旅 日 記
釧路ロングステイ
知床五湖 2011年8月4日(木)
2004年の北海道旅行の際、知床へは期待を持って訪れたがあいにく熊の目撃情報があり、知床五湖の散策ができなかった。 となると当時はわずかな木道のみの散策で知床の魅力は失われることとなる。
ところが2010年に一湖まで800mの木道が完成。 その上車椅子の通行も可能だと言う。 ばあさんも知床には良い印象など無く、そんなに魅力も感じてなかったようだが、この木道が我々夫婦に再度訪問する意欲をかきたててくれた。
ならばと今回、釧路から足を伸ばすことにした。 約200Km、3時間半のドライブとなる。 そこで天候と相談の上、4日の早朝に出発。
7年ぶりの知床峠では青空が迎えてくれた。 少し霞んではいるが、雲の上に国後島が遠くに眺められる。 だが羅臼岳に雪は全くない。 その時は7月9日のこと。 一ヶ月も違えば当然のことか。
8時30分、知床に到着。 なに? 昨日また熊の目撃情報? レストハウスでせっかく8月1日からガイド無しでも自由に散策が可能になった地上遊歩道が閉鎖中だと知らされる。 現在確認中で11時ごろには開放されるそうだだが、我々は高架木道の通行が目的であり関係の無いところ。
車椅子を押してゆっくりと進む。 とにかく暑い。 太陽の光が容赦なく降り注ぎ、じっとしていても汗が吹き出てくる。 だが遠慮気味に吹いているそよ風は少し爽やかかな? 日傘をさしているばあさんはさすがに涼しげであるが・・・ちょっとは気が引けている?・・・そんな訳、無いっか〜。
途中2箇所設けてある展望台からは知床連山が望め、すぐ近くに一湖も見えている。 緑の中にたくさんの黄色い花。 キオン(黄苑)で正解なのかな? ここまで姿を現さなかった鹿さんもお出迎え。 歓迎してくれている? なんとカメラ目線じゃん。
高架木道の終点、一湖の展望台からは真正面に知床連山、水面にはその山々のシルエットが写り込んでいる。 ここでも水草の中に鹿がを発見。 こんなに素敵なところだったんだ〜。 うっとり・・・。

以前の木道はなんだったの? それに比べればこの新しい木道は天と地ほどの差がある。 これでこれから訪れる全ての人が熊の心配も無く、知床の魅力をたっぷりと味わえることだろう。
のんびりと引き返し9時50分、レストハウスに到着。 ばあさん、暑い中車椅子を押してもらって、さすがに気が引けていた?
「せっかく来たんや。 知床五湖を歩いて来ぃ。 うちは待ってるさかい。」
私は一湖を見て十分満足もし、その気は全く無かったのだが・・・。
「ほんまかいな。 そらありがたいことやけど・・・。 これが最後のチャンスやろしな。」
聞いてみると地上遊歩道は10時から開放されるらしい。 ところが10時の受付は終了し、次は10時 10分で定員の50人にはまだ余裕があると言うではないか。
そこで昼食の時間までは時間もたっぷりあることだし・・・とお言葉に甘えさせてもらうことにした。 そのためにはレクチャーを受ける必要がある。 私は大雪高原の沼めぐりで一度経験している。 それとほとんど同じだが、ここでは250円が必要で立ち入り認定書なるものを発行してくれた。
だが、あまりばあさんを待たせるのも忍びない。 そこで駆け足散策でまず5湖へ、
そして4湖、
3湖、
2湖を巡り、
1湖からは高架歩道を利用して帰ってくる一方通行。
それぞれ美しい湖だが、そんなに変わり映えはしない? それほどに先ほど見た一湖の印象が強すぎた? のんびりと歩くには良いところだが、何分急いで回ったものだから・・・。 それでも少しは各湖の個性も感じられ、思い切って歩いたのが大正解。 ばあさんに感謝、感謝である。
結局1時間半ほど待たせてしまった。 そこで罪滅ぼし? ばあさんの大好物、いやこれが知床訪問第一の目的であった? うに丼のお店へ急ぐことにした。 ウトロの一休屋というお店。
ばあさん、7年ぶりに食した本場バフンウニの丼に大満足のご様子。 そのお値段、2940円だが、私はお刺身定食で1500円。 まあ、いいっか。
このまま日帰りも可能だが、私は一度観光船にも乗ってみたい。 そこで一泊することを提案していた。 となるとばあさん、夜は蟹だそうな。
道の駅で少し時間をつぶし、2時に知床プリンスホテルへ向かう。 幸いにもアーリーチェックインをさせてもらえ、船には乗らないばあさんを部屋に残して港へ向かう。
2時30分発の知床観光船に乗船。 知床岬まで所要3時間の船もあるが、カムイワッカの滝まで1時間のコースにした。 熊に出会える確率は少ないそうだが、それで十分である。
好天の上風も無く、全く凪の海を小さな観光船は滑るように疾走、後部デッキに陣取り、カメラを構える。 波切る風がまことに心地良い。 ほどなくフレベの滝を皮切りに知床の絶景が次々と展開される。
長年かかって削られたのであろう岸壁の模様、またぽっかりとあいた大きな穴、いやこれはもう洞窟?
またどのようにしてついたのであろう岩に描かれた色模様・・・これは芸術作品か? 大きな雲を従えた知床連山、海に遊ぶカモメを始め海鳥を眺めながらのシークルーズ。 まことに快適である。
やがてカムイワッカの滝が見えてきた。 湯滝なので地上から行けば温浴も出来るそうだが、この時期、一般車は通行できない。 だが海から見たカムイワッカの滝は湯浴みができるような穏やかなものでは無い。
観光船はここで引き返して港へ戻る。 帰りは岸から離れたところを急ぐため、知床連山の姿をよりくっきりと見ることができた。
4時過ぎ、宿へ戻りしばし休息。 風呂上りに食した蟹御膳。 だが、私には量が多すぎて・・・。
こしみずリリーパーク 2011年8月5日(金)
遅い朝食を済ませ、ゆっくりとチェックアウト。 帰りは元来た道から根室へ立ち寄り、霧多布から北大平洋シーサイドラインで厚岸まで走る予定でいた。 ところがホテルのロビーでポスターを発見。 なに? 小清水町のゆり園? 何分花好きの二人である。 ならば行くしかないじゃん。 なに? 全く間逆の方向?
ほどなく三段の滝。 こんな滝、あったっけ? 記憶に無いがちょっと寄って行こう。 と言うほどのことも無く道路際の駐車場からすぐのところ。 だが上の方は繁った木に隠れて見え辛い。
三段の滝を過ぎれば間も無くオシンコシンの滝。 今回は階段を登れないばあさんだが、下から見て思い出したようで納得のご様子。 水量も多いのだろうか、豪快に流れ落ちていた。
斜里町から国道334号線へ。 主にジャガイモ畑の田園風景の中を走る。 11時、ゆりの郷こしみずリリーパークに到着。
ここ小清水町もとにかく暑い。 とても北海道とは思えない暑さに辟易する。 車椅子を押して園内へ。 ところがゆりが咲いているのは丘の斜面で、それも結構な坂道ではないか。 地道にアスファルトをまいた簡易舗装のようで少し柔らかく歩き辛い。 これでは車椅子を押して登ることなどできない。 だが、電動カートでも回れるそうな。
少しコールタールの臭いがする中を電動カートで巡るが、ガタガタ道でカメラがぶれる。 ちょっと止まってゆっくり見せてくれても良さそうなのに・・・。 テープの案内だけで瞬く間に一周。 まあ、こんなものかな? 蕾も多くまだ少し早いのかな?
ゆり以外でも少しばかり花はあるようだが、設備を含めてまだ発展途上? 同じように車で回れた遠軽町の1000万本のコスモス園を思い出す。 遠軽町は町営だった? だが、このリリーパークのホームページでは有限会社となっていたから私設? ならば設備投資もこれが限界?
さて、帰途につくとしよう。 またまた田園風景の中をひたすら走る。 小麦畑が多くなり、麦秋の風景が続いている。 また刈り取ったあとが見事な色合いで、その麦わらで作ったものなのかな? 黄金色の牧草ロールが太陽に輝いていた。
ようやく美幌峠。 軽い昼食のあと釧路を目指す。 美幌峠を過ぎた途端雲が厚くなり、とうとう雨も落ちてきた。 どうやら釧路は今夜も霧らしい。 いや雨かな?
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