旅 日 記


いざ、南九州へ


都井岬 日南海岸 2004年2月19日(木)


 さて最終日。串間から都井岬、日南海岸を巡り、宮崎から高速道路を利用すれば明日の朝には帰れるだろう。幸い雪の情報もない。もう一泊ゆっくりしたいがカミさんの仕事もある。予報では鹿児島は雨、宮崎は曇りで雨は夜からだそうな。

 「雨らしいし、夜行運転、あんたもしんどいやろ。宮崎からフェリーに乗ったら?」

 「ほんまかいな。そら楽やけどな。あんたは大丈夫なん?」

 「まあ、なんとかなるやろ。」

 これは大助かりである。ならば今日も一日、ゆっくりと観光しようではないか。


 日南海岸を北上する。まずは都井岬へ。岬が近くなった途端、猿の軍団に出くわした。毛繕いをしたり取っ組み合いをしている猿はまだ可愛いが、近づいても逃げようとせず、堂々と道路を我が物顔に闊歩し、ついには怖い顔で威嚇される始末。

 道路上になにかを発見。なに? 馬の糞? それもあちらこちらに・・・。

 灯台の駐車場で今夜乗るフェリーの予約をしているといつの間にか目の前に三頭の馬。物音はしなかったから全く気が付かなかった。ついには車を取り囲み、何が気にいったのか窓を舐め始め、鼻息でガラスが曇りだす。怖がりのおばはん、キャ〜キャ〜、キャ〜キャ〜。馬はおとなしいから大丈夫かな? とは言え私にもドアを開ける勇気はない。でも近くで見るとつぶらな瞳がとても可愛いじゃん。

 仕方なくそろりそろりと車を移動し降りてみるとボディーやフロントガラスに舐められた跡がくっきり。これ記念になるかな? だがそうなると車を洗えない?

 改めて両サイドをソテツに守られたレンガ造りの階段の先にある白い灯台へ、なおも狭い急な螺旋階段を上った展望台からは雄大な海・・・のはずがこの曇り空では魅力半減。

 その他の見どころは御崎神社の鳥居の先に自生しているソテツの群落ぐらいかな? 自生のソテツは都井岬が北限だそうな。ここでもホテルだったらしい二棟の廃墟、なんだかうら寂しく感じる。

 この日南海岸に沿って走る国道は日南海岸ロードパークと言うそうな。しかし車の量の割には工事中の箇所が多くない? そうか、日本の行政の定番、年度末か・・・。美しい海岸ではサーフィンを楽しむ若者たち。まだ2月なのに? 幸島が近くなり、また猿の姿が多く見られるようになってきた。

 道の駅南郷でばあさん、恒例のソフトクリーム。なに? マンゴーソフト? ただしこれにはカミさんも首をかしげている。私も少し舐めたがこれはちょっと・・・。


 前を走る観光バスの後ろをのんびりと・・・どうせ行くところは同じだろ? ところが到着した駐車場はとても広い。これは観光バス用? もう一つ鵜戸院宮の前にあったはずだが・・・まあいいっか、少し運動がてら歩こうではないか。ところがこれが大失敗であった。かなり遠く、急な階段もあり汗びっしょり。帰りも? ふぅ〜・・・。

 断崖に作られた石段の参道を下りていくと大きな岩をくりぬいた空間に立派な本殿が現れた。これは波に浸食された洞窟? こんな所を見つけるのさえ難しいのによくぞ建てたものだと感心させられる。参拝者はかなり多く、運玉投げに挑戦していた。男は左手で投げ、岩の小さなくぼみに入れば願いが叶うそうな。一つ入ったけど、さて・・・?

 どうせ子供だましだろうがこの際である。どちらも行っちゃえ・・・と共通割引券を購入。まずはサンメッセ日南へ。だがこの斜面は急すぎない? こんなの歩けないじゃん。

 なに? 園内は観光用のカートで回る? なるほど・・・。もちろん有料だがマシンも古く、大きな音の割には馬力がなくゆっくりとしか登れない。まあ、安全のためにはこれで良いかな? だがこの季節、この天気、見どころはモアイ像だけとは少し寂しい?

 カミさん、売店でアメリカンドッグを買っている。普通のホットドッグとどう違う? なに? これが昼食? これっておやつじゃん。まあ、いいっか・・・。

 ところで昨日泊まった国民宿舎ボルベリアダグリでフロントの女の子が・・・いっらっしゃいませ↑・・・と語尾を上げて言うのがなんとなく可愛かった。普通は・・・いらっしゃいませ↓・・・と語尾を下げるのでは? このサンメッセ日南でも女の子が・・・ありがとうございました↑・・・と言う。そこで少し真似をしてみると可愛い笑顔。カミさん一言・・・アホちゃう↑・・・なに? これは普通?

 次はサボテンハーブ園。こちらはカーレーターと別料金のモノレールで登り、アロエやサボテンの間を歩いて下る。だがこれなら一昨日見た長崎鼻パーキングガーデンのほうが良かったかな?

(サボテンハーブ園は2005年3月末に閉園)

 日南海岸と言えばやはり鬼の洗濯板だろうか。しかし遠くからの映像しか知らなかったが近くで見て驚いた。まるで鋭いのこぎりのようじゃん。その角が波に浸食されて丸くなり、恐竜の背骨を連想させてくれる。

 フェニックスの並木に南国情緒を味わい、

 水辺で遊ぶカモメの群れに癒され、

 やがて堀切峠に到着した。夕日がきれいなところらしいが、今にも雨が落ちてきそうなこの空模様では・・・。

 夕食は宮崎市内で名物の冷汁、これはおいしくて癖になりそう・・・。なに? ケーキ? そう言えばこの旅行では食べなかったっけ? 今夜フェリーに乗せてもらえる借りもある。そこで向かったのだが、目印の大淀川が曲がりくねって流れ、方角が全くわからない。雨も降りだした中、結局1時間もかかってしまった。なに? フェリーの時間が迫っている? 乗り場に到着したのは20分前。さすがにこれではカーナビが必要かな?


 19時10分発の大阪行きフェリー、マリンプレスの2等寝台は12人部屋だが同室は小さな子供を連れた家族だけ。だが子供の前でケーキを食べるのはさすがにはばかられる? そこでロビーへ。しかしいかにも急いでいたのだろう、ナイフもスプーンも貰うのを忘れていた。手づかみではせっかくのケーキも可愛そう? その味も、ようわからん・・・とカミさん。おいおい・・・。

 ひと風呂浴びてベッドへ。やはり大きな船は揺れも少なく、エンジン音も気にならずにゆっくりと眠れた。なのに船酔い? 困ったお方であることよ。

 翌20日朝8時半、無事我が家に帰り着いた。フェリーに乗せてもらったこともあり楽をさせてもらえ、全走行距離1800Km。今回も楽しい旅に大満足、ありがたいことで幸せを感じている。


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