◇霧ケ峰〜八島湿原〜乗鞍岳 2007. 7. 26〜27 (木〜金)


 7月15日のBlog に記した通り、奥方様は首が回らずにリハビリを続けている。 だがいまだに完治はしていない。 医者は一ヶ月はかかるだろうと言う。 当初と比べれば体調も戻り、生活するには支障はなさそうだが、不自由な状態には変わりない。

 「ストレス解消のために2〜3日、白浜か勝浦へ湯治に行く?」 と誘ってみたところ、「それならこの夏に計画していた霧が峰へ行ってみたい。」 と言う。 この時期、ニッコウキスゲが見事らしい。

 近畿では梅雨があけたと言うのに、信州では梅雨空が続いているそうな。 でも間もなくあけそうで、26日は曇り空で時々晴れ間も覗くとの予報。 そこで思い切って出かけることにした。 信州なら温泉を探すまでもないしね〜。 医者は道中の注意点として、できるだけ首を固定するようにと進言してくれた。


 しかし、8時過ぎに到着した霧が峰の車山肩の駐車場では雨が降り、霧がかかって花も景色もほとんど見えない。 これではね〜。 「もう帰ろうか・・・。」 「まあ、少し待ってみようよ。」 と奥方様。



 早くも8割ほどうまっている駐車場では、大きな三脚を担ぎ、雨合羽を着た人たちが行き来している。 半袖の小学生の女の子が震えながら帰ってきた。 そんな光景を車の中から眺めながら待つこと30分、いや40分。

 ようやく小降りになってきたようだ。 雲の流れが速く、ニッコウキスゲの黄色い絨毯が見え隠れしだした。 ならば・・・と半袖のTシャツの上に長袖のブラウスを羽織ってジャンパーを着込み、なお上下のレインコートとトレッキングシューズの完全武装で車を離れた。


 これは見事ではないか。 霧にかすむ山一面が黄色く染められている。 時々山も姿を現してくれ、その裾野まで咲いているように見える。 時間と共に雨も完全にやみ、霧も薄くなりだした。



 となるといくらなんでも暑いじゃん。 それでもレインコートの上だけ脱ぐと歩いていても暑くはなく、ちょうど良い。 至るところにハイキングコースがありそうなだだっ広い草原の見えるところ全てにニッコウキスゲが咲いている。 そんな高原をウロウロ歩くこと1時間。 あれが車山か? 確実に天気は回復しているようだ。


 ところで、ニッコウキスゲは一日花だそうな。 と言うことは朝に咲き、夕方にはしぼむの? ならば今咲いているのは今朝咲いたばかり? 取れたてピチピチ? それはうれしいね〜。 でもそれでこれだけ咲くのだから、いったいどれくらいの花があると言うの?

 道路の両側にある駐車場が満車になり、道端に並び始めた車を横目に八島湿原へ向かう。 ガイドブックで見たビーナスライン沿いのニッコウキスゲの写真を 「ウソだろう?」 と思っていたのだが、これが晴れていたなら全くその通りだよ。 こんな道もあるのだね〜。 日本ってほんとうに美しく、また素晴らしい。

 こちらもほぼ満車の駐車場に車を停め、10時30分、八島湿原一周のハイキングに出発。 曇り空からは少しばかり霧雨が降っている。 しかし雨具を着るほどでもなく、大きく崩れることはなさそうだ。


 以前 草紅葉の八島湿原を眺めたことがあるが、見渡す限り一面緑の世界も見ごたえ十分。 暑くはなく、いや涼しいくらいの気温のなか、設置された木道を心地よく歩く。





 八島ヶ池、鎌ヶ池、そして大きな湿原と可憐に咲いているさまざまな花たちを愛でながら、ゆっくりゆっくり、のんびりとハイキング。 持参のおにぎりの昼食をとっても1時間30分くらい。 ほとんど平坦な道でもあり、我々にはちょうど良い距離かな?



 さて、今回第一の目的、奥方様の首のために温泉に浸かろうではないか。 今夜の宿は一度行ってみたかった白骨温泉にしよう。 それもできるだけ安宿のほうが良い。 そこで電話作戦。 10000円までの部屋は満室らしいが、14000円の部屋を12000円で泊めてくれると言うので ’ゑびすや’さんにお世話になることにした。

 まず向かった先は上諏訪温泉の立ち寄り湯、片倉館。 入浴料500円。 温泉施設とは思えない古いレンガ造りの洋館だが、手入れが良くいき届いていて内部や湯船もとてもきれいだ。 少し大きめの黒い玉砂利が敷かれた深くて大きな湯船と、透明でまろやかな温泉に大満足の奥方様。 なおも片倉館からすぐ近くの’菓子工房ラ・ピュルテ’で汗を拭き吹きティータイム。 もちろんケーキつきだよ。

 さあ、白骨温泉まで一っ走り。 岡谷ICから長野道を松本ICまで利用すると3時40分に到着。 後はのんびり湯浴みをして体を癒してくださいな。 首も回るようになるといいのにね〜。


 ところで白骨温泉はすごいところだよ。 国道158号線からたった4〜5Km入ったところだが、こんなに山奥とは知らなかった。 急な上り坂の上に急カーブの狭い山道。 観光バスが唸りを上げてあえぎながら登って行く位だよ。 これは驚いた。



 何年か前に問題にもなったにごり湯だが、なかなか風情があって良かったよ。 露天風呂は少し温めかな。 残念ながら雲が多く、星空を眺めながらの露天風呂とはならなかったが・・・。




 翌朝、窓を開けると雲一つない真っ青な空。 空気がとてもさわやかだ。 それもそのはず、ここは海抜1400mだそうな。 さて、この天気。 今日はこれからどうする?

 奥方様の首の状態も少しはましらしく、体調も良さそうだ。 ならばどこかでハイキングをする? 上高地? 新穂高ロープウェーから西穂高独標、いや丸山まで? それとも乗鞍岳?

 奥方様はもう一度乗鞍岳のお花畑を見たいと言う。 ならば・・・と朝湯を浴び、7時30分からの朝食を済ませて飛び出した。

 穂高と焼岳を見ようと今回も安房峠へ向かう。 いえいえ、ここは安房トンネルの通行料金700円をケチった訳ではありませんよ。 確かに距離も短く、時間はかかりませんが、ここまで来て穂高の雄姿を見ない手はないだろ?


 青空に聳え立つ穂高の姿に大満足。 そしてかすかに噴煙を吹き上げている赤茶けた姿の焼岳と青い空とのコントラストにうっとり。 安房峠からはこれから向かう大きな姿の乗鞍岳が我々を呼んでくれているよ。



 そのおかげで平湯バスターミナルへの到着が9時10分になってしまった。 朴の木平10時発でも良いが、急げば9時30分のバスに間に合うか? と慌てて昼食用のおにぎりとパンを買う。 何とかぎりぎり間に合ったよ。 ふう〜。

 乗鞍岳へは乗鞍スカイラインがマイカー規制されており、バスを利用しなければならない。 平湯発でも良いのだが、駐車料金が500円かかる。 それが朴の木平なら無料で停められ、運賃も往復2000円と同じだしね〜。


 高度を上げて行くにつれ、笠岳、槍、穂高の峰々が見えてきた。 そして雲の上に浮かぶ白山も・・・。 澄み渡る青空はより濃い青に見える。 群青色とはこう言う色を言うのか?



 間もなく森林限界に達し、高い木がはえ松に変わり、広い草原が現れると間もなく畳平に到着。





 空気がひんやりしている。 標高2702m。 気温16度。 慌てて長袖のブラウスを羽織る。 さてどうする? お花畑だけではね〜。 ならば魔王岳? それとも剣が峰まで登る? 奥方様、とりあえず剣が峰を目指すと言う。 ならば行けるところまで行って、無理なら引き返すか?


 まずは一周30分のお花畑を散策。 だが、下って行くと北アルプスの方角の上空に少し雲もわいてきた。 ならば先に槍、穂高を見に行くか? と急きょ予定変更。 目の前の急な登りの登山道を駆け上がる。 これがかなりきつい。 約20分でようやくなだらかな登山道へ出た。 これなら畳平からこの平坦な道を来れば楽だったのに・・・。


 しかし、6年前 に来たときには二人ともこれだけ歩けなかった。 お花畑の入り口でギブアップ。 それに比べれば足も強くなり、元気になったものだ。


 少し休憩して肩の小屋を目指す。 やがて剣が峰がその姿を現し、大雪渓が見えてきた。 たくさんのスキーヤーが夏スキーを楽しんでいる。 だが、奥方様は少しお疲れのご様子。 肩の小屋までは行けても、その先の急な登りは無理かも知れない。 ならばここで引き返そう。



 富士見岳へ10分との標識を見て登り始める。 少し急なガレ場だがゆっくりと歩を進める。 そのガレ場に咲く可憐な花たちを愛でながらだから、奥方様も元気をもらえているらしい。



 やがて頂上へ到着。 2816mとある。 と言うことは奥方様の登山、最高峰? さわやかな風が心地良い。 しかし意地悪な雲が穂高を隠し始めている。 少し遅かったようだ。 まあ、下ではくっきりと見えていたから、まあ、いいっかぁ〜。 しかし、時折顔を現してくれる焼岳や涸沢カールの大きな雪渓がまぶしい。 これはこれで十分満足かな?



 見下ろせば見る角度で色が変わる不消ヶ池。 そしてその池に今にも滑り落ちそうな雪渓。 少し右を見れば鶴ヶ池と畳平の駐車場。 少し登っただけで360度のパノラマを堪能できる。 空の青、真っ白な雪、緑豊かな山、そして美しい紺碧の水を湛えた静かな池。 初体験の奥方様、少しばかり興奮気味? 時間は11時30分。 ならばお昼にしますか? この景色をおかずに食べるおにぎり。 もう、これはたまりませんね〜。

 ごろごろと転がる浮石と滑りやすい急斜面を怖がる奥方様に手を差し伸べ、ゆっくりと下る。 やがて到着した畳平の食堂でコーヒータイム。 もちろん奥方様はソフトクリームだよ。 さて、改めてお花畑巡りに行きますか。


 さて、ここで問題です。 一周30分の木道が設けられていますが、我々はどれ位かかったでしょうか? 答えは1時間20分でした。 写真を撮りながらゆっくりゆっくり。 たくさんの人なのにね〜。 でも皆さんもお急ぎではなさそうで、あまり迷惑はかけなかった・・・かな? もっともこんなに良い天気の中のお散歩なのだから、当然と言えば当然のこと? 朝の9時ごろには雷鳥も見られたそうな。 うらやましい・・・。


 後ろ髪を惹かれるような思いの中、2時30分発のバスに乗り込み帰途に着く。 今回は珍しく高山市内を迂回して素通りし、飛騨清見ICから高速道路を利用。 9時前に帰着。 全走行距離、849Km。

 さて、奥方様の首だが・・・。 「温泉に入ってだいぶ良くなっていたのに、帰ってみるとこの暑さ。 また元に戻ったよ。」 う〜ん、仕方がないっか〜。 なに? もう一度行きたい? どうやら山の魅力にはまってしまったようだ。 まあ、16〜7度の世界だから当然と言えば当然のこと。 でもね〜。 あんなに晴れることは珍しいことだよ。

 ところで、長袖でちょうど良かったのだけれど、あまりにも気持ちが良かったものだから半袖のTシャツで歩いた。 これがとてもさわやかで心地良い。 「焼けるで〜。」 と奥方様。 「うん。 でも少しは焼けたほうが・・・。」 それが甘かった。 これはほとんど火傷? 首と腕が真っ赤になってしまったよ。 何十年ぶりかの夏山で、山の過ごし方も忘れていたようだ。

 奥方様一言。 「アホちゃう?」 登山初心者の我が家のおばはんに言われているようではね〜。 トホホ・・・。



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