旅 日 記


なに? 今から鳥取へ?


夜のとっとり花回廊 2009年5月31日(日)


 日曜日朝の7時40分、朝食をとりながら見ていたNHKニュースの天気予報でとっとり花回廊のバラの花が映し出された。突然、

 「これから行こ。」

 なに? これから? そう言えば10日ほど前から大山の新緑が見たい・・・としきりに言っていたっけ。ここしばらく鳥取、北近畿、山陰方面へは行っていない。

 「新緑もきれいやろな~。まきばみるくの里のおいしいソフトクリームも食べたいし。」

 「これから日帰りやと両方は無理や。明日のほうが天気は良さそうやで。」

 「高速料金はいくらかかるん?」

 「うん、調べてみるわ。」


 しかしのんびりと新聞を読み、パソコンを開いたのは9時を回っていた。

 「池田から溝口インターチェンジまで5200円で平日割引は3650円やて。」

 「今日やったら1000円やろ?」

 「まあ、そう言うことやな~。」


 9時40分ごろ、

 「皆生温泉に湯快リゾートがあったやろ? 空いてへんか聞いてみて。」

 仕方がない、我が家では女王様の言いつけには逆らえないのだ。まあ、どうせ満室だろうし・・・。


 「ちょうど今キャンセルが出て一部屋空いてます。」

 おいおい、空いているのかよ~。

 「ほな出かけよ。明日朝からとっとり花回廊を見て昼から大山、夕食は鳥取のすし若で回転寿司、お昼、どっかで海鮮丼を食べられへんか調べといて。」

 それってマジ?

 いやはや、とんだことになってしまった。NHKさんも余計なことをしてくれたものである。あの放送がなければのんびりできたのに・・・。なに? のんびりしているのはいつものこと?

 ばあさんも一泊の準備などは朝飯前、10時40分には出発していた。


 高速料金1000円は確か大都市近郊区間は対象外だったはず・・・と池田から宝塚まで国道176号線をわざわざ走ったのに、なに? 1300円? なんで?

 「しっかりしてや~。」

 そんなん知るかい! 後で調べたところ大都市近郊区間は西宮北インターチェンジまでで、乗ったのが一区間早かったようだ。


 午後3時過ぎ、湯快リゾートかいけ彩朝楽にチェックイン。だが当日予約となると・・・これは最低ランクの部屋? もっともそのことは電話で聞いていた。駐車場も5分ほど歩く必要があり、白浜御苑と比べると・・・? まあ、一泊二食7800円ですから・・・。


 とっとり花回廊ではこの時期、土日は夜間も9時まで営業しているらしい。

 「行くか?」

 「行きたいけど、ビール飲まれへんで~。」

 「そんなんかまへん。」

 そこで5時30分からの夕食を済ませて出かけることにした。皆生温泉から30~40分。こんな山の中にあるんだ・・・。

 とっとり花回廊は広い園内に作られた回廊だけでも一周1Kmもあるそうな。そこで車椅子を借り、ばあさんを乗せてその回廊を歩いてみた。外はまだ十分明るく、のんびりと花を愛でながらのお散歩。大きなドームの中にはいろいろな花が咲き、とても華やかである。

 やがて日が暮れ、照明がその威力を発揮しだすとなかなか結構なムードじゃん。

  しかしそんなに多くない入場者の大半は若いカップルで、車椅子の我々は場違いのお邪魔虫だった?


とっとり花回廊と大山 2009年6月1日(月)


 朝から快晴。朝食後、ロビーの新聞を持って外のベンチへ。朝の光に輝いた海を眺めながらのんびりと新聞を読む。ばあさんはベンチに横になり

 「気持ちええで~。」

 「そんなんしてたら日焼けするで~。」

 優しく降り注ぐお日様の光がばあさんの体を暖かく包んでいた。

 9時前にチェックアウトして再度とっとり花回廊へ。まずは料金300円のフラワートレインに乗り場内を一周。早朝で入場者も少なく、乗客は我々だけだと思っていたが、二人連れの女性が乗ってくれ、思わずホッ! おもちゃのような乗り物でのんびりゆっくりと20分かけて園内を案内してくれる。

 「車椅子は?」

 「今日は天気もええし、行きたいとこだけゆっくり歩いてみるわ。」

 そこでフラワードームからヨーロピアンガーデンとバラ園、そして水上花壇へ。2時間近くかけて休み休みゆっくりと歩く。

 美しい花に癒されて満足そうなばあさんであった。

 あまりにも天気が良すぎるのか、大山が少しもやって見えている。しかし暑さはそれほどでもなく、からっとしていて気持ちが良い。時間と共に来場者も随分増えてきたようだ。


 時間は12時を過ぎている。ならば昼食にしよう。

 今回は境港ではなく、赤碕まで足を伸ばすことにした。距離は同じくらいだが、日本海自動車道の一部が無料開放されており、そんなに時間もかからないことだし・・・と活魚ふじへ。

 「ネットで調べただけやから、どんなところか知らんで~。まずうても文句は言わんように。」

 ばあさんが注文した海鮮丼はなんでも丼と言い、850円。魚が漬けになっており結構なボリューム。しかし魚の種類が3種類ほどと少なく、最後のほうは惰性で食べたらしい。酒田で食べた海鮮丼が・・・とばあさん。比べてやるのも可哀想?

 私が注文した1900円の刺身定食がでてきて驚いた。刺身なんてホンの少しだけじゃん。アカハタと言う魚の煮つけとアジの塩焼きとフライ、そして小鉢とモズクにお味噌汁とご飯に香の物。ボリュームこそ結構なものだが、これが刺身定食? まあ定食は定食だろうけど・・・。しかしそこは魚大好き人間、ばあさんと分け分けしておいしくいただいたことだし、まあ、いいっか。


 来た道を引き返して大山を目指し、大山道路を登る。どこまでも続く新緑が目に優しく、大きな大山が美しい。大山まきばみるくの里でのんびり休憩して鍵掛峠まで足を伸ばし、涼しい木陰でお昼寝タイム。

 この時期にしか味わえない大山に、

 「こないだの東北では真っ白な雪やろ、今日はどこを見ても新緑やん。もう言うことないわ~。」

 その言葉に運転の疲れもどこへやら。


 帰りはすし若鳥取店で回転寿司の夕食の後、ここでも河原インターチェンジから粟倉まで無料開放されている鳥取自動車道を利用、佐用インターチェンジからは中国道を走り、10時30分帰着。 走行距離 810Km。NHKさんのおかげで楽しい旅をさせていただきました。


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