旅 日 記
阿寒湖へ
2004年7月7日
今日も朝から雨。それもしっかり降っている。木曜日、晴れの予定であった稚内も今朝の予報では曇りと悪くなり、当分晴れる気配は無い。一番の目的地の礼文島には是非晴れた日に訪れたい。ならば北を目指すのは後回しにしよう。阿寒湖から釧路へ回り、知床から北上することに予定を変更。
国道38号線はかなりの通行量だが、大雪湖から国道273号線に入ると極端に少なくなった。その上降っていた雨もあがり、道路も乾いている。少しのことでこんなに変わるの? 遠くに雪を被った山が見えている。あれが大雪連峰だろうか?
この上ない新緑がどこまでも続き、道路際には草花が可憐に咲き、そこかしこに大きなフキの葉っぱも見られる。それらが押し付けがましくなく、ごく自然なのがうれしい。
長い直線道路も多く電柱や電線、信号などの雰囲気を壊す何ものも無く、気分は最高である。
「電柱がじゃまやて言うてた意味がようようわかったわ。」
「そやろ、そやろ!」
道端に鹿を発見。こんな簡単に動物にも出会える・・・北海道とは懐も大きい?
「こないなったら次は熊に出会いたいもんや。」
とカミさん。
「そらあかんやろ。」
長いトンネルを抜けると三国峠。曇り空ながら視界は良好。でっかい北海道を感じさせてくれる風景である。
下り始めると斜面にルピナスの大群が現れた。こんなところで見られるの? カラフルで美しい。それから先にもところどころで小さな群落が続いていた。
「小樽へ着いてから新緑ばっかり見てるけどちっとも飽きへんな〜。こんな新緑やったらこの先ずっと続いても大丈夫やけど、これが紅葉したらどないなるんや? 真っ赤や黄色がこんなけ続いたら目がチカチカするんやろか?」
どうやら来年も、いや秋にも来るつもりらしい。それももっともなこと? 気温は20度前後で快適だし、この天気にもかかわらず湿気が全く感じられず、こちらに来て汗をかいたことが無い。今朝のテレビは大阪の温度が連日35度と報じていた。もうそんなところで生活できない。どうする? もう帰りたくない、いや帰れない?
人気がなく、全く静かな糠平湖を眺めながらしばし休憩。 だがあったのはトイレと自動販売機が1台だけ。 雨は降っていないものの、厚い雲に覆われ、対岸が霞んでいた。
程なく上士幌町。平野が広がり景色が牧場や畑に変わってきた。一面緑のジャガイモ畑とそこに咲く可憐な花が良い雰囲気で、それにも増してこの広さ、牧草ロールが転がり時折牛の姿も見られる。
ジャガイモの花はピンクばかりでなく白い花も現れ境界線を形成している。また程よく色付いた麦畑のベージュ色が適当なアクセントとなり程よいハーモニーを演出している。
道の駅スタンプラリーが催されていてこれまでも何箇所か寄って来た。そこで少し遠回りだが道の駅ピア21しほろまで行くことにした。
ジャガバターが売られている。そのジャガイモがとても大きく、おじさんがたっぷりとバターを塗ってくれ、ついでにパンを買い、これが今日の昼食。白い花は男爵、ピンクはメークインだとおじさんが教えてくれた。人なつっこくてとても優しい。
ここまで来たからにはナイタイ高原牧場へ行ってみよう。ところが牧場に入ってもう随分走っているがまだなにも見えてこない。グルッと360度緑の丘が続き、草を食んだり寝そべっていたりと自由気ままな牛たちがあちらこちらで見られるが、この広さ、とても少なく感じる。人口密度、いや牛口密度はかなり低い?
突然霧がかかりだした。真っ白な世界へ迷い込んだ子牛や子羊たちもこんな気分だろうか? これは一体どこまで走れば良いの? 不安な気持ちになり始めたそのとき、何かが見えてきた。建物らしい。
ようやく、ようやく到着したレストハウスでカミさんはお土産のお買い物。だがまだ物足りないらしくなぜかウロウロと落ち着かない。
「今日もあかんで〜。ソフトクリーム。」
だが、辛抱しきれないらしく、
「な〜、半分食べてくれへん?」
まあここまで来てその味を確かめられないのも可哀想? 許すとしますか。あまり好物でもなく、いつもは一口舐めるだけで十分なのに仕方なく半分以上食べたが・・・しかしこれ、かなり濃厚ではあるがなかなかおいしいじゃん。この場所で食べたから? いやそれだけでは無い? やはりなにかが違う?
少し道草を食いすぎたようだ。阿寒湖へ急ごう。牧場や畑が続く国道は通行量も少なく、いくらでも飛ばせそうだが、ここは注意して新聞配送のトラックの後を追走。これがかなりのスピードで走ってくれる。やがて足寄湖が見えてきた。
国道241号線から道道664号線へ入り、ラワンぶき鑑賞ほ場へ。ラワンとは地名らしい。螺湾と表示してあった。
これまで走ってきた道路際ではどこにでもふきの葉っぱを見ることが出来た。その少し大きなものだろうと思っていたが見て驚いた。これはでかい、大人の背より高いじゃん。これが北海道サイズと言うのか? 先ほど寄った道の駅足寄湖で売っていたフキの瓶詰はこれを加工しているのか?
やがて道路は砂利道になり、しばらく我慢を強いられる。それもようやく開放され、オンネトーに到着。
なんと美しい水の色なのだろう。雌阿寒岳、阿寒富士も何とか姿を現してくれ、とても静かで良い雰囲気である。大きなキャンバスに絵を描いている人がいる。優雅だね〜。
ここでもキタキツネと遭遇。だが可哀そうなくらい痩せ細っている。後で聞いた話だが、この時期キタキツネは毛も抜け、やつれてガリガリになり一層精悍な顔つきになるそうな。だが厳しい冬を生き抜くため秋からはふっくらとなるそうな。
阿寒湖ではまずアイヌコタンのお店でお土産の物色、それから宿探し。安さにつられ阿寒ビューホテルにした。一泊二食一人8550円。かなり大きなホテルである。
それから遊覧船に乗りチュウルイ島でマリモ見物。たくさんのマリモや大きなマリモに驚かされ、マリモができる過程を少しばかりお勉強。
遊覧船は美しい新緑の中を進んでいるが、周りの山は雲に覆われ今にも雨が落ちてきそうなこの空模様では魅力半減かな? さぞかし紅葉は素晴らしかろう。
「見てみたいな〜紅葉・・・。」
とカミさん、ポツリ・・・。
さてホテルの食事だが・・・。夕食も朝食もバイキング。やはり値段が値段。おいしいものを食べられる訳無いじゃん!
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