旅 日 記


弘前ロングステイ


鳴子峡と蔵王 2007年10月24日(水)


 今日は鳴子峡へ行き、遊歩道を歩いて鳴子温泉まで、そして温泉で湯浴みを楽しみ、バスまたはタクシーで駐車場まで戻り、山形の新庄経由で銀山温泉か肘折温泉で宿泊しようか・・・と話をしていたのだが、そこへ昨夜のニュースである。その計画はどうなるの?

 なんだかんだ言っていても始まらない。朝食を済ませ8時半に出発、とりあえず鳴子峡へ向かった。駐車場の係員に聞くと、やはり遊歩道は通行禁止だそうな。展望台から眺めるだけ? それでも通常通りの駐車料金は取るの? 半額にするとか、少しおまけしなさいよ。

 だが展望台からの眺めもなかなかのものであった。しかし紅葉には数日早かったかな? 鳴子峡の紅葉はこんなものではないはず。そんなことより今日はこんなに良い天気なのだから、やはりのんびりと渓谷を歩きたかったな〜・・・。

ワイド写真

 時間は9時半、さて、これからどうする? 予定通り新庄へ向かうか? そして月山か蔵王? しかし出鼻をくじかれたようで、何だか考えるのも面倒になってきた。

 蔵王なら新庄へ回るより、高速道路を古川インターチェンジから村田インターチェンジまで利用して、蔵王エコーラインで蔵王へ向かうのが得策か? 泊まりは蔵王温泉? 時間の都合で月山の志津温泉?

 え〜い、もう面倒だ。どっちでもいいっか。行き当たりばったりはいつものこと。となかばやけくそで来た道を引き返す。同じ走るなら高速道路ほうが早くて楽だろ?


 ところが、蔵王エコ−ラインがまた大変なことになっている。貧すりゃ鈍するとはこう言うことを言うのか? そう言えば昨夜、NHKのニュースで蔵王エコーラインの紅葉を空撮でやっていたっけ。ちょうど見ごろだとも言っていた。そのせいかはわからないが、なによ、この車の量は・・・とうとう渋滞が始まった。どうやら滝見台らしい。となると寄らない手はないだろ?

 2〜30分待って入った駐車場から見てみると・・・なに? 少し先の橋の上に路上駐車? それも結構な車が・・・。そのために余計渋滞が激しいのだろう。日本人のマナーもまだまだのようだ。なに? 人のことをえらそうには言えない? それもそうだ。気を付けよう・・・少し反省。

 滝見台からは不動滝と三階滝の二つの滝を見ることができるが、なんだか空気がもや〜っとして見通しは良くない。天気が良すぎる? 暖かすぎる?

 蔵王エコーラインはヘヤピンカーブの連続でグングン高度を上げて行く。しかし紅葉となると・・・? 言うほどのこと、ないじゃん。その上もうピークは過ぎて枯れている。NHKならもっと正確な情報を伝えてほしいものだ。あっ、そうか、このエコーラインは空から見るのが一番と言うことか?

 駒草平の広い駐車場が現れた。展望台まで少し歩くと大きな谷と滝が見える。不帰の滝と言うそうな。大きな岩山に張り付く紅葉はすでに色があせている。まあ、それなりの景観だが、やはりこのあたりが国立公園と国定公園の違いかな? 我々はあまりにも美しい紅葉を見てきましたから・・・。

 また渋滞が始まり、やがてほとんど動かなくなってしまった。その渋滞の左側を追い越してゆく車がある。え〜い、ままよ〜・・・と後に続いてみた。

 なに? 渋滞は御釜へ向かう右折車? その先に蔵王ハイラインの料金所があるじゃん。我々もそっちへ向かうつもりだったが、まあ、いいっかぁ〜、仕方がない、あきらめよう。トホホ・・・。

 ところが少し走ると山形県側からの進入口が見えてきた。そちらはがらがらではないか。そこでUターンをして料金所へ。皆さん、ズルをしてゴメンナサイ。偶然のことで、そんなつもりは全くなかったんだけど・・・。

 駐車場でも待たされる。ようやく停めることができて蔵王の御釜見物へ。駐車場から歩くこと10分あまり。

 神秘的な美しい水をたたえた火口湖が大きく口を開けている。緑色? やはり水色? いや、もっと複雑な深い色?

 はるか下界には今通ってきたエコーラインと霞がかかったようにぼんやりとした町並み、そして見渡すかなたには月山? いや鳥海山だろうか、高い山並みが見えている。雲ひとつない青空はこの景色に良くお似合いである。

 レストランなどがある休憩所へ戻ってきたのは1時30分になっていた。でも今日はおなかがすかない。運動不足の上、朝食もしっかり食べた。そこで、ばあさんがおやつ用に高速道路のサービスエリアで買ってきたおもちと、ここの売店で買ったお団子が昼食に早代わり。

 少し離れたところにリフトが見える。蔵王ハイラインとは別に登山リフトもあるようだ。しかし御釜までは少し歩く距離が長いかな?


 山形県側へ入ると車の量は極端に少なくなった。やがて坊平高原。しかしこのあたりの紅葉もすでに峠は越し、早くも晩秋の気配。見えているスキー場のリフトが活躍する日も近いことだろう。

 この様子では蔵王や月山へ行ってももう遅いかな? となると、できるだけ帰る方角、南へ向かう? そして明日は裏磐梯か? ばあさん、

 「そのほうがええわ。」

 そこで米沢へ向かうことにした。


 米沢到着は4時を回っていた。さてどうする? 米沢市内で泊まって米沢牛か? それも良いが、やはり温泉かな? 小野川温泉? 白布温泉? どちらかと言えば帰る道筋の白布温泉かな? しかし、いかに平日とは言えハイシーズンである。

 ここまで来るとは思っていなかったから何の情報もない。白布温泉旅館組合は電話がつながらない。仕方なく、米沢市役所の商工観光課へ問い合わせをして教えてもらい、各旅館に電話。だがどこも満室だと言う。そして最後の一軒、中屋別館不動閣にようやく空室あり、一泊二食、12750円だそうな。ふぅ〜・・・。

 5時半に到着した中屋別館不動閣は渓流沿いに建つ山あいの静かな湯治場と言うところだろうか。建物も古く、部屋も小さい。しかし、部屋食のお膳を運んでくれた仲居さんと布団を敷いてくれたおじいさんの優しい心遣いや心地良いお国言葉、そして温かな雰囲気に身も心も癒され、この長い旅行の最後の夜が静かにふけていった。


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