◇皆生温泉 蒜山高原 境港 2001. 9. 11〜12 (火〜水)


 三日ほど前、奥方様から京都の大谷本廟へ彼女の両親のお墓参りに行くから・・・と頼まれていた。 ある程度は予想していたが案の定、花と一緒にいつものバッグが置いてある。 先日から二度も入れなかったOUランドの温泉が、どうも気になって仕方がないらしい。

 墓参りをすませた午後の3時から4時間、休憩なしで突っ走り、7時にすし若鳥取店に到着。 先日の境港店より広く、ネタも味も遜色ない。

 9時30分、三度目にしてようやく入れた皆生温泉OUランドは、新しくきれいで広く、良く温まる快適な温泉。 奥方様は身も心もすっきりしたらしく、満足そうな顔をしている。

 11時過ぎ、大山道路を2〜3Km上ったところの岡成パーキングエリアに車を止め、就寝。 雨が降ったりやんだりしていた。

 激しい雨が天井をたたく音で目が覚める。 時計の針は3時を指していた。 眠ろうとするが逆に目が冴えてくる。 奥方様も同じらしい。 仕方なく、行く当てなしに車を走らせた。

 米子市内は雨があがっている。 道路工事を示す赤いランプと広い川沿いの工場から出ている白い煙といやな臭い以外は、気味が悪いくらい静かである。 米子駅に止まっている5〜6台のタクシーでは、運転手が熟睡中。

 もしかして朝日が見えるかも・・・と、弓ヶ浜展望駐車場へ。 広い砂浜に大きな波。 青黒い不気味な海。 空を覆う黒い雲。  その間に広がる肌色のような明るいピンクの帯。 これならひょっとして? しかし、それは単なる願望でしかなかった。 やっぱり・・・。

 朝食をおにぎりで済ませ、相変わらず雲に覆われている大山を目指し、今日も大山道路へ。 だいぶ明るくなってきた。 天気は回復しそうである。

 先日咲いていたコスモスはもう散っている。 高原らしく広々とした大山の裾野の景色を楽しみながら、ゆっくりと下って行く。 雨に洗われ、澄んだ空気に米子の町並みが美しい。

 やがてペンション村。 林の中の数軒のペンションを抜け枡水高原まで上り、今日こそは蒜山高原へ。 だが、大山環状道路はゲートで閉鎖され、迂回路が示してある。 わかり辛く少しばかり迷ったが、1時間あまりで何とか鏡ヶ成へ到着。 雨上がりでより鮮やかになった緑の森を従えて建っている休暇村のホテルの前の芝生の広場が、ようやく顔を覗かせた太陽に照らされ、まぶしく輝いている。

 蒜山大山スカイラインの鬼女台(きめんだい)からは360度の雄大な眺め。 蒜山高原は穏やかに、のんびりとした広大な風景。 蒜山三座のなだらかで鮮やかな緑の斜面。 蒜山ジャージーランドの牛乳はかなり濃厚だ。 

 通行量の少ない高原を走っているのに、自然とスピードは遅くなっている。 ほどなく道の駅風の家。 大山の頂にかかった雲は取れず、最後まで顔を見せてくれることはなかった。

 おいしい魚を求めて蒜山から米子まで高速道路を利用し、境港へ急ぐ。 1時過ぎ、お食事処峰に到着。 二組待ちの待合室のテレビで、始めてニューヨークのテロ事件を知らされた。

 1800円のお刺身定食と1500円の月御膳を注文。 出てきた料理に二人は大きく開いた目をあわせ、食べ始めて自然と目が細くなり、口元が微笑んでいる。

 何か当たりくじを引き当てた気分。 高いお金を出しておいしいものをいただくのは当たり前。  いや逆に、まずければ文句の一つも言いたくなるものだ。 反対に、おいしいものに巡りあえた喜びを実感する。

 貧乏性の我々夫婦には高級料亭や高級ホテルなどは似合わない。 もちろん、お金のこともあるが、肩肘張っての食事など食べたいとは思わない。 4〜5年も前になるか・・・。 奈良公園に近い有名な高級料理店の一万円の会席料理に、値打ちのわからぬ我々は、目の前を走ったゴキブリのこともあわせ、大いに憤慨したものだ。 それ以来、蟹などの特別な料理を除き3000円を超える食事はしたことがない。

 やはり我々貧乏夫婦には食事は5000円まで、一泊二食は15000円までが相場であろう。 その範囲内でおいしく、気持ちの良い店を探すのも旅の醍醐味の一つである。 贅沢な旅を一回するのも良いが、それより我々は二回旅に出たい。

 日本海は大荒れである。 泊漁港では大波が防波堤をたたきつけ、波しぶきが家の屋根の高さまで吹き上がり、怖いくらいだ。 

 白兎海岸には、打ち寄せる白波がどこまでも長く続いていた。



 蒜山高原へは2006年5月8日に再訪。 その模様はデジカメ散歩のスライドショーでご覧ください。