旅 日 記
伊勢神宮初詣と伊勢志摩ドライブ 2007年1月16日(火)
年が明け、早くも半月が過ぎた昨日の夕方、
「なあ、初詣に行こ。」
そう言えば長いこと行っていない、初詣。 いつ以来かな?
若い頃にはそれなりの年中行事であった。 毎年とは言わねども春日大社とか橿原神宮へお参りをしていたが、歳とともにあの雑踏が苦痛になり、足が遠のいている。 最も二人とも神様、仏様には全くご縁がなく、信仰心も、そして興味も持ち合わせていない。
ここ2年間での5度にわたる入院はそのせいかな? ならば今年は健康をお願いしてのお参りも良いかもしれない。
「どこへ行く? 久し振りにお伊勢さんか?」
「そやな〜、それええな〜。 伊勢なんかいつ以来や? 赤福も食べたいな〜。」
「赤福なんかどこでも買えるやろ。」
「あのお店で食べるさかい、よけおいしいんやで。 お昼は何食べるん?」
おいおい、これじゃ〜初詣か観光旅行かわからないじゃん。 まあ、我々夫婦が行く初詣ならこんなものだろうか。 なに? バチが当たる? う〜ん、そうかも・・・。
伊勢志摩へは若かりし頃から、そして子供が小さな頃、ことあるごとに訪れ、その回数は数え切れない。 いわばホームグランドと言うところ。
内宮、外宮はもちろんのこと、二見が浦、そして鳥羽からパールライン沿いに今浦、石鏡、相差、鵜方、大王崎から御座へ、賢島から奥志摩、五ケ所湾の相賀浦まで。 あげくには国道260号線のすごい山道を紀伊長島まで走ったこともある。 今ではどうなっているのだろうか? 時間があればまた巡ってみるか?
通勤割引を利用したため9時過ぎに内宮前に到着。 2時間ちょっとのドライブである。 伊勢自動車道が出来たおかげで早くなったものだ。 通行料金、1900円が半額の950円。
16日ともなれば内宮前の無料の駐車場が利用できた。 利用できないのは三が日だけだろうか? またこの時間だから余裕たっぷり。 満車になれば少し離れたところにたくさんの公営駐車場があるが有料のところもあり、無料の駐車場でも1月中は土日だけは有料になるらしい。 しかし一番近いこの駐車場はいつも無料。 それも少しおかしな話である。
静かに流れる五十鈴川にかかった宇治橋を渡り、伊勢神宮の内宮へ。 参拝者はまだまばらでちょっと肩透かし? 相変わらずよく手入れされた松やお庭を眺めながら玉砂利を踏みしめてゆっくりと歩く。 後ろから旗を先頭にした団体さん、観光バスが到着したらしい。
後はすごい人にまぎれての参拝となってしまった。 それももっともなこと。 16日とは言え、まだ1月である。
今年は健康で過ごせますように、出来れば入院などしませんように、またばあさんや子供たちが今年も健やかで穏やかに過ごせますように、と心静かに手を合わせた。 さて、ばあさんは何をお願いしたのだろうか・・・。
なに? この伊勢神宮では個人の願い事はお聞き入れをして下さらない? 国家の安泰? 世界平和? そんなことより我々庶民はいろいろ願い事があるじゃん。 と言う訳で勝手にお願いさせていただきましたから、よろしく!
おはらい町も人で溢れている。 数ある試食を逃がさないばあさん、さすが大阪のおばちゃんである。 なんだか顔まで生き生きとしてきたようだ。
しかしおかげ横丁は比較的のんびりムード。 だがその一番奥にある「豚捨」には長〜い行列。 なに? 豚捨だから牛丼がメイン? なるほど・・・。
え〜? 並ぶの? いつものことながら行列には全く目が無く、本当に困ったお方である。 しかし売っているのは80円のコロッケと110円のミンチカツ、そして80円の串カツだそうな。 ばあさんが買ったのはそれぞれ一つで計270円。 なんのこっちゃ!
11時過ぎ 「すし久」 でてこね寿司の昼食。 1050円。 初めて食べたがズケにされた鰹がとても良い味で、なかなかいけるじゃん。
そしてばあさん、デザートに豆腐のソフトクリームのお店へ一直線。 おいおい、赤福を食べるのではなかったの? なに? 赤福は別腹? これはあきれてものが言えない。
改めて「赤福本店」で一皿3個入り280円の赤福。 おねえさ〜ん、私のお皿には2個しかありませんが・・・。 あれ? ばあさんの皿には4つ? いつの間に? なんと素早いことよ。
さすがにここで食べる赤福はお餅が柔らかくておいしい。 お茶も良い香りで、
「おかわりくださ〜い。」
そして赤福は勿論のこと、「ふくすけ」 の伊勢うどんをお土産に購入。
「あ〜、満足した〜!」
だってさ。
時間はちょうど12時。 朝からの曇り空から少し青空がのぞき出し、柔らかな冬の光が差し込んできた。 ならば志摩の海でも見に行くか?
鳥羽からパールロードへ。 昨年6月からこのパールロードが無料開放されたそうな。 さすがにこの時期、通行量は少なく、のんびりムードのドライブである。 鳥羽展望台からの大きな海を眺め、鵜方から大王崎へ。
大王崎の灯台に登ったのなどいつ以来かさえ思い出せない。 少し曇が多くなってきたが、海は比較的穏やかそうである。
いつからだろうか? このあたりは絵かきの町と言うそうな。 さすがにこの時期だから見られなかったが、絵を描く人がたくさん訪れ、「絵かきの町大王実行委員会」 なるものを設け、毎年風景画コンクールや写真コンクールが催されているそうな。
アップダウンの激しい狭い道にひしめき合う昔ながらの漁師町の風情と、灯台を中心とした大きな海を舞台とした古い町並みゆえ、映画の撮影も多いそうな。 可憐な水仙の花がよく似合う。
登茂山からは英虞湾が望める。 大小たくさんの島々の先、左は御座、正面には賢島、静かな海には養殖いかだが浮かんでいる。 ここから見る夕日も絶景であろう。

国道260号線が志摩バイパスとして整備されているそうな。 ならば走ってみよう。 立派な志摩大橋がかけられ、これは快適じゃん。 だが御座までの残り2Kmが工事中、これが最終工事だそうな。
これで随分と楽に走れることだろう。 その昔、御座へは5年ほどの間毎年訪れていた。 狭い道路には苦労したっけ。 なじみの民宿もあり、おいしい魚や御座白浜での海水浴。 今はどうなっているのだろう。
ありました。 「ニューさざ波」 の看板。 もっとも路地を入らねばならず、前までは行かなかったけれど・・・。
女将さんはお元気だろうか? 頭にニューと付いていたから改装もされ、その頃小さかった子供さんが継がれているのかな? なつかしいね〜。 まあ、覚えておられるかは疑問?
おばあさんが小鯵を丁寧にひらいてくれ、それを酢醤油でいただいた味が今でも忘れられない。 あんな面倒な魚のさばきをコツコツとして下さったのだから、うまくない訳がない。 一度急に食べたくなり、鳥羽から電話してお昼に食べさせていただいたこともあったっけ。
また漁師をしておられたおじいさんには漁船で夕方の英虞湾クルーズに乗せてもらったこともある。 風呂上りの体に海風が心地良く、沈んでゆく夕日と真っ赤に染まった海が目に焼きついている。
御座白浜の海水浴場は美しい砂浜だが、この季節ゆえその砂浜に大量の漂着物が見られる。 最後に訪れた時にもそれが目に付き、この白浜も以前と比べれば人も増え、汚くなったな〜・・・との思いから次の年から行かなくなったのであった。
しかし、見たところ立派な施設が設けられているから、海水浴シーズンになれば丁寧にゴミも拾い、その美しい砂浜を守っておられるのだろう。
なんだか昔を思い出す旅になってしまった。 機会があればまたゆっくりと訪れたいものである。
伊勢志摩国立公園、特に志摩地方は国立公園と言うには少し雑多なところもあり、もう一つと言う気がしないではない。 だが伊勢は古くから万人が訪れた歴史のあるところ。 だから志摩の方ももう少し環境を統一して整備をすれば、より良い観光地となると思うが、いかがなものだろうか。
時間は3時半をまわった。 帰りの伊勢自動車道が通勤割引になるにはちょうど良い時間だろうと鵜方から伊勢道路へ、そして伊勢西インターチェンジへ向かった。
ここまで我慢をしてくれていたのだろうか、曇り空からとうとう小さな雨粒が落ちてきた。 名阪国道の道の駅針で簡単な夕食を取り、7時30分帰着。 走行距離456Km。
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