旅 日 記
弘前ロングステイ
天元台 裏磐梯 安達太良山 2007年10月25日(木)
22日間のこのみちのくの旅も、いよいよ今日が最終日。 そのフィナーレを祝福するように、真っ青な空が広がっている。 さて、どこまで回れるだろうか? ならば早立ちだ〜・・・と8時前に宿を飛び出した。
まずは白布大滝。 こんな滝があることは全く知らなかった。 旅館においてあったパンフレットで知ったのである。
ところが・・・これは大変なところではないか。 急斜面を10分、いや15分かな? それも悪路を下らねばならない。 まあ、ばあさんも今回はいろいろ歩いて経験も積んだことだし、これくらいなら大丈夫かな?
見事な滝が現れた。 落差50mとあるが、少しサバ読み? でも大きな岩の間に流れ落ちる様は迫力満点で、勢いよく流れ落ちていた。
帰りの登りもばあさんの手を引きながら・・・。 その途中で同年代のご夫婦と出会ったが、奥様のほうが恐れをなして下るのをやめてしまった。
ところがその少し上に展望台があり、細い道が・・・下るときには全く気がつかなかった。 ここまでなら誰でも下りられる・・・かな? その奥様にも教えてあげて感謝されたが、観光協会のお方、案内標識くらい出しておかれたらいかが?
次はロープウェイに乗って天元台高原へ。 だがさすがに平日のこの時間、同乗者は一組だけである。 わ〜、見事に色付いた森に、ロープウェイの影が映ってるじゃん。
標高1350mの天元台高原はスキー場で、またそのリフトを利用して一気に標高1820mまで登り、そこから西吾妻山までの登山をはじめ、いろいろトレッキングコ−スがあるそうな。 だが辺りは早くも晩秋の気配が漂い、晴れやかな雰囲気は全く感じられず、ただただ静かな佇まい。 さんさんと降り注ぐお日様の光だけが元気いっぱいとは少し寂しい?
周辺を少しばかり散歩する。 雲の上に連なる飯豊連峰が美しい。 パノラマ展望台から見た、うっすらとかかった雲海の下の町は米沢市内だろうか?

なおその先の火焔の滝展望台まで行ってみたが、残念ながら朝の光が滝までは届かずぼや〜っとしか見えない。 戻る途中にあった無人のペンション村、ここもまもなく賑わうのだろうか? なんだかうら寂しい雰囲気が漂っていた。
西吾妻スカイバレーを通り、裏磐梯を目指す。 この道は有料道路だったが、数年前、無料開放されたそうな。 登るに従い、美しい紅葉も目につきだした。
やがて白布峠。 なに? 最上川源流? この峠が分水嶺なのだろう。 ここまで登ると紅葉もすでにピークは過ぎている。
裏磐梯を目指し峠を越え、福島県に入ると磐梯山と桧原湖が見えてきた。 遠くには雪を被った山も見えている。 あれも飯豊連峰だろうか。
桧原湖の水面もお日様の光に輝きキラキラキラキラ、湖畔の木々も美しく色付き、快適なドライブを楽しむ。 大きな磐梯山、そして大小いくつかの島も見られる大きな湖ではないか。
レンゲ沼の看板にちょっと寄り道。 小さな沼だが水面のほとんどを水草が覆っている。 そんな中、一本の真っ赤なもみじが印象的であった。
中瀬沼までは10分ほどの散歩道。 ここは磐梯山が一番美しく見えるスポットだそうな。 しかし、肝心の磐梯山は逆光になるせいか、シルエットのようでぼ〜んやり・・・。 しかし林の中に浮かぶかのごとく佇む中瀬沼はとても静かな雰囲気で、ほっと心を落ち着かせてくれる。 しばしの〜んびり・・・。
ようやく裏磐梯剣ヶ峯に到着。 時間は間もなく12時。 さて、このあとどうする? 五色沼か? 磐梯ゴールドライン? それとも磐梯吾妻スカイラインか? だが全てを回る時間はない。 それと昼食は? 5年前はこのあたりで喜多方ラーメンを食べたっけ。
しかしここまで来たからにはやはり磐梯吾妻スカイラインだろうか。 今回は浄土平にも登ってみたい。 そして下ったところの高湯温泉、たまご湯で一風呂浴びて福島西インターチェンジから帰路につけばちょうどいいじゃん。
そこで磐梯吾妻レークラインへ向かった。 色鮮やかな紅葉が迎えてくれている。 この写真、5年前にも同じところから撮ったっけ。
三湖パラダイスからは桧原湖、小野川湖、そして反対側の展望台からは秋元湖とより大きな磐梯山を見ることができる。
やがて中津川渓谷。 混雑している駐車場で少し待たされ、レストハウスで軽い昼食をとり、改めて散策路を下り始めた。
10分も歩いただろうか。 渓谷まではまだ随分下らなければならないようだ。 その上この先、急な下りじゃん。 下りがあれば当然帰りは登らなくてはならない。 今日は時間もあまりないことだし、このあたりで引き返すか? ここまででも十分に美しく色付いたブナ林や、真っ赤なもみじも見られたことだし・・・。
駐車場を出て少しだけ後戻り。 橋の上で車を降り、たどりつけなかった中津川渓谷の写真を一枚。
ところが係員が乗った車から、
「そこは駐停車禁止ですよ。 すぐに動かしなさい。」
と大きな拡声器の声。 そんなに大きな声で言わなくても・・・。 ハイハイ、すぐに動かしま〜す。 ごめんなさ〜い。 ちょっと反省。
磐梯吾妻レークラインを離れ、やがて土湯峠。 そこではたと立ち止まった。 左へ行けば磐梯吾妻スカイラインだが、周りの山を見れば何だか冴えない雰囲気である。 これでは登っても美しい紅葉には出会えない?
前に訪れたのは10月半ばだったっけ? 今日はもう25日、冷静に考えれば・・・それも当然のことかな? それより右、福島方面へ行けば安達太良山へ行けるけど・・・さて、どうする? ばあさんは、
「どっちでもええで〜。」
となんだか投げやりである。
「磐梯吾妻スカイラインは有料やろ。 安達太良山は無料なんか?」
おいおい、そうくるか・・・。
結局、安達太良山へ向かうことにしたのだが、私は彼女に言わなかったことがある。 通行料金はかからなくてもロープウェイに乗らなければならない。 こちらのほうが磐梯吾妻スカイラインの通行料金よりも料金は二人分だし少し高いのだ。
安達太良山のロープウェイ乗り場に到着したのは3時前。 早くもお日様が傾き、日差しが弱々しくなっていた。
「なんや、 ロープウェイに乗るんかいな。」
「そやねん。 せやけどETCカードで割引があるさかい・・・。」
「そんな問題、ちゃうやろ。」
ところがこちらももう晩秋の気配、ピークは過ぎているようだ。 これが午前中だったら? もう少し美しい紅葉に出会えたかな? 日陰も多く、また夕日に照らされてるところもなんだかぼ〜んやり・・・。 まあ、これはこれでなかなかの雰囲気だが・・・。
山頂駅から歩くこと10分足らず、薬師岳には千恵子さんが言った 「本当の空」 の記念碑がある。 あれが安達太良山かな? 下のほうは二本松の市内だろうか。
だが何分この時間。 空の青さも本当の空ではない? まあ、急に思い立って訪れたことだし、仕方がないかな?
世の中、なかなか思うようにはいかず、相変わらずの珍道中であったが、これで全ての予定は終了。 まあ、これも我々らしくていいじゃん。 それもこれも最初の鳴子峡が原因だったのかもしれない。
後は帰途につくだけになってしまった。 ホッとする気持ちと寂しい気持ちが入り混じり、何だか複雑な心境である。
4時を過ぎて二本松インターチェンジから高速道路に入る。 彦根インターチェンジまで640Km。 午前0時過ぎには高速道路を離れ、2時過ぎには帰れるだろう。 当然、深夜割引を計算してのこと。
ところがサービスエリアで何度休憩、また仮眠したことだろうか。 結局帰り着いたのは午前5時になっていた。 最後の日だからと早朝から走り回った分、やはり疲れもあったのだろう。 それより無事であったのが何よりのこと。
今回も、いや今回はより良い旅をさせていただいた。 まことに幸せなことで、感謝、感謝・・・。
ところで長旅にもかかわらず、滞在中に疲れをそんなに感じなかったのは一か所で長期滞在をしたからだろう。 それとも津軽、いやみちのくの雰囲気がそうさせてくれたのかな?
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