旅 日 記
河津桜を求めて、伊豆日帰りドライブ 2008年2月28日(木)
この冬の寒さで開花が遅れていた河津桜もようやく見ごろを迎えたらしい。 この時期に桜の花が見られるとはなんともうれしい話。 そう言えば2001年の2月末、沼津から帰りの国道沿いに桜が咲いていて驚いたことがあったっけ。 それが河津桜だったようで、それを知ったばあさんも興味津々。
しかし我が家のばあさん、もう一度東北へ行きたいそうな。 昨年行った弘前での生活がいたくお気に入りのご様子。 だが仕事もやめ、年金だけの生活となると旅行の費用もままならない。
そこへ26日の夕方、前に勤めていた会社の部長さんから電話。 なに? 3月1日から仕事復帰? 断るように勧めたが、私の言葉などに聞く耳もつ彼女ではない。
「また働いたら旅行にも行けるやん。」
「それはせやけど・・・。 それより目ぇ、大丈夫かいな。 まだだいぶ赤いで〜。」
実は先日から目の充血が治まらず、その日の朝、眼科へ行っていたのである。
「先生も大丈夫やろて言うてるし、どうもない。」
そしてその翌日、
「明々後日から仕事やろ。 せやから明日、ええ天気らしいし河津桜を見に行こ。 日帰りできるやろ?」
東北を始め、これからもあちこち出かけたいからお泊まりのお出かけはできるだけ控え、その旅行のために蓄えたいそうな。 ケチケチ精神はこれまでと同じこと。 勿論私に異論などあるわけはないが・・・。
いろいろ調べてみると行って行けないことはなさそうだ。 そこで綿密に計算し、亀山インターチェンジからの深夜割引を利用すべく日付が変わった1時に出発した。
ところが名阪国道では雪が舞い始め、ついに伊賀から先ではあたりが白くなりだした。 おいおい、大丈夫なの? まあ、天気予報を信頼すれば帰りは心配なさそうだし、ここさえ通過できればなんとかなるかな? 幸い通行に支障はなく、無事通過。 ふぅ〜・・・。
6時前、富士川サービスエリアで少し仮眠。 目が覚めると目の前にはようやく明るくなりだした空と雪を被った雄大な富士山の姿が目に飛び込んできた。 これは素敵な一日になりそうである。
まずは修善寺梅林へ。 まだ人気のない早朝の静かな梅林を散歩する。 真っ青な空、そしてひんやりとした空気がなんとも心地よい。 たくさんの紅梅、白梅が入り混じり、ちょうど見ごろのようだ。
その梅の花が振りまくほのかな香りと、元気良く飛び交うメジロなど鳥たちの姿、そして真っ白に雪化粧をした富士山も見ることができ、これはなかなか良い雰囲気の梅林はないか。
さあ河津へ急ごう。 平日とは言え、何分見ごろを迎えている桜の名所。 駐車場の状態も心配である。 でも、まあ、いいっか。 せっかく来たのだし、河津七滝へも寄って行く? ここにも河津桜があるそうな。
河津ループ橋を下ったところから少し入ると咲き始めた桜と共に今通ってきたループ橋を見ることができる。 まだつぼみが多く、見ごろにはあと少しというところ。
1時間ちょっとで七つの滝を巡ることができるそうだが、そんなに時間の余裕はない。 そこで一番大きな大滝へ行くことにした。 駐車場から歩くこと10分足らず。
ところが天城荘と言う旅館の敷地内を通って行くのだそうな。 なに? 子宝の湯? これって旅館のお風呂ではないの? おいおい・・・。
そして見下ろせば川沿いに露天風呂もある。 その隣には・・・なに? プール? これはいったいどういうこと? しかしさすがにそこまでは下りることができないように柵がしてあり、その手前に雄大に流れ落ちる立派な滝を見下ろす展望台が設けてあった。
朝日に照らされ、豪快に流れ落ちていた。 落差はそれほどでもないが少し離れてみてもこの存在感、夏には子供たちをプールで遊ばせ、のんびりと露天風呂から眺めるのも良いかもしれない。
河津の駐車場には10時前に到着。 たくさんの観光バスがずらりと並び、各所に設けられた駐車場もほとんど満車だったが、少し外れたところに2台ほどの空きを発見。 ホッ!
そよ吹く風も心地良く、雲ひとつない青い空。 目の前の畑には満開の菜の花。 なに? 土筆? まだ3月にもなってないじゃん。 この河津ではもう春爛漫のようだ。
そして川沿いには河津桜の並木が続き、大勢の人がそれぞれにその風情を楽しみながらのんびりと歩いている。 満開には少し届かないかな? ここにも満開の菜の花が咲き、その黄色と桜のピンクのコントラストがなんとも言えず素敵ではないか。 かなりの混雑ながらそれもあまり気にならない雰囲気が漂っていた。
河津桜の色は少し濃く感じるが、近くで見るとちょうどころあいに見える。 そう言えばソメイヨシノは白っぽく感じることもあるが、この河津桜はそんなソメイヨシノの花と比べても少し大きめの美しい花で、いわゆるアップに耐えることができる花・・・と言うところかな? まあ、花は天候にも大いに左右されるものではあるけれど・・・。
先ほど訪れた大滝の水がこの河津川に流れているそうな。 道理で美しい水である。 その水のブルーと桜のピンクがまた良い塩梅ではないか。 キラキラと輝く水とそよ風に揺れる河津桜。 春だね〜。
またたくさんのメジロたちを見上げるのも楽しいものである。 カップル? なんと仲睦まじいことで・・・。 なに? 今度は3羽? こちらは三角関係かい!
時間は11時を回った。 さてお昼にしましょうか。 河津川沿いの遊歩道の脇にはいろいろな出店も並び、結構賑やか〜・・・。 ここでもなにか食べられるのかな?
だがこの時期、せっかく伊豆へ来たのだからやはり金目鯛だろう。 そこで稲取の網本料理 徳造丸本店へ向かった。 金目鯛づくし定食、3000円。
しかしお刺身としゃぶしゃぶまでついているとは言え、その一切れが小さな上に少なすぎて、その味が良くわからない。 また煮付けもやわらかすぎて歯ごたえがない? もっとも味付けは結構なものだったし・・・初めて食べた魚だし・・・まずまずおいしかったし・・・ならばまあ、いいっか。
金目鯛はやはり高級魚? 売店で売られていた金目鯛の干物が一枚2100円なのを見て納得? 当然だが、そんな高い干物が口に入るような我が家の財政事情ではない。
ここ稲取ではこの時期、昔から伝わる伝統行事、雛のつるし飾り祭りが開催されている。 そこで雛の館むかい庵へ。 その前には稲取港、そして大きな海が広がっていた。 あれは大島かな?
立派な雛人形のまわりには、天井から吊るされた糸に可愛い手作りのぬいぐるみの小物が飾られ、なんともいい雰囲気である。
三番叟はお祝いのしるしに、這い子人形はすこやかな成長を祈って、俵ねずみはお金に困らないように・・・などなど、それぞれいわれがあるそうな。
ばあさんは昔からのこの地の温かな風習に自分の娘時代を思い出したようで、気分もほっこりと、顔もほころんでいた。 我が家は男の子ばかりだから、お雛様とは縁がなかったし・・・。
「うちの雛飾りも結構立派だったんやで〜。 姪に譲ったんやけど、今はどこにあるんやろ・・・。」
次は城ヶ崎海岸へ。 無料の駐車場が工事中で少し狭くなっていた。 この4月からは有料になるそうな。
真っ青な海とその岩に砕け散る白波、行き交う観光船の汽笛がまたなかなかの風情ではないか。
黒に近い茶褐色のごつごつとした大きな岩の間に作られた門脇吊橋はサスペンスドラマの定番スポットだそうな。 無料と言うのがうれしい門脇崎灯台にも登り、360度の景色も楽しんだ。
帰りは天城高原から韮山峠まで伊豆スカイラインを利用した。 道路際には結構雪が残っている。 伊豆でも雪が降るんだ・・・。
少しぼんやりしてきた富士山と、霞がかかったようにぼんやりと見えている伊豆の海を目に焼きつけ、韮山から沼津インターチェンジへ向かった。
ところが国道136号線が大渋滞。 1号線に入ってもなかなか前へ進まない。 その原因は観光バスと乗用車の交通事故であった。 結局沼津インターチェンジを通ったのは5時40分。
このまま帰ってもどこかで夕食をとれば11時を過ぎてしまう。 9時か遅くても10時には帰り着く予定だったんだけど・・・。 そう考えると何だかむかついてきた。 こうなれば何時になっても同じことだろ? ここは高速料金を節約するか?
そこで焼津インターチェンジで下りて藤枝バイパスへ。 そのあと国道1号線をひた走り、国道23号線から名阪国道へ。 帰り着いたのは高速道路を走った場合よりは約2時間遅れの午前1時。 約5000円の節約にはなったが 2時間が5000円、それが高いのか安いのか? 全走行距離980Km。
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