旅 日 記
閑谷学校&倉敷
2012年11月9日
9日朝6時前に出発。加古川バイパス、姫路バイパスで少し渋滞にはまったが、おおむね予定通りの9時過ぎ、閑谷学校に到着。風も無く、真っ青な空が迎えてくれた。
駐車場の周りにはカエデやイチョウの見事な紅葉が見ごろを迎えていた。江戸時代に岡山藩が建てたと言う庶民の学校だそうだが、取り囲む山々に抱かれて建つ立派な講堂や他の建物が周りの静かな佇まいとも相まって、とても良い雰囲気ではないか。
広場には黄色く色付いたカイノキの大木。その横の階段などを丁寧に箒でお掃除をされている人の姿。地域の宝物を大切に保存されてきた証だろう。
講堂の廊下からは窓越しに床もみじも見られ、これもまたなかなかの風情である。そんな中、車椅子を押してのんびりほっこりと。この空間、なんだかいい感じ・・・。
この時期のこと、また何分寒さに弱い我が身ゆえ当然のように着てきたセーター・・・ところがそれでは暑すぎてついには脱いでしまうほどの陽気・・・これは良いところへ、また良い日に訪れたものである。ところが10時を過ぎると観光バスが続々と到着し、随分人が増えてきた。ならばボチボチお暇するとしよう。
駐車場の一角では地元のお母さんたちが手作りしたものなどをテントで販売中。おいしそうな山菜おこわにばあさん、
「今食べたらお昼、食べられへんな〜。」
「ほなこれ、晩ご飯にしたらええんとちゃうか?」
「そやな〜。それええやん。レンジでチンしたらええことやし。おばさん、夕方まで大丈夫やろか?」
大丈夫と聞いて買っていたが・・・どうして山菜おこわといっしょにおはぎも買わなければならないの? それがよくわからないのです、ハイ・・・。
備前インターチェンジから高速道路を利用して倉敷の美観地区へ向かった。ここでも車椅子を押してのんびりと散策。
この町並みには川岸を覆う柳の下を、なお日よけの編み笠をかぶり、小さな川舟を竿で操る船頭さんに身をゆだねての舟遊びが良く似合っている。優雅だね〜・・・。
ちょうどお昼時。鶴形旅館の食事どころで鯛茶漬けの昼食。初めて食したが、結構なお味で・・・。量もこれくらいがちょうど良い。
白壁の蔵屋敷、大原家の別荘であった有隣荘、またレンガ造りの倉庫に蔦に覆われたホテルなど、なかなか趣のある街並み・・・なるほどこれが美観地区か。
大原美術館やその近くには加計美術館、倉敷考古館、倉敷民芸館もある。なに? 星野仙一記念館? そう言えば倉敷のお人だったっけ。
だがばあさんのこと、そんなものには目もくれず、土産物店とか甘味どころへ一直線。ここでも車椅子に乗っていることを忘れているらしい。今度はあっちのお店・・・次はあそこ・・・なに? 牡蠣のせんべい? 牡蠣なんて広島の名物だろ?
「ちょっと疲れたわ。お茶にしょうや。」
大原美術館の隣に蔦で覆われた喫茶店、エルグレコがあった。
「そんなん、タバコくさいのん、いややで〜。」
聞けば分煙だそうな。ところが入ってみるとほとんどは禁煙テーブルだが、同じフロアで一つのテーブルには灰皿がおいてある。その店、そんなに広くはないけれど・・・。そんなので分煙と言えるか? まあ、そのテーブルにお客さんがいなかったから良かったけど・・・。なに? コーヒーが500円? これも倉敷価格?
とは言え思っていたより良いところではないか。最近、車椅子のおかげで街中ものんびり散策するようになってきた。以前は車で素通りすることも多かったのだけれど・・・。こんな旅も結構良いものである。まあ、歳のこともあるのかな?
さて、蒜山を目指すとしよう。早島インターチェンジから高速道路へ入り、倉敷ジャンクションを右へ、岡山ジャンクションは左、北房ジャンクションは右、そして落合ジャンクションは左へ・・・。100Kmちょっとの距離でこんなに多くのジャンクション通過したのは初めてである。
3時半、蒜山サービスエリアに到着。到着する少し前から雨が降り出していた。備前、倉敷ではあんなに良い天気だったのに・・・。さすがに11月ともなると冬の天気模様になるのだろう。いくら岡山県とは言え、ここは日本海側の天気分布。もう少し行けば、またこれから行く関金温泉は鳥取県である。
ところでそのソフトクリームだが・・・。4回目かな? キャッチコピーでは 「日本一おいしい」 とあるが私には濃厚すぎて・・・。 だが、ばあさん、この味がお好きなようで、事あるたびに言われていた。
関金温泉近くのAコープで夕食の簡単なお惣菜と明日の朝食のパンなどを買い、4時半過ぎに関金温泉湯楽里へチェックイン。一泊一人3615円だそうな。
2階建ての施設に16部屋あり、エレベーターは無い。ばあさん、階段は上がれないから1階の部屋となるとキッチンがついているのは一部屋だけらしい。ゆえに今回はキッチン無しであるが、立派な共同調理室が設えてある。だが下見で一泊だけのことゆえ、最初から自炊するつもりはなかった。
部屋には電気コタツがおいてあり、結構広い。ウォシュレットのトイレと洗面台、大きな冷蔵庫に電子レンジ、当然エアコン完備である。共同調理室には台所用品が揃っているから、この部屋でも十分長逗留できる。16年前、倉吉市の介護施設であったものを民間業者に委託したときに改装してこの湯治宿にしたそうな。ゆえに土地建物は倉吉市のものだと言う。
となると結構古い建物になるが、そんなに古さは感じない。特に部屋は壁の張替えなどもしているのだろうか、また掃除も行き届き、とても清潔である。きれい好きのばあさんでも合格点らしい。いつもはどの宿でも自分で掃除しないと気がすまないお人が、今日は何もしなかった。
1階に一部屋だけあるキッチン付きの部屋も見せていただいた。畳敷きの部屋とは別にキッチンと食事ができるテーブルが設えてある。この部屋にも炊事用具は全て揃っており、食材と調味料を持ち込めば何の問題も無い。これなら快適に過ごせそうだ。ただしこの部屋は一泊一人、3930円となる。
これなら水沢温泉と遜色ない。いや、勝っている。ただ問題は温泉かな? 男女とも小さな湯船で5人も入ればいっぱいになりそうだ。無色透明のお湯は温度が少し温めのラジューム泉。ただ前回日帰り入浴をした湯命館の半額割引券がもらえるそうだ。
ばあさん、「夏の暑さはどうですか?」 と聞いている。どうやらまた訪れる予定でいるようだ。まあ、これなら私も異存はない。だが、これはそんなに問題ではないが・・・なに? テレビがブラウン管? 今どきそれはないだろ? 次に訪れるときには変っているかな?
簡単な夕食を済ませ、のんびりとくつろぐ。12時過ぎ、若者が酒に酔って少し騒いでいたようだが、そのほかは静かな夜であった。
Next Top
|