旅 日 記


初めての北海道ドライブ旅行


積丹半島からニセコへ 2004年7月5日(月)


 定刻4時10分、小樽港到着。 曇り空だがどうやら雨の心配はなさそうだ。 小樽駅周辺から小樽運河まで少しばかりのドライブ、当然ながら車も少なく人影も見当たらない。

 運河周辺で少し散歩をしたがさすがにさらっとした空気でとても涼しい。 小樽の町は古い洋館の建物も多く、歴史を感じることができる。 小樽観光はこれだけで十分かな? いや帰りにもう一度寄らねばならぬ。 その時、寿司でもつまもうか?

 まずは積丹半島を目指す。 美国を過ぎると美しい緑の山並みが広がり、目に優しい風景がとても心地良い。 海から忽然と山が盛り上がり、断崖を形成している。 これは人間が生活する場所では無さそうだ。 なに、14度? 道中で見た温度表示である。 この時期関西ではむし暑く、最低気温が20度を下回ることは無い。

 6時過ぎ、積丹半島島武意海岸の駐車場に到着。 外に出た途端、

 「寒ぶ〜!」

 当然半袖のTシャツに素足である。 慌てて長袖のシャツブラウスを羽織り、靴下を履いた。

 遊歩道になっている狭いトンネルをくぐった途端、大海原が目に飛び込んできた。 右に見える赤茶けた大きな岩がより一層険しい断崖を演出している。 ここは火山地帯だった? 下を見ると美しい積丹ブルーの海、そして大小様々な黒い岩では覆い尽くさんばかりの白いもの、それらが動いているようだ。 カゴメの大群らしい。 格好の繁殖地なのだろうか?

 曇り空ながら雲は高く、水平線もどうにか確認できる。 大きな海、風は弱く波も穏やかそうだ。 行き交う船は全く見られない。 遥か下の水辺で遊んでいる人の姿が見える。 遊歩道で海岸まで下りることができるのかな? しかしこんな急斜面を下りたの?


 今朝からまだ何も口にしていない。 カミさん、北海道、それも積丹に来たからにはどうしても食べたいものがあるそうな。 と言うことで日司の丸三食堂へ。 時間は7時を少し回ったところ。

 え〜? こんなに朝早くからウニ丼? それも最高級のバフンウニ? 4000円のところ早朝割引で
3500円だそうな。 私はウニをあまり好まない。 と言ってもお寿司の軍艦巻きしか食べたことは無いが・・・。 そこでホッケの焼き魚定食を頼んだ。 800円。

 しばらくすると魚を焼くおいしい臭いが漂いだし、たまらずおなかがグゥ〜。 これはおいしい。 お皿に残ったものは骨ばかり。 カミさん、これでは猫もカゴメもつつきに来ないとあきれている。

 そのカミさんもおいしいおいしいと満足そう。 そこで少しだけお相伴。 これは私が想像していたウニではない。 とても甘く口の中でとろける。 ならば今まで食べていたのは何だったの?

 神威岬は先端まで歩くことにした。 所要時間20分とある。 ところがアップダウンもあり、ゆっくりゆっくり。 年上のお方も含めて何人もの人々が追い越してゆく。 どうぞどうぞお先に・・・。 周りの景色や可憐に咲く花などを愛でながら、また写真を撮りながらのマイペース。 なに? 往復1時間20分もかかった? これは少し遅すぎる?

 緑の山並みが続き、海に落ち込む斜面には高山植物のような花が咲き、そして澄み切った積丹ブルーの海、そして最後に現れたのが神威岩。

 積丹半島・・・思っていたより数段素晴らしいところである。 これぞ北海道! 着いた途端に先制パンチを食らったようだ。 何人もの都会人が北海道にあこがれペンションなどを営み、それをホームページで紹介されている。 早くもその気持ちが理解できた? 我々ももう少し若ければ?


 岩内からニセコへ向かう。 なんと緑が美しいことよ! それに加え雄大である。 その上このニセコパノラマラインは電柱、電線が全く見られない。 今まで走った道ではほとんどのところでそれらを見かける。 どんなに素晴らしい景色でも興ざめに思うのは私だけだろうか?

 畑ではジャガイモの花が咲き、道端には可愛くて黄色い草花のお出迎え。 曇り空から時々雨粒が落ちてきた。 風も強くなり、確実に天気は悪い方へ向かっているらしい。

 やがて神仙沼の駐車場。 ここまであまり車には出会わなかったが、結構停まっているではないか。 ここの遊歩道は立派な木道が設置され、とても歩きやすい。 緑に包まれ、身も心も染まりそうだ。

 森を抜け、広々とした沼地が現れた。 所々に池塘が見られる。 今年は水が少ない・・・と何度も訪れているらしい人がつぶやいていた。 その先に静かにたたずむ神仙沼は周りを緑一色の山に囲まれ、別世界の雰囲気をかもし出している。

 突然動くものを発見。 よく見るとカモらしい。 なんとその後から可愛い子供達・・・親鳥が池塘から木道を超え、小さな池に飛び込んだ。 後を追う小さなカモたち。 ガンバレ〜! 無事着水。 ホッ! 母鳥の後を一列に並び、必死について泳ぐ姿に心が和む。 なに? 8羽? なんと子沢山なことよ。

 今度は道路を堂々と歩く動物を発見。 なに! キタキツネ? 車を止めると近づいてくる。 精悍な顔つきで目が鋭い。 しばらくニラメッコが続いた。

 ほどなく大きな森の向こうに優雅な姿の羊蹄山・・・裾野が大きく蝦夷富士の名の通り富士山に似ている。 私は若かりし頃一度だけニセコへスキーに来たことがあるが・・・こんな山だったっけ? まあ冬のこと、寒い日だった記憶があるし、見えなかったのかもしれない。

 曇り空ではあるが湿度は低いのだろう。 私は運転するとき必ず手袋をする。 それは手ににじむ汗が気になるから。 それが今日は手袋をしなくてもなんら支障がない。 これほどに違うものであろうか?


 ニセコではその思い出の一つ、広くて長い斜面を気持ちよく滑り降りたニセコアンヌプリへ回ってみた。 ホテル日航アンヌプリの付近は可憐な花に囲まれとても良い雰囲気だが・・・。 ペンションが立ち並ぶあたりはポテト共和国と言うそうだが、全く見覚えが無く、違うところ? もっとも30年ほど前の話。 ゴンドラが運行されているが、この天気では・・・。

 さて今日の昼食だが、朝から豪華版で予算オーバー? ならばおにぎりで済ます? コンビニ? 売店? そんなものどこにもないじゃん。 そこでカミさんのこの旅行の大きな目的の一つ、ソフトクリームを求めてミルク工房へ向かった。

 なに? お腹がすいておにぎりではもたない? そこでミルク工房隣接のお土産屋さんの若いお兄さんが教えてくれたHOURGLASSでカレーの昼食。 久し振りに食べたビーフカレーにカツカレー。 これ、かなりいけるじゃん。

 レストランの前には広い菜の花畑、このあたりではキガラシと言うそうな。 その向こうに広がる大きな羊蹄山・・・。

 改めてミルク工房へ。 北海道本場のソフトクリーム初体験。 私はそんなに好物ではなくめったに食べない。 いつもの通り少しだけ舐めさせてもらったが、かなり濃厚。 羊蹄山を望む広い草原を眺めながら、カミさんの目は満足そうに微笑んでいた。

 さて、ボチボチ今日の宿を決めようか。 どこにする? 旭川までぶっ飛ばす? 札幌? だが最初から無理をすることは無い。 出かける少し前からカミさん、腰が痛いと言っていたっけ。 ならば温泉か?

 そこで小樽の近く、朝里川温泉マリンヒルホテル小樽へ電話で予約、船員保険の保養施設だそうな。 一泊二食一人10500円。

 のんびりと余市方面へ向かう。 道路際に牛を発見。 珍しくも無いことだろうがこんな国道沿いに? その反対側にルピナスが咲いていた。

 美しい海、いろいろな花、大きな緑の草原、そして羊蹄山。 その上初めて見たルピナスにキタキツネ・・・初日からなんとラッキーなことよ。 まるで北海道を代表して積丹とニセコが我々を歓迎してくれているようだ。


 仁木町に入るとさくらんぼ狩りの看板と売店が連なっているが、カミさんの目的はフルーツファクトリーのケーキである。 早速?

 「そら北海道へ来たんやからケーキも食べなあかんやろ。」

 そんなものですか・・・。 しかし少し甘いものはお控えになったら?


 ところで我々はドライブ中にかなりのお茶を飲む。 それも、お〜いお茶。 この旅行ではワンカートン買って行くつもりでいたらしい。 しかしいかに北海道だとは言え夏のこと、温いお茶など飲めたものではないだろ? ならば現地調達で冷えたお茶を買えばいいじゃん。 150円かかろうが仕方がない。 ところがこの涼しさ、冷たいお茶など必要なく常温で充分ではないか。

 「せやから言うたやろ!」

 そこでスーパーに行き、おーい、お茶をとりあえず10本ゲット。 一本98円。 ヤレヤレ。


 5時過ぎホテルにチェックイン。 北海道最初の夜を迎える。 ところで明日の予定だが天気予報によると道南では曇り、道北では雨が降るらしい。 ならば雨を避けて洞爺湖まで足を伸ばす?

 この旅行の一番の目的は富良野のラベンダーと礼文島の花めぐりである。 だがラベンダーの見ごろにはまだ早そうだ。 週間天気予報によると曇り空が続くが木曜日には晴れるという。 ならばその日に礼文島へ渡ろうと雨を覚悟で北を目指すことにした。 とりあえず明日は層雲峡かな?


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