えをしている映像を見たことがある。またその駐車場から旅館までの下り坂はすごい勾配ではないか。と言うことは帰りはここを登らなくてはならないの? 車だからいいものの、歩いてなど登れない?
青荷温泉は見事な紅葉の中に埋もれているようだ。館内は天気のせいもあるのだろう、とても薄暗く、昼間だと言うのにランプがともされている。
温泉は何箇所かあるようだが、その中の一つ、滝見の湯へ向かった。内風呂はちょうど良い湯加減だが、露天風呂はとても温くて長湯などできない。これでは風邪をひいてしまう。
その裏手には清流流れる小川につり橋がかけられ、美しく色付いた木々。湯上りの火照った体を冷ますべく散歩する。
ばあさんはまた本館の内湯にも入るという。それではまた待たせていただきましょう。しかしこれだけ有名になると・・・。団体さんなのだろう、大広間には昼食の用意がしてあった。
ご主人をはじめ、この旅館の従業員は日帰り温泉の客など、客とは思っていないようだ。温泉はどちらですか?・・・と聞いても、そこに張ってありますから・・・。まあ、毎度毎度聞かれるので面倒なのはわかるけど・・・。
また目を合わせても誰も何も言わない。普通、帰り際などなら、ありがとうございました・・・くらいは言うだろ? こちらがありがたく利用させていただいているのも事実だが、いかがなものか?
その点昨日の酸ヶ湯温泉は、あの混雑の中でも気持ち良く入れた。旅館もサービス業。テレビの番組でちやほやされているあいだは良いが、長い目で見るとこんな日帰り客が大切ではないだろうか?
まあ、静かなことは確かだし、雰囲気や周りの風情も結構なものだが、電気がないと言うことはテレビもなく、夜などは何もすることがないだろ? それが売りではあるのだろうが、我々、いや風流など持ち合わせていない俗人の私が泊まるところではないかな? これなら日帰り入浴で十分じゃん。
帰り道、黒石のこみせ通りを散策。こみせとは昔の人の知恵で作られた雪対策の木造アーケードだそうな。昔の頑丈な建物が続き、老舗のお店などが並んでいる。
その中の国の重要文化財に指定されている高橋家でコーヒータイム。喫茶店と言うにはそぐわない気もするが、これがとてもいい雰囲気である。
まずは広い土間にテーブルが設えてあるのがなかなかの趣。そしてこの家の奥様がコーヒーを立てて下さる。この家で普通に生活されているそうな。
お庭を眺めながらおいしいコーヒーをいただいた。この地で暮らす苦労話などを面白おかしく話してくださる、とても気さくな奥様である。聞けば江戸の、いや、東京のお生まれだそうな。嫁いで何年? それはまあ、いいっか。
りんごをむいてくださった。地元の先客にも差し出されたところ、りんごなんていらね〜よ〜・・・だそうな。まあ、そうだろう。
お土産などを売っているこみせ駅では津軽三味線のライブをやっていた。行ったのがもう終わり近くで、少ししか聞けなかったのがちょっと残念・・・。
この国道102号線も何度走ったことだろう。そのたびにばあさんは気にかかっていた建物があるそうな。それを確認せずに帰ったら悔やまれる? ならば寄らせていただきましょう。
なんとそれは田舎館村の村役場であった。遠くから見ると大きなお城に見えていたのだ。近くで見てもやっぱりお城じゃん。これが村役場とは恐れ入りました。これですっきり!
なに? 心残りがあともう一つある? この際だから言ってみなさいよ。そのためだけになかなか来られるところでもないし・・・。
それは一度立ち寄ったのに食べなかった道の駅いかりがせきのソフトクリームだそうな。なに? マルメロアイス? 何よそれ・・・。ソフトクリーム一つを食べるために20Kmもある碇ヶ関まで? おいおい・・・。
雨が土砂降りになってきた。その上134円で入れていたガソリンが今日から10円値上がり? 何よそれ〜。しまった、昨日入れておけば良かった。
それでどうなのよ。そのマルメロの味は・・・。なに? さっぱりしていておいしい? マルメロとは果物の名前だそうだが、そうかな〜?
今日が弘前での最後の夜。ならば弘前らしいところで夕食にしよう。
そこで先日、地元のテレビでご当地出身の伊奈かっぺいさんが紹介されていた炉辺というお店へ。貝焼きは大きな帆立貝の殻をお鍋に見立て、魚や野菜を味噌味でいただく郷土料理。また粥の汁、はたはたの田楽焼きなどをおいしくいただき、〆て6940円。まあ、最後の夜ですから・・・。
さあ、帰ってお片づけだ〜。明日の朝は早いぞ〜。
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