このマークをクリックすると、スライドショーをご覧いただけます。 写真をクリックすると大きな画面でご覧いただけます。

◇天草 南九州 PART−1 天草 2004. 2. 15 (日)


 早朝4時、下関の壇の浦サービスエリアでトイレ休憩。 風が吹き、かなり寒い。 わずかな海を隔てて暗闇の中にうっすらと大きな島影。 かなりの明かりが安堵感を与えてくれ、見上げれば大きな関門橋。

 いよいよ九州上陸である。 私も奥方様も修学旅行は九州であったが、それは遥か四十数年も前のこと。 それ以外では二十歳過ぎに一度だけ阿蘇、日南海岸を旅したことはあるが、彼女は全く訪れたことが無いらしい。 どちらにせよかすかな記憶しかなく、初めての旅と言っても過言ではない。

 松橋インターチェンジで高速道路を離れ、朝8時を少し過ぎたころ道の駅不知火に到着。 前には青い海が広がり、空には雲が一つも見られない。 当然施設はまだ開いていないが、テントの下ではみかんなどの販売の準備中。

 トイレに行ったおばはんがなかなか戻ってこない。 ようやく手に袋を提げて現れた。 その中には淡い黄色の果物。 小さなグレープフルーツのようだが・・・。 このあたりでしか採れない品種で、はるみと言うらしいが、かなりの数。 なに? 袋に詰め放題で500円? もう少し入った・・・と悔やんでいる。 オーイ、この旅はまだ始まったばかりだよ〜。 この様子ではこの先が思いやられる。

 週間天気予報ではようやく寒気も遠ざかり、ここしばらくは好天が続くらしい。 ならば暖かい南九州へ・・・と思い立ったらもうたまらない。 この時期、奥方様の仕事もそんなに忙しいわけではなく、急な事ながら無理を言って休ませてもらえた。 旅の計画の下調べはかなり前に済ませてあり、何の不安も無い。

 まずは天草五橋を目指すことにした。 三角町から最初の橋、天門橋を渡ればいよいよ天草である。 しかし、二号橋である大矢野橋もただ渡ったというだけで、このくらいの橋ならどこにでもありそう。 かなり車の量も多く、静かな海に浮かぶ島々をゆっくり眺めることもできない。 これでは普通の道を走っているのとなんら変わりが無く、緑が美しいのならまだしも、さすがにこの時期、まだ冬枯れの風景に少しガッカリ。 なんだ、天草とはこの程度のものなのか?

 突然天草ビジターセンターの看板が現れた。 引き寄せられるように小さな丘へ登って行く。 だが、ここでも・・・。 センターはどうやらオープンしているらしい。 可愛い女の赤ちゃんを背負い、頑張って受付をしている若いお母さんが親切に見所を教えて下さった。

 こちらは調べてあった4号橋を越えたところのジパング天草からの眺めももう一つ。

 そこで教えてもらった高舞登山展望台へ。 少し山道を登った駐車場から急な階段を登ること5分足らず。 展望台からの眺めにうっとり。


 真っ青な青い空、鏡のような静かなマリンブルーの海、その間に浮かぶ大きな島、小さな島、そこに架けられた白い橋、赤い橋。 ようやく天草の魅力を確認でき、ほっと一安心。

 松島町に入ると、道端に満開の菜の花。 それも小さな群落だが、次々現れる。 百万本の菜の花? そんなこと言われても・・・。 全て足せば百万本になるの? などと突っ込みを入れながら・・・。

 ところが随分後で大きなお花畑もあったと聞かされ、その馬鹿さ加減にあきれるやら悔しいやら・・・。 それならそうともっと親切に案内板の表示などをしておいてよ〜。 プンプン! だがこれはこれで結構楽しめたから、まあいいっか〜。

 今日の昼食だが・・・。 奥方様は大好きなお寿司が食べたいのだと〜。 だが天草と言えば車海老でしょう。 なに? それもいいねェ〜? さあどっち!

 間もなく国道沿いに海老の宮川の看板が見えてきた。 だが時間はまだ11時に10分もある。 少し早い? でも食べちゃえ〜。

 車海老会席(2000円)と奥方様好物のエビフライ定食を仲良く分け分け。 車海老のおどりにフライ、塩焼きなどに満足げな奥方様。 やはり新鮮なものはおいしい。 食べ終わったおどりの頭の部分が、まだピクピク動いている。

 本渡市から海沿いの道を行くつもりが山の中へ向かってしまった。 道に迷うのはいつものこと。 だがおばはん、ブーブー。 ウルサイワイ! 戻っては見たものの、本渡市内をぬけるのにまた一苦労。 30分ほどロス。 トホホ・・・。

 進むに従い、まるで池のごとく鏡のように静かであった海が、爽やかな風に誘われ、少し漣が立ってきている。 グアム島でイルカウォッチングをした時には会えずに帰ってきたことでもあり、今回は是非海で泳ぐイルカを見てみたい。 だが奥方様をどのように説得するか・・・。

 とりあえず案内所へ。 次の出航は1時。 他に乗客は無さそうだが、二人なら出してもらえるらしい。 この海には200頭ぐらいが住みついており、ほんの5分ほどでポイントに着くと言う。 乗り合わせの客がいれば出来ないことだが、もしも気分が悪くなればすぐに戻ればいい・・・と受付の女の子の後押しもあり、何とか説得。 気が変わらないうちにいざ出港。

 防波堤を過ぎると、波はそんなに高くないのに小さな船は大きく揺れる。 おばはん、がんばれよ〜。

 話の通り5分ほど走ったとき、5〜6頭のイルカが華麗に泳ぎ、ジャンプしている姿を発見。 そんなグループがあちらこちらに見られる。 これは感動ものである。 

 カメラを構え、シャッターを押そうにも船が揺れ、ピントが合わない。 5分も経っただろうか。 おばはんはもう限界らしい。 仕方なく帰ってもらうことに・・・。


 しかし待望のイルカにも出会えたし、大満足。 いや一番満足したのは15分で済んだ船長さん?





 天草下田温泉が近くなり、目の前には東シナ海の大海原。 そして遥かに続く水平線。 何もさえぎるものが無く、どこまでも大きな海、大きな空。 そのどちらもこれ以上は無さそうな青、青、青。 太陽に輝きキラキラ、キラキラ。



 今日の泊まりは明日の予定もあり、出来るだけ先へ進んでおきたい。 だがこの海なら夕日はどんなに美しかろう。 是非見てみたい。 いや見なければ絶対に後悔する。 ならば下田温泉にしよう。


 さてどこにする? ということで宿探しに温泉街をウロウロ。 結局はこの海を眺めたい・・・と海沿いに建つジャルディンマール望洋閣に決定。 一泊二食一人13000円。

 まだ時間は2時半を少し回ったところである。 ならばもう少し観光をしてみよう。

 十三仏公園からの変化に富んだ海岸線や白鶴浜の美しい砂浜、勿論大きなコバルトブルーの海。 この上ない眺めにうっとり。


 天草ロザリオ館では我々としては珍しく中に入って見学、いやお勉強? と言うのも我が家のおばはん、天草四郎という名も聞いたことがないと言う。 それって、マジ〜?

 これでは天草の人にあまりにも失礼ではないか。 怪訝そうな顔のおばはんをせきたて、映像も含めゆっくりと見て回り、少しは理解できた様子。 ヤレヤレ。

 少しは歴史も勉強しろ〜! いや、もう無駄かも〜・・・。








 丘の上の大江天主堂は白い清楚な建物が何とも良い雰囲気。 我々は始めて教会の中へ入らせていただいた。 天井が高く正面には立派な祭壇、窓にはシンプルなステンドグラス。 そこかしこに手作りの痕跡。 ペンキの塗り替えを始め、信者さんたちのボランティアがこの美しさを保っているのだろう。 それ以上に厳かな雰囲気が素晴らしく、自然と引き込まれていくようだ。

 ところが外へ出てみるとこのおばはん、目ざとくみかんを売っている無人の売店を見つけ、さっそく品定め。 一袋100円。 やっぱりこの方が似合っているのが、なぜか悲しい。 

 改めて宿にチェックイン。 急いで温泉に入り夕日を待つ。 部屋からは見えず、浴衣に丹前の上からジャンパーを着込み屋上へ。

 ところが前にある防波堤が邪魔をして大海原へ沈む夕日とはならず、慌てて車で2〜3分の絶景ポイントへ急ぐことにした。

 アレ〜、旅館のスリッパのままだし、メガネも免許証も部屋の中だよ〜。 まあいいっか〜。 このあたりでは警察もおまわりさんも必要は無さそうで、またいないだろうし〜?

 待つこと5分。 大きな太陽が海に沈んでゆく。 目の前から水平線までを繋ぐ光の帯が輝いている。

 ワア〜、ダルマ夕日だ〜。 奥方様の感極まった声。 アア、この場所にいることが出来て幸せ・・・。 サンセットラインとの名称に大いに納得させられた。

 鮮やかな見事な茜色の余韻を残し、とうとう沈んでしまった。 その途端、ああ寒ぶう〜。







 豪華な食事が待っていてくれた。 次から次に出てくる料理にとても忙しい。 もう少しゆっくり出してもらえたら〜・・・。

 おいしい生ビールで丁度良い気分になった頃、テーブルまでわざわざ若女将が挨拶に出向いてくれた。 愛想がよく、笑顔が可愛く、かなりの美人。 え〜? 30歳? ウッソ〜、とてもそうは見えない。 ナニ〜? まだ独身? これも信じられない。 世の独身の男性諸君、これは一度アタックしてみては?

 若女将は 「何も無いところですが、温泉と夕日だけは自慢です。」 と言うが、いやいや、それだけで十分ではないですか。 それにあなたの笑顔があれば・・・。

 その自慢の温泉をもう一度ゆっくりと楽しみ、盛りだくさんの一日が過ぎていった。