旅 日 記
みちのく桜前線追っかけ旅
花見山と磐梯吾妻スカイライン 2009年4月11日(土)
北陸道、磐越道は交通量も少なく順調に走行。 二度ほど仮眠をとり、11日朝の5時50分、東北道の安達太良サービスエリアで休憩。 ばあさんも元気そうで一安心である。 ところが駐車場がほぼ満車じゃん。 今日は土曜日。 通行料金1000円の威力は絶大のようだ。
7時前、花見山の駐車場に到着。 身障者用に設けられた近いほうの駐車場である。 駐車協力金、シャトルバス代込みで一人300円だが、到着するバス停からは800mほど歩く必要があるらしい。 そこでタクシーを呼ぶことにした。
今回、私の車の後ろには身障者用のマークがはってある。 だが勿論のこと、障害者手帳は持っていない。
今回いろいろ調べてみた。 手帳を貰うべく申請するにはかなりハードルが高いようだ。 しかし、何も減税とか給付金など経済的な支援は望まないにしても、歩くことが不自由なのだから身障者用駐車場はなんとしてでも利用したい。
勝手に身障者マークをつけても交通違反ではないが、強制力も無いそうだ。 しかし人様からとやかく言われ、白い目で見られるのも忍びない。 もっとも車から降りるばあさんは杖をついてゆっくりとしか歩けないから、わかってもらえるかな?
そこで担当医に相談。 先生も快く診断書を書いてくれた。 それを携行すれば誰かに何か言われたときには申し開きもできる。 いや、これは二人の気持ちの問題かな?
タクシーは花見山のすぐ近くまで連れて行ってくれた。 ところが到着してみると早くも多くの人と共に自家用車も結構停まっている。 交通規制は7時からだそうな。 しかしもう7時30分だけど・・・。
さすが大人気の花見山。 これはすごい。 これぞ百花繚乱と言うのだろう。
桜はソメイヨシノに彼岸桜、またそれ以外にも花桃や木瓜(ボケ)、連翹(レンギョウ)などが咲き競い、まさに花園である。 その見事さに声も出ず、じっと魅入っているばあさん。 ただただ、 「わ〜・・・。」

今回は携帯用の椅子を持参している。 それも少し座り心地の良いものを選んだ。 その椅子に腰を掛け、じっと見つめているだけ・・・と思いきや、
「あの花の写真撮った? ホラホラ、あそこあそこ!」
なんともうるさいことうるさいこと。 足は弱くても相変わらず口だけは達者なようです。 ハイ・・・。
しかしそこはお優しい女王様のこと。
「ここで座って眺めているさかい、山へ登ってきぃ。」
と勧めて下さる。 そこまでおっしゃっていただけるのなら・・・と急いで回ることにした。
30分コース、45分コース、1時間コースとあるが、そんなに待たせる訳にも行かず、30分コースを駆け足で。 しかしそれでも十分であった。 見事なお花畑を上から見下ろし、町並みも見ることができて大満足である。
この山は花卉業者の方の個人の持ち山だそうな。 それを好意で見せていただけると言うからそれもまたすごい話。 時間と共に混雑が激しくなってきた。 それもそのはず、この花だもの・・・。
帰りもタクシーを利用。 この身障者用の駐車場もほぼ満車になっていた。 時間はまだ9時を少し過ぎたところである。
今回の女王様のご要望は多岐にわたる。 桜の花は勿論のこと、水芭蕉やカタクリの花、温泉、そして八幡平や磐梯吾妻スカイラインの雪の回廊、などなど。 なに? 十和田湖へももう一度行ってみたい? おいおい・・・。
また食いしん坊ばあさんのこと。 お蕎麦に牛タン、おいしい刺身にお寿司と海鮮丼、勿論盛岡冷麺にじゃじゃ麺、比内地鶏の親子丼にきりたんぽ、稲庭うどんに白石う〜めん、そして横手焼きそばも。 勿論ケーキにソフトクリームははずせない。
なに? 前回食べ忘れた黒石のつゆ焼きソバも? なんとまあ、それはそれは欲張りなことですこと。 みちのく大好きばあさんのことだから仕方がない? 高価なものがあまりないのもばあさんらしいかな?
まずは磐梯吾妻スカイラインを目指すとにした。 途中高湯温泉のたまご湯でひとっ風呂。 しかし立ち寄り湯は10時からだそうな。 ならば帰りに寄ることにしよう。 なに? 帰り? この磐梯吾妻スカイライン、高湯温泉からなら土湯峠へ抜けるのではないの?
いえいえ、我々は一度経験していますから・・・。 帰りのゲートは通過できるのです。 しかしこれってやはり違法行為?
しばらく登ってゆくと道端に雪が現れ、間も無く硫黄の臭いが漂い、有毒ガスのため車を停めないようにとの立て看板。 白い雪の中に黄色い色が混じり、その中から煙が立ち上る勇壮な景色にばあさんもうっとり。
やがて浄土平の駐車場に到着。 前回訪れた時には天気が悪くて登らなかった浄土平だが今回も当然登れない。 私は若いときに一度登っているが、ばあさんにも一度見せてやりたかったな〜。
浄土平を過ぎると雪も多くなり3〜4mの雪の回廊が現れた。
我々は10mを越える立山の雪の大谷を体験しているから珍しくも無い? しかし硫黄で黄色く染まったまだら模様の雪山ともあいまって、これはこれで結構な景観ではないか。
雪の回廊が終わったところでUターン。 でも後続の車の人は何だか白い目で見ていた?
改めてたまご湯で一風呂浴びる。 夜行運転の疲れもさっぱり。 ばあさん、
「たまご湯と言うさかい温泉たまごでもくれるんかと思うてたわ。」
そんな訳ないだろ! 卵の腐ったような硫黄の臭いがしていただろうが。
時間は1時になろうとしている。 たまご湯から少し下ったところの胡々里庵でお蕎麦の昼食。 二組待ちだったのに1時間近くも待たされ、いただいたお蕎麦の味は・・・? 最も私は蕎麦音痴ではある。 食事代二人で3040円。
国道4号線で白石市を目指す。 白石市内のスーパーで買い物をして5時前、今日からお世話になる鎌先温泉、最上屋旅館へチェックイン。 昭和初期を思わせる古い木造の旅館だが湯治棟はなお古く、通された1階の部屋は小奇麗にしてあるものの障子を開けても隣の石垣しか見えず、まるで穴蔵のようで息がつまりそう。
2階ならそうでもないのだろうが、エレベーターもなく階段は上れないから仕方がない。 まあ、4〜5日のことだし・・・。
炊事場も炊事用具などとても古く、共用の冷蔵庫もたった一つ、それも中はごちゃごちゃとぎっしり詰まっていて、きれい好きのばあさんが使える状態ではない。 もっともこの鎌先温泉では最初から自炊をするつもりはなかった。 今日の夕食も弁当を買ってきている。
朝晩はまだ冷えるだろうし、暖房は必要だろう。 古くて着火に時間がかかる温風ストーブがあるが、石油代として700円を要求された。 なお洗濯機、ガス代、テレビなど、全て有料である。 一泊一人、入湯税込みで3040円。 初めて経験する湯治宿、こんなものだろうか?
小さな温泉に入ってせんべい布団にくるまり、早々に就寝。 静かな夜だったのが救いかな?
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