◇高遠の桜 2002. 4. 10 (水)
桜の時期に 『天下第一の桜』 で名高い高遠を訪れることが長年の夢であった。 一週間前の問い合わせでは、見ごろは10日ごろ。 と、言うことで奥方様の休日に合わせ10日に行こうと決めていたのだが、何分今年は異常でもあり、少しばかり気がかりである。
念のため、もう一度問い合わせ。 「一部散り始めていますがまだまだ十分見ごろです。 出来るだけ早くお越し下さい。」 どうやら何とか間に合いそうだ。
深夜の出発に備え、まどろんでいた8時20分ごろ、隣のおばあさんから電話。 「今NHKで高遠の桜が写っているよ。」 歌謡コンサートの生中継で歌手の石原詢子が、満開の桜をバックにきれいな橋の上で歌っている。 安心して日付が変わり出発。
トラックのテールランプをひたすら見つめ、北を目指してハンドルを握る。 深夜の国道はまさに大型車のオンパレード。 塩尻に差し掛かりようやく夜が白み始めた。 雲が多く見通しも良くない。 塩尻峠からは諏訪湖がボ~っと霞んでいる。
6時を20分ほど過ぎ、下諏訪温泉湖畔の湯へ到着。 朝風呂を浴びると、汗と一緒に眠気と疲れも吹っ飛んだ。 早朝にもかかわらずかなりの盛況。 ほとんどの人は出勤前の一風呂らしい。 なんともうらやましい限り。
受付のおばさんの話では諏訪大社の近くの水月公園の桜が見事で、今が見ごろらしいが、 「高遠は車が混むよ。」 との言葉が気にかかり、先を急ぐことにする。
道中、こちらは最初から予定していた上諏訪の高島公園へ。 飾りけがなく落ち着いた感じのこじんまりとした高島城を見上げる公園には、満開の桜。 高い雲が以外に明るく、しっとりとした早朝の雰囲気に華やかな桜の花がうまく溶け込み、風呂上りのさっぱりした体をさわやかに包み込んでくれ、心も軽くのんびりとお散歩。
ところどころでは昨夜の花見の宴の盛り上がりを想像させてくれるが、ゴミなどはきれいに片付けられている。 なんとマナーが良いこと・・・。 お堀に沿って咲く見事なしだれ桜。 これは朝からとても良い気分だ。
杖突峠からの眺望は、どんよりした天気で残念ながら望めず。 高遠が近くなり、あちらこちらに桜の木。 それも、それらが全て満開だ。
高遠城址公園の駐車場に到着。 係員は 「満車ですので8番の駐車場へお回りください。」 そんなことを言われても・・・。 そこはどこなの? ウロウロ、ウロウロ。 後ろから次々と追い越して行く車について何とか・・・。 ヤレヤレ。
その駐車場にはまだ半分くらいの余裕はあるが、それにしても大変な車の量である。 時間はまだ8時を20分ほど過ぎただけだが・・・。
土産物屋さんなどが並ぶ中、階段を登って行く。 城址公園の外側には少し濃い目のピンクの色があでやかな桜の花の軍団が迎えてくれた。 『タカトウコヒガンザクラ』 と言うそうだ。 やはり少し遅いのか、中には生気がない花も見られる。 遠くには雪を被った南アルプスの峰がぼんやりと見えている。
南口ゲートから入った場内の公園では、たくさんの人が散歩したりカメラを構えたり。 大変な賑わいであるが園内が結構広く、あまり気にならない。 ぐるりと一回転。 周りは全て桜の花。 花の向こうに花があり、外の景色が良く見えない。 場所取りのシートが敷かれ、早くも弁当を食べている人がいる。
公園のほぼ中央に、昨夜テレビに写っていた桜雲橋とその先に問屋門があり、やはりこのあたりが一番風情がありそうだ。 素晴らしい花の饗宴を十分に堪能。 そして大満足。
先日の斐伊川堤防の桜並木や常照皇寺のしだれ桜・・・。 それと、まだまだ少ないが、今までに見てきた桜、サクラ、さくら。 それぞれが飽きさせず、個性豊かにいろいろな顔を見せてくれる桜の花。 日本人でよかった~・・・と、しみじみ思える季節である。
この高遠城址を一通り歩いて、入場口が4箇所あり、それぞれに駐車場があることがわかった。 ピーク時にはそれでも足りず、離れたところの駐車場からシャトルバスが出るそうである。
美和湖畔の道の駅南アルプスむら長谷で焼きたてのパンをゲット。 分坑峠まで足を伸ばすが、見晴らしはいまいち。 駒ヶ根へ向かう県道から曇り空に雪を被った中央アルプスの峰々。 あまりの美しさに車を止め、しばらくはジッと動けず。
これなら駒ケ岳ロープウェイで登っても大丈夫かも? そこで千畳敷ホテルに電話。 「曇り空ですが富士山が見えていますよ。」 ならば行って見よう。
駒ヶ根高原の菅の台に車を置き、乗り込んだしらび平へ向かうバスは急な坂道の曲がりくねった一車線のバス専用道路を大きなエンジン音を響かせてゆっくりと登って行く。
まだ多くの残雪が見られる海抜1660mのしらび平から2611mの千畳敷まで、ロープウェイは8分足らずで運び上げてくれる。 眼下には町並みと、そのはるか上に南アルプスの長い山脈。 これはまるで墨絵の世界だ。
終点の千畳敷の高度と、その高低差950mは日本最高らしい。 さすがに真冬用のダウンジャケットを着ているにもかかわらずかなり寒い。 まずは棟続きのホテルの食堂へ。
大きな窓越しに真っ白な千畳敷カールと、その上には真っ黒な岩が突き出している宝剣山。 美しい眺めに見惚れながら、名物のソースカツ丼の昼食。
建物の外は雪が凍りつき、とても滑りやすくスニーカーではどうにもならない。 間近で見上げる宝剣山はまだまだ真冬の様相を呈し、冬山の威厳と厳しさを誇示している。
谷を前にした建物の反対側に出ると冷たい風が強く、耐えられないほどの寒さ。 はるか遠くに連なる南アルプス山脈のほぼ真ん中の峰の上に、小さくて黒い富士山が遠慮がちに顔を覗かせている。
見え隠れしている中央アルプスの雪山を右に眺めながら飯田へ向かう。 その道中は一面梨畑とりんご畑。 どちらも同じような白い花。 それが全部満開。 ようやく顔を出してくれたお日様に輝き、とてもメルヘンチック。 ポカポカと暖かく、ふわふわと浮かぶ雲の上を走っているようで、まるで夢の世界のようだ。
早くも太陽が傾き始めた。 あでやかな花桃の花が咲き、のんびりとした雰囲気の昼神温泉、日帰り入浴施設、湯ったり~な昼神でゆったり、ほっこり。 夕暮れ迫る妻籠宿は早くも店じまい。 雰囲気だけを味わい、帰りを急ぐ。
千畳敷カールへは2006年10月3日に再訪。 その模様はデジカメ散歩のスライドショーでご覧ください。 
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