旅 日 記
北九州の旅
新西海橋 野母崎 嬉野温泉 2006年3月6日(月)
窓からの視界は全くなく、吹き付ける大きな雨粒が激しくその窓を叩いている。 今日はハウステンボスへ行く予定だが、こんな雨の中、行くところではないだろ?
さてどうする? 明日は晴れるらしい。 ならばハウステンボスは明日にして、今日はどこかでのんびりする?
「温泉に浸かりたいな〜。」
とばあさん。
「そやな〜。 このまま真っ直ぐ雲仙へ行くか? この雨やったら観光どころやないやろ。」
「それやったら明日、また戻ってこなあかんで〜。 ちょっと遠ないか?」
「それもそやな〜。 ほな、のもんあじ、食べに行って嬉野温泉で泊まるか?」
「それええな〜。 温泉に入れておいしいもん食べられるんやったら、言うこと無いやん。」
と言う訳でとりあえず遅い朝食を済ませて出発したが嬉野温泉は全く予定に無く、何も下調べができていない。 となれば観光案内所が頼り。 行けば何とかなるかな?
まずは長崎を目指す。 国道35号線から国道202号線へ。 なに? あれはハウステンボス? 駐車場にはたくさんの車が止まっている。 この雨なのに?
赤い橋が見えてきた。 大昔、修学旅行で通った記憶があり、この赤い西海橋は印象に残っている。 ところが昨3月5日の夕方5時、新西海橋が開通したそうな。 こちらは白い橋。 新しいものが大好きなばあさんのこと、
「そら通らなあかんやろ。」
しかし西海パールラインと名前は立派だが開通しているのはほんの少しだけじゃん。 またそのごく一部として新西海橋が完成したらしく何のメリットも無い。
ウロウロウロウロ、そして西海橋と新西海橋を行ったり来たり。 そのどちらも走ることができて一応満足した? だが100円の通行料金を何回払った? 2回? いや3回? いかに知らない道とは言え、これには我ながらあきれる。
新西海橋には橋の下に歩道が作られていて渦潮などを見ることができるそうだが、駐車場など何の施設も作られていない。 なに? 古い方の西海橋の駐車場から300m歩け? この雨の中? これは話にならない、退散、退散!
大渋滞の長崎市内を行く。 なに? 茂木〇一香本家のびわゼリー? ばあさんのパート先は青果市場、茂木と言えばびわらしい。 そんなに有名なの?
何分中華街の込み入ったところだから随分時間がかかってしまった。 今日はたっぷりと時間はあることだし、まあ、いいっか〜。
しかし、なぜ果物のびわではなくてびわゼリーなの? そのあたりが私には理解できないのです。 ハイ・・・。
長崎市内はそれだけで通過。 なに? グラバー亭とか大浦天主堂とか、見どころは他にもたくさんあるだろ? いえいえ、そこが我々の我々らしいところ。 この雨の中、見物する気は全く無い。 それよりおいしい 「のもんあじ」 だ〜。
野母崎にある野母崎海の健康村へは12時30分に到着した。 今日はこちらに宿泊してもいいかな?とも考えたが、温泉ではない。
のもんあじ。 テレビの情報番組でこの名前を知ったのは随分前のこと。 大きなアジで尾びれが金色に輝き、捕れる量は極めて少ないのだそうな。 入荷が無い日もあり確認が必要らしく、今朝電話で予約した。
アジが一尾で3400円。 関アジより高価? もっとも2〜3人前のお刺身にはなるらしい。 これにご飯とお味噌汁を頼めば良いのだが、他にのもんあじ定食もあり、料金は一人2625円。 二人分から注文することができる。 それにはアジの押し寿司と小鉢が付き、頭と骨を唐揚げかお味噌汁にしてくれる。 ならばとこちらを注文。 そしてそれが大正解だったようだ。
今日のは特別大きなものらしく、優に30Cmはあろうか。 え〜? こんなの二人で食べられるの? ところがこんなにおいしいアジなど食べたことが無く、瞬く間にペロリ。
「こら! 取ったらあかんがな。 それ俺のやろ。」
いやはや・・・。
また、まだ動いている頭や骨の部分を調理してくれたお味噌汁が絶品。 押し寿司や小鉢などももおいしく、これはわざわざ遠いところまで来た甲斐があろうというものである。
すぐ裏には海が広がり、夕日の絶景ポイントだそうな。 フロントには美しいダルマ夕日の写真が飾ってあった。 是非一度見てみたいものだが、残念ながらこの天気ではどうにもならない。
長崎市内に戻り、高速道路を利用、嬉野インターチェンジを下りたところに観光案内所があり、親切なお姉さまが薦めてくれた大正屋湯宿清流にチェックイン。 洋室で一泊二食一人12600円。 時間は3時半。
すぐ近くには本家大正屋があり、また系列店、椎葉山荘の温泉も自由に利用できるらしい。 雨が上がるのを待って少し離れた椎葉山荘のしいばの湯へ車で出かけた。
素敵な露天風呂で長湯する。 立ち寄り入浴は1000円だが当然無料。 なんだか得した気分である。 6月始め頃のホタルもすごいらしく、それを聞いたホタル大好きなばあさんは興味津々。 これはまた来ると言い出しかねない?
湯宿清流は料金以上の素敵なお宿である。 細かな心配りがなんとも心地良く、美肌の湯の名に恥じない名湯で、ばあさんも大満足のご様子。
料理もとてもおいしくて量も我々にはちょうど良く、お世話をしていただいた係りのお人もでしゃばるではなく丁寧、かつ上品な応対がなんともいい雰囲気で、食事に2時間もかけてしまった。
その上部屋に戻るとアロマテラピー効果の加湿機がセットされているではないか。 とかく空調が行き届いたホテルでは空気が乾燥して朝方喉が痛い・・・なんてことがあるのも事実。 そこまで気遣いができているとは・・・これは素敵な宿を紹介してくれた観光案内所のお姉さんに感謝、感謝!
明日は9時からのハウステンボスへ、ならば8時には出発したい。 だが朝食は8時からだそうな。 そこで本家の大正屋さんに頼んでいただき、7時過ぎの朝食を確保してくれた。 ここまで気配りができる従業員を束ね、そして教育がなされている女将さんは御年86歳だそうな。 ご立派!
のもんあじとこの湯宿清流。 なに? これも皆、雨のおかげ? いや全く、そうかも・・・。 この世の中、何が幸いするかわからない。
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