旅 日 記


弘前ロングステイ


栗駒山 2007年10月5日(金)


 天気予報の通り、夜半には激しい雨が降っていた。だが午後からは急速に回復するらしい。カーテンを開けると雨はやんでいるが厚い雲、そして時々霧が視界をさえぎっている。後の予定もあり、ここではそんなにのんびりもしていられず、大丈夫だろうか。

 7時ごろ、急に空が明るくなってきた。山もくっきりと見え、その上どんどん良くなりそうな気配である。そこで7時30分からの朝食を済ませて飛び出した。

 いわかがみ平の駐車場には早くも20〜30台の車、一台の観光バスでは皆さんが登山の準備中。見上げれば真っ青な空が広がり、山の頂がなんだか赤く見えている。8時25分、栗駒山への登山を開始した。

 直登の急斜面、これはかなり堪える。ばあさんの心配もしなければならず、当然のようにペースは遅くなる。観光バスの団体さんを含め、たくさんの人に道を譲りながらの山登りである。

 そのご褒美は間も無く現れた。わ〜・・・これは・・・すご〜い・・・。

 目の前には見事に色付いた山、いやこれは真っ赤なじゅうたんではなかろうか・・・もう何も言えない。それも登るに従いだんだんその美しさを増してゆく。昨年見たテレビの映像の通り、いやそれ以上の景観が広がっていた。

 登山口からも見えていた赤い山、高い山があれだけ赤く染まる様子など下からはなかなか見られないものだが、これではさもありなん、納得である。

 時々雲が流れてはいるものの真っ青な空、明るい太陽がその美しさを後押しして見事な景観を演出している。

 やがて頂上付近がはっきりと見えてきた。見上げれば緑色の山肌・・・いやそんな単純な色ではなく、えも言われぬ色・・・追い抜いて行った団体さんが早くも頂上付近に差し掛かっている。ところが我々と言えば・・・え〜、まだ半分くらい? 時間は10時を過ぎてるじゃん。

 わ〜・・・あれも草紅葉? 近くの谷では何か妖艶な雰囲気さえ漂う・・・ビロード? いややはり草紅葉のようだ。

 ふり返って見れば得も言われぬ景観は広がっている。これはまさしく天国か? こんな紅葉、見たことがない。どれだけの色で構成されているのだろうか。

 ようやく頂上への最後の登り、木製の階段が現れた。その向こうの山にも散りばめられた赤・・・あれが東栗駒コースだろうか、頂上からの下りには格好のコースだそうな。なおも見事な色合いに染まった山々・・・これはもうたまらない。

 しかし我々と言えば・・・ここから頂上までどれ位かかるの? 30分? それとも1時間? ばあさんはしきりに下りの心配をしている。登りより下りのほうが膝に負担がかかる。その上これだけ岩が多く、また急斜面を下るとなると少し心配でもある。

 また、今日はこの後予定がある。弘前に遅くとも6時までには着いて、マンションの鍵を受け取らなければならないのだ。

 そこでこの辺りで引き返すことにした。頂上まであと少しのところだが、我々は何も山登りをしにきた訳ではない? 紅葉狩りの目的は十分、いや十二分に果たせた? なに? それは言い訳? う〜ん、それを言われると少し辛いものがあるが・・・。

 下りも大変気を使う。ところどころではばあさんに手を差し伸べ、足場を指示しなければならず、ゆっくりゆっくり。

 1時、ようやく駐車場に到着。と言うことは4時間半もかかったの? 途中で引き返したのだから、普通は往復3時間足らずの行程だろうか。しかし、ばあさん、いや二人とも良く頑張りました。さすがにばあさんにはこの登り、少々きつかったかな?

ワイド写真1 ワイド写真2

旅のアルバム 栗駒山

 昼食? ばあさん、あまり食欲がなさそうだ。少しお疲れ? いやあれだけ見事な紅葉を見て胸がいっぱいならお腹もいっぱい? 朝食をあれだけ食べればさもありなん?

 後は一路弘前を目指す。まずは一関インターチェンジへ。そこへ厳美渓の標識。そうだ。ばあさんに例のものを食べさせてあげよう。昼食もとらなかったことだし・・・。

 この時期、厳美渓にはそんなに魅力は感じない。だが、かっこう団子は話のネタに食べても良いかな? まあ、団子自体は珍しくもないが、その頼み方が珍しい。

 良くテレビに登場するから知っていたが、ばあさんは知らなかったようだ。ザルにお金400円を入れて木槌で板をたたくと、そのザルがスルスルと登っていき、今度はお茶と団子が入ったザルが下りてくる仕組み。まあ、これもまた一興?

 弘前のレオパレスには早くも暗くなった5時30分に到着した。鍵を受け取り、買い物をしてしばしお世話になる我が家へ。何かとお片付けをしてようやく就寝。間も無く日付が変わろうとしていた。

 なに? 明日は好天? ならば八甲田へ行こう。しかし3連休の土曜日。そうとなれば6時半出発? お〜い、大丈夫か〜?


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