旅 日 記

伊豆半島

2003年9月11日

 今日も快晴、南伊豆の海は朝からキラキラキラキラ・・・気分よく石廊崎から西伊豆へ向かう。

 道路際にさりげなく咲いている真っ赤なハイビスカス越しには美しい岩肌の海岸線と真っ青な海、そして青い空・・・これはたまらない。

 石廊崎は20〜30分、山道を歩かなければならないそうな。しかし今日中には帰らなければならず、先を急ぐことにした。

 松崎が近くなり突然青い西伊豆の海の上にぽっかりと濃紺の富士山がその全容を現してくれた。中腹にネックレスのような淡い雲の帯がたなびいている。かなり大きく見え、やはり美しい。

 カーブを曲がるたびに富士山が見られるか? ゲーム感覚で楽しみではあるが、海沿いとは言えかなりの山道。しかし車の量はそんなに多くない。

 さて堂ヶ島だが、ここまで来たからには遊覧船に乗り天空洞を見てみたい。だが青海島のこともあり嫌がるだろう。だが松島の遊覧船や昨日の東京湾フェリーには何も言わずに乗ってくれた。そこで、

 「海も穏やかやし、ほんの20分ほど湾内の洞窟めぐりをするだけやから・・・。」

 と半ば騙し、乗せることに成功。

 外海に出ると当然波はうねっている。カミさんは緊張しているのか言葉数が少ない。珍しい岩肌やぽっかりと青い空が見えている狭い洞窟の中へ器用に船を操る20分の観光。ようやく陸に上がってホッ! だましてゴメンね。

 松崎まで戻り、山道で天城越えをする予定だが、

 「もう富士山は見られへんの?」

 と何だかさびしそう。ここは罪滅ぼしにもう少し走ってみよう。しかしいくら走れども富士山は顔を見せてくれない。

 とうとう恋人岬。これはおっさんとおばはんが来るところではない。数は少ないが、それでも4〜5組のカップル。いや待てよ。我々も一応はカップルじゃん。ん? しかし富士山も見えず、早々に退散。

 ところが次のカーブを曲がった途端、より大きな富士山が現れた。ああ、よかった〜。しかし、ここまで来ると松崎へ戻るより土肥はすぐそこ? ならば湯ヶ島から天城峠を往復したほうが近いかな?

 西伊豆バイパスから湯ヶ島を通り、浄蓮の滝に到着。下のほうから沢の音が聞こえているが急な階段である。途中出会った若いカップルに

 「まだ遠いですか?」
 「結構ありますね〜。しかし涼しいですよ。」

 ならば頑張ろう。

 浄蓮の滝は深い森の中の大きな岩を割ったように太く立ち昇る水柱のごとく、豪快に流れ落ちていた。若者が言った通り、涼しい風が汗ばんだ体を冷やしてくれる。近くには淡い緑のワサビの葉っぱの畑。これがワサビ田か〜。

 しかしながら、下りがあれば帰りは当然登らねばならない。

 「どこが涼しいねん。」

 とカミさん、あの若者に八つ当たり。到着するや待ちきれなかったように早速ワサビソフトだそうな。当然のこと?

 道の駅には帰りに寄ることにして、まずは天城峠だ。旧天城トンネルへ旧道を走ろうと曲がった途端、なに? 地道? それもひどいデコボコ道で車の底をすりそう・・・これヤバクナイ? と言うことで狭い場所でUターン。

 結局新しいトンネルを抜け、河津七滝ループ橋を走っただけで引き返し、道の駅天城越えでおにぎりの昼食のあと、修善寺から一路沼津を目指した。

 だんだん雲が厚くなり、今にも雨が落ちてきそうだ。当然のことながら富士山も雲の中。清水から日本平パークウェイへも寄り道したが、少しだけ駿河湾を望めただけ。有料道路が無料開放されていたから、200円を払わないで済んだのがせめてもの慰めか?

 通称イチゴ街道のYAMA-ROKUへ。もともとカミさんのこの旅行の目的の一つに三男の嫁から送ってもらった熊さん牧場のアイスクリームがあった。だがインターネットで調べ、道中にあるこのYAMA-ROKUにしたのである。

 熊さん牧場や滋賀、永源寺の池田牧場のものも他のものも、ここのものも同じアイスクリームじゃん。味はそんなに変わらない? ネット上で味の論争をしているのを見るとやはり違うの? 肝心のカミさんはどの程度わかっている?

 ドライアイスを6〜7時間分と注文した奈良からの客に少し驚いた店の人は、

 「またお越し下さい。」

ん? そんなに簡単に言われても〜。だがカミさんのことである。何を言い出すかわからない。

 静岡インターチェンジから東名高速を利用、10時過ぎに無事帰りついた。走行距離1680Km。

 せっかく房総から伊豆への旅だったのに美しい夕日にも朝日にも出会えなかったのは残念だったが、美しい富士山を各所から、そしてキラキラと輝く房総の海、遠くに伊豆諸島が浮かぶ伊豆の海を眺め、その上、おいしい魚三昧。

 当初あまり気乗りがしなかったこの旅だが、思い切って出かけて大正解。今回も良い思いをさせてもらった。やはり旅は良いものである。感謝、感謝。

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