旅 日 記
小布施
2004年10月19日
どんよりとはしているが比較的雲は高そうだ。この分だと午前中、天気は何とかもちそうかな? そこで7時からのバイキングの朝食後すぐに飛び出した。
万座温泉から万座峠を通り、須坂まで下る県道は通称万座道路と言うそうな。
カーブが多く狭い山道だが、周りは白樺の森が続き、その独特の色付き具合が得も言われぬ雰囲気を醸し出し、これはこれでなかなかの雰囲気ではないか。
早朝ゆえか、それともこれはいつものことなのか、通る車もほとんど無く、所々で車を止めながらのんびりと車を転がす。大きく響く鳥の鳴き声以外、音は何もない。
見上げれば昨夜泊まった万座温泉とスキー場、ただ北信五岳は霞んでほとんど見えない。しかし雨が降っていないのを喜ぶべきだろう。
山田温泉から松川渓谷へ向かい八滝の展望台に到着。10数台の駐車スペースだが、ちょうどうまく回転しているのか、そんなに混雑はしていない。
だが紅葉の最盛期には少し早い? 大きな森に包み込まれるように流れ落ちる勇壮な滝、180mもあるそうな。これが全山紅葉すればより見事であろう。
続いて向かった雷滝でも何とか停められたが観光バスも多く、かなりの車で混雑していた。駐車場から急な階段をゆっくり歩いて10分あまり。
カミさん、昨日は少し足が痛かったらしいが今日は大丈夫だと言い、何事もなかったように下りてゆく。朝風呂も含めて三度、ゆっくりと暖めたおかげで随分楽になり、その上荒れた手もスベスベになったそうな。
この雷滝、落差は30mだが、轟音を立てて豪快に流れ落ちる様を下からは全容を、そして裏側の通路からは流れ落ちる水がすだれのごとく、その先に対岸の景色が見られ、なんとも不思議な世界。裏見の滝とも言うそうな。これは落差以上の迫力じゃん。
松川渓谷の紅葉はこんなものではないだろうが仕方がない。紅葉真っ盛りの様子を是非見たいものだが・・・さて・・・?
カミさんは栗が大好物である。秋になると丹波へ焼き栗や栗のお菓子を求めて行くのだが、今年はまだその機会がない。そのせいもあるのだろう、小布施がこの旅の目的の一つになっていた。いや一番と言っても過言ではない?
須坂市から小布施へ向かうと道路際にはたわわに実ったリンゴ畑が続き、手を伸ばせばもぎ取れそうだ。弘前でもこんな光景を見たっけ。だがこちらのほうが何だかくすんで見える? やはり空気とか車の量の違いかな?
小布施と言えば岩松院の天井絵だろう。到着した境内には中野小学校4年生が静かに整列中。社会見学らしく体操服姿がとても可愛い。その上お行儀が良く、一般客と一緒でもなんら違和感が無い。隣町の学校からここまで歩いてきたそうな。
それに引き換え我が家のおばはん、近所の農家のおばさんが売っている野菜や果物の前を離れようとしない。
「そんなんしに来たんとちゅうやろ。」
そんな言葉には耳も貸さず、残り少ないリンゴに気もそぞろ。
「お金を払っとくから、帰りまで預かっといてくれる?」
おいおい、少しはまじめに見学をしている小学生を見習ったら?
葛飾北斎が晩年に描いたと言う八方睨み鳳凰図も素晴らしいものだが、それを取り囲む欄間の見事さ! 事細かな細工に驚かされた。
ことのついでにフローラルガーデンおぶせにも立ち寄る。そんなに広くない庭にはそこそこの花が植えられ、まあまあの雰囲気だが、入場料300円を取るのならもう少し?
さて栗、栗、栗! まずは栗の木テラスでお茶する? だが時間は1時を過ぎている。聞けば軽い食事もとれるそうな。そして食後のコーヒー、カミさんは紅茶とモンブラン。ところが今までに食べたどこのモンブランよりおいしいと言い、お気に入りを通り越し、感激すらしている。ふ〜ん、そんなものですか・・・。
隣の席には我々と同じくらいの上品そうなご夫婦。そのお二人の前にも紅茶とコーヒー、そしてモンブラン。ところが奥様が食べ終わると手をつけられていないご主人のお皿と交換している。まるで我が家のビデオテープを見ているようでなんだか身につまされた。私だけではないのだ〜・・・とちょっと一安心?
後はお土産屋さんを二軒まわってなんだかんだとお買い物、そしてもちろん焼き栗も。観光バスが行き交い、かなりの観光客で混雑している様子に小布施の町を少し甘く見ていたと反省。
今にも泣き出しそうだった空からとうとう雨が落ちてきた。カミさんにこの旅をこのコースだと決定付けさせたものがある。それは上田まで足を伸ばしてのマツタケ料理、なんと欲張りなことよ。だが時間が中途半端になり、その上栗の木テラスで軽く昼食をとってしまった。そこで夕方4時に予約を入れる。まる光園、一人6300円だそうな。
高速道路を上田菅平インターチェンジまで利用。時間はたっぷりとある。ならば角間渓谷まで紅葉見物に行く?
狭い山道の突き当たりに一軒の温泉宿。角間渓谷は深い森の中だがたいして見るべきものもなく、この雨の中では歩いて散策することもできず、文字通りただの時間つぶしになってしまった。
さて、そのマツタケ料理だが、丹波あたりのマツタケ山は最低でも一万円、それがここでは6300円。大丈夫かな? と思っていたが、やはり鍋は牛肉ではなく鳥肉だそうな。マツタケと言えば牛肉のすき焼きだ・・・と思っていた私にはちょっとばかり肩透かし?
しかしさっぱりしたものがお好みのカミさんにはそれがちょうど良かったらしく、大満足のご様子。結構ボリュウムがあり、全てを食べきれない。余った天婦羅をどうする?
「すみませ〜ん。何か入れ物ありませ〜ん?」
これで明日、マツタケの天婦羅が食べられる?
降り続いている雨はますます強くなってきた。上田菅平インターチェンジから高速道路を利用、11時過ぎ無事帰着。全走行距離、1198Km。
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