旅 日 記
山高神代桜とわに塚の桜、そして清里へ 2008年4月4日(金)
昨年の春、山梨県の身延山久遠寺を訪れたが、実は実相寺の山高神代桜を見に行くつもりであった。しかし開花時期と日程が合わず、結局身延山になったのだが、来年は是非・・・と今年の桜は山高神代桜と決まっていた。
しかしばあさんがまた仕事に復帰したものだから見ごろで平日となると出かけられるのは4日の金曜日しかない。そこでやきもきしながら開花状況をチェック。神代桜も3月29日に咲き始めたが、その後、この天候不順と花冷えの日々。おいおい、大丈夫なの?
3日の情報ではようやく5分咲きとなったらしい。天気も回復しそうだし・・・となれば少し早いかも知れないがこれは出かけるしかないだろう・・・と3時50分に彦根インターチェンジから深夜割引の高速道路に入った。
8時前に到着した実相寺は静かな山間にたたずむ落ち着いた古刹。雲ひとつない群青色の空に雪を被った南アルプスがそびえ立ち、境内には黄色が鮮やかな満開の水仙の花。そして満開には少し早いものの見事な桜が咲き乱れている。なんと贅沢なところなんだろう。咲いている桜はエドヒガンザクラでソメイヨシノはまだ蕾だそうな。
本堂の傍らには樹齢2000年とも言われる神代桜がでんと居座っておられる。なんと言う威厳なのか。そのか細い枝先には見事な花をつけ、その様子がまたなんとも愛らしい。
日本三大桜の名に恥じない、いやその名にふさわしい姿には感動を覚える。日本武尊(やまとたけるのみこと)が東夷征定のおりにこの地に留まり、記念にこの桜を植えたと伝えられ、以来2000年。
いろいろ試練もあっただろうに良くぞ生き延びてこられたものだ。そう考えるとせいぜい7〜80年の人生なんて、なんとちっぽけなことか。
これで日本三大桜は岐阜の根尾の薄墨桜とこの山高神代桜の二つを見たことになる。ならば来年はあと一つ、福島の三春の滝桜か?
次に訪れたのはわに塚の桜。実相寺から20〜30分のところ。こちらは田んぼの真ん中に咲く優雅な一本桜。ほぼ満開のようだ。何だか雰囲気が岡山の醍醐桜に似ているかな?
ただ大きく違うところは背景に美しく輝く八ヶ岳。これもまた見事ではないか。なんとも言えぬその光景にただただうっとりするばかりであった。
さて、今日の桜見物はここまで。しかし時間はまだ10時過ぎ。そこで清里から野辺山へ向かうことにした。
国道141号線を甲斐駒ケ岳をはじめ南アルプスの峰々を左に眺めながらの快適なドライブ。青空がまぶしい。振り返れば大きな富士山・・・ところが方角は南、逆光じゃん。その上天気が良すぎるのか、靄におおわれぼや〜としか見えず、残念。北の方角、八ヶ岳がだんだん大きくなってきた。
清里を通過してまずは野辺山高原へ。だが見どころはJRの標高最高地点の踏切と駅では一番高い野辺山駅、そしてパラポラアンテナくらいかな? まあ、緑が美しい季節ならまだしも、まだまだ冬枯れのこの時期である。スキー場には滑るのに十分と思われる雪が残っていた。
次に向かった八ヶ岳の展望台、平沢峠では麓もまだ冬枯れの風景だが、雪を被った雄大な八ヶ岳の姿に魅了された。おいしい空気を胸いっぱい吸い込む。なんと気持ちが良いのだろう。
時間もちょうどお昼時。そこで清里高原まで引き返し、清泉寮のレストランで昼食。そのあとはお決まりのソフトクリーム。ばあさん、濃厚でおいしいお味に大満足のご様子。
しかし、清里と言うところはやはりこの時期に来るところではなさそうだ。道路際には雪が残り、大きな森にもまだ美しい緑は見られず、牧場には牛の姿など全くない。沿道には閉められたお店が並び、何ともうら寂しい雰囲気が漂っている。
立ち寄った吐竜の滝はどこから流れているの? 岩の間? それも幾筋もの細い糸のようでなかなかの風情じゃん。勇壮な滝も良いが、これはこれでまた優雅ではないか。キセキレイだろうか、岩から岩へと飛び回っていた。
また美し森からは大パノラマが望め、先ほど寄った野辺山高原も見渡せる。吐竜の滝共々、新緑のころはさぞかし素晴らしかろうと容易に想像がつく。これが清里の魅力なんだろう。
そんな清里でのんびりとし、夕方、これも清里の代名詞だろうか、赤い東沢大橋を渡り、ゆっくりと帰途についた。
帰りは小渕沢インターチェンジから高速道路を利用。10時前に帰着。全走行距離、905Km。
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