◇山東町 2002. 6. 6 (木)
1時半、仕事から帰ってきたおばはんにせかされ、急いで車を出した。 明日は休みらしい。 手に持っているのは虫かご? なに? わざわざ買ってきたの? まるで小さな子供である。 唖然としてあきれ果て、もう皮肉を言う気も起こらない。 しかし、先週取って来たホタルは、こまめに霧吹きで水を吹きかけてやると、4〜5日は光を放っていたが・・・。
加茂から和束を通り信楽へ。 走りなれた道である。 途中狭いところもある山道だが 緑が美しく、その上長く続く良く手入れされた茶畑が良い雰囲気でお気に入りのドライブコースだ。
先日走ったときより新緑は一段と濃くなり、目に入る全ての世界が青い空以外は全て緑。 その緑が高くなったお日様の光で増幅され、より一層楽しませてくれている。 家から3〜40分ほど走っただけでこの風景。 こんなことに幸せを感じるのもやはり歳のせい?
先ずは永源寺の池田牧場へ。 嫁二人にアイスクリームを送ってあげると言う約束をようやく果たすことが出来て、ひとまずはほっと一息。 送り状を人に書かせておきながら、その間に我が家の鬼ババアは二つもペロリ。 コノヤロウ!
この前は菜の花が満開だった愛東マーガレットステーションだが、ポピーはすでに刈り取られ、今年はラベンダーは植えられてなく、残念ながらなんとも寂しいお花畑。 次は秋のコスモスまで花はないらしい。
土山町の山あいにあるかもしか温泉で一風呂。 だが、結構遠い。 山深い緑の中の国民宿舎にある温泉は、宿泊者以外は小さな露天風呂にしか入れず、何だか拍子抜け。 さすがこんなところまで誰も来ないよなあ〜。 一人さびしく・・・。 これなら女王様と混浴すればよかった? なに?、それはごめんこうむります? ああ、さよか〜。
ここまで来たご褒美は、帰り道から見えた遠くの山に沈んでゆく美しい夕日だけ?
夕食に予定していた店には道に迷い結局わからず、うどんで簡単に済ませ、山東町へ。 おかげで三島池到着は予定より1時間遅れの9時。 遠いはずである。 すぐ先は岐阜県だもの・・・。
一軒の屋台の明かりと車のライト以外は真っ暗で、満車の駐車場を一歩離れると何も見えない。 人の後をソロリソロリ。 少しずつ目も慣れてきた。 経験者は懐中電灯持参。 ナルホド。
たくさんの人影の中から 「ワア〜、キレイ・・・。」 と歓声が上がっている。 暗くて地形などは良くわからないが、10mもないすごく近いところに大変な数のホタル。 それらがチカチカ、チカチカ。 小さな川の向こうは小高い森になっているらしく、そこの木が見事なイルミネーションの装飾をしているごとく、とても幻想的、そして神秘的・・・。 これはまさに芸術だ〜。
この暗闇に三脚を立て、カメラを構えている人が多い。 5分間露出をするそうだが、その間にフラッシュをたかれるとまたやり直さなければならず大変らしい。
虫かごを持ってきた奥方様だが、入り口付近で取った一匹のホタルの明かりを気にしてバッグの中にそっと隠していた。 とてもそんな雰囲気ではなく、ホタルを取っている人など誰もいない。
人間が生きていくと言うことは、地球上の多くの、何かの、誰かの、いや全ての物の犠牲の上に成り立っている。 地球を削り、草木を倒し、多くの命をエネルギーに代えている。 それだけに飽き足らず、人間同士がいがみ合う救いようのない生き物なのだ。
その上、この営みを当たり前と考え、いや、それ以上に今を越える物欲は衰えず・・・。 これら全てのものに感謝の気持ちが失われた者の行く末は? 特に現代社会と言われるようになってからは、なにをか言わん。
今この雰囲気の中、このホタルの輝きを眺めながら説教されたら、この世の中の全てのものに感謝できる素直な気持ちになれ、争いも少しは少なくなるような・・・そんな気がする。
帰り道、奥方様の希望をかなえるべく川を探して回り道。 虫かごの中には二十数匹のホタルたち・・・。 罪深いことではあるが、このホタルたちはこれで4〜5日間は奥方様の、そして私の心を和ませてくれることであろう。 ゴメンネ、ホタル君・・・。
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