旅 日 記
丹波もみじ三山(高源寺 円通寺 石龕寺) 2008年11月18日(火)
昨日、昼食後のこと。
「散歩に行こか。」
とばあさんが言い出した。小春日和とはいかないまでも暖かな陽気である。明後日からは寒くなるらしい。それにしても昨日までは体調ももう一つでドライブや散歩に誘っても、しんどい・・・とか、膝が痛い・・・と言って出かけなかったのだけれど・・・。
退院してまもなく一ヶ月が経とうとしている。ここにきてどうやら少しずつ良くなっているようだ。病は気からと言うことを本人も良く理解しているだろうし、いつまでもふさぎ込んでいても始まらない。そこでいつもの散歩コースの4分の1くらいをゆっくり、ゆっくりと歩いた。
足の筋肉が衰え、歩くことや家事は何とかできても膝に力が入らず、階段の上り下りが苦痛らしい。先日の診察で医者も散歩を勧めてくれた。まあ、あせらずにのんびりと構えることが肝心だろう。
ところが夕方になって、
「コヤマロールが食べたい。」
と言い出した。三田にあるケーキ屋さんのロールケーキである。もっとも甘いものはできるだけ控えるようにとの医者の忠告もあり、しばらくはケーキにも飢えていることだし、仕方がないかな?
「どっかその近くに紅葉を見られるとこ無い?」
やっぱり・・・。
昨日までそんな雰囲気ではなかったけれど・・・。だがここは彼女のその気持ちを大事にしてやるのが夫としての務めであろう。
「あるにはあるで〜。ちょうど今が見ごろやろか? せやけど大丈夫か?」
「少し歩いただけやけど、なんともないし大丈夫や。」
「しかし無理したらあかんで。明日の朝の様子を見てからにしたら?」
そして今朝。
「足も膝もなんともないし、ゆっくりやったら階段も登れるやろし、行きたい。」
ならば気分転換にもなるだろうし、リハビリがてらお出かけしましょう・・・と9時過ぎに出発した。
私には随分前から一度訪れたいところがあった。それは丹波、青垣町の高源寺。紅葉が見事らしい。ただ混み合うことだろうし、ばあさんの体調のこともあり滅多に利用しない第二阪奈道路、そして阪神高速、中国道を利用して急ぐことにした。
舞鶴自動車道に入ると沿線の山々が見事に色付き、輝いている。ばあさん、うっとり。これだけでも出かけて大正解だったようだ。春日インターチェンジからは北近畿豊岡自動車道を走ると高源寺到着は11時前。なんと速いことよ。
平日にもかかわらず観光バスがずらりと並び、結構な人で賑わっている。それもそのはず、少しピークは過ぎているが見事な紅葉が出迎えてくれた。
少しピークを過ぎていると言うことは散りもみじも見られると言うこと。これもまたなかなかいいじゃん。
急な階段もあったが、ばあさんの手を引き、ゆっくりゆっくり。大丈夫か?・・・と何度も何度も振り返りながら・・・。
もみじに埋もれている多宝塔もなかなかいい感じ・・・。
階段も普段ならなんでもないのだろうが、休み休みだから境内を一通り回ると結構時間がかかったのは仕方のないところ。その分私は写真をゆっくり撮ることができたから、ラッキー! ん?
時間は12時を回っている。さて、昼食はどうする? 走っているとファミリーマートの看板。ばあさん、
「そや、ウッチー弁当があるかも知れんで〜。」
テレビ番組、ジャンクSPORTSから生まれた期間限定の弁当を求めて何度か買いに出かけたのだが、いつも売り切れ。まもなくその期間も過ぎようとしている。
ところがこのお店にあったではないか。さすがに田舎のこと。店長さんらしき人も、そうなんですか・・・とあまりご存じないご様子。ウッチー弁当と浜田スタミナカツ弁当が今日の昼食。どちらも結構なお味で・・・。昼食代、〆て1028円。
店長さん、
「紅葉狩りですか?」
「今、高源寺からの帰りです。」
「このすぐ先にある円通寺も紅葉が美しいですよ。そして少し先に石龕寺 (せきがんじ) もありますから行かれては?」
そう言えば先ほど貰ったパンフレットにものっていたっけ。高源寺を含めて丹波もみじ三山・・・と言うそうな。円通寺はネットで知っていたが、石龕寺は全く知らなかった。ばあさん、
「ほな行こ。」
おいおい、大丈夫なの? まあ、それだけ元気なら・・・。思い切って出かけて吹っ切れたものもあるのだろう。自信もついたと言うことらしい。
円通寺は真っ赤なドウダンツツジが迎えてくれた。
そんなに広くない境内だがたくさんのもみじの木が池の周りを取り囲んでいる静かなお寺である。しかしここでも観光バスの団体で大賑わい。
石龕寺へは南下しなければならず少し距離がある。そこで、
「無理せんとこか。」
「ここまで来たんやで〜・・・。」
とばあさん、不満顔。仕方がない、回り道しますか・・・。
イチョウの落ち葉を踏みしめて到着した石龕寺は山間の静かなお寺。
さすがに訪れる人も少なく、美しく色付いたもみじを愛でながら、のんびりと散策させていただいた。
時間は3時を回っている。さて、三田へ急ごう。ところがいつものこととは言え、到着したESコヤマは長蛇の列。結局買い求めたのは5時を回っていた。まあ、満足そうなばあさんの顔が救いかな?
「だいぶ歩いたし、階段も多かったけど、大丈夫やったか?」
「うん、あれだけゆっくりと歩いたさかい、なんでもないで〜。」
どうやら心配したのが杞憂に終わったようだ。これでは今までのお出かけとあまり変らない? 元気を取り戻してくれたのなら大いに結構なこと。これからもあまり無理はせずに、のんびりとリハビリに取り組んでもらいたいと願うばかりである。
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