旅 日 記


みちのく桜前線追っかけ旅


露天風呂水沢温泉 2009年4月16日(木)


 朝、カーテンを開けると・・・なに? 雪? それも吹雪じゃん。もう4月も半ばだよ。風呂上りのばあさんは火照った顔をして、

 「雪の露天風呂に入ってきたで〜。気持ちよかった〜。」

 とうれしそう。この周りにも少し雪が残っている。この水沢温泉の標高は500m。やはりそれだけ寒いのだろう。福島や宮城で咲いていた桜だが、秋田ではこれから? 同じ東北でもこんなに違うんだ〜。


 今日からしばらくの間逗留するこの露天風呂水沢温泉は午前9時から午後9時までの日帰り入浴が主体だそうな。湯治用の部屋は2階が9部屋、3階が5部屋の計14部屋。昨夜は結構余裕があったようで、朝風呂は先客が一人だけ。

 3階建てなのにエレベーターがついており、バリアフリー対応になっているから足の悪いばあさんでも大丈夫なのもここを選んだ理由の一つ。2005年の火災で建て替え、間も無く3年だから部屋も炊事場もお風呂もまだ新しく、とても気持ちが良い。

 我々の部屋は2階の6畳の和室で一泊一人入湯税込みで3800円。洗面台とウォッシュレットのトイレ、冷蔵庫、テレビ、そして金庫までついている。小さな整理ダンスもあり、長逗留にこれは大助かり。その中に浴衣も用意してあった。ロッカーにはたくさんのハンガー。我々はハンガーも持参したが、これは必要なかったようだ。


 長逗留となるとたまにはお掃除もしてほしい。ところが掃除は各自でするのだそうな。掃除機は貸してもらえる。またシーツ、浴衣の交換は申し出ればしてくれる。

 小奇麗にしてある炊事場もかなり広く、炊事用具は電磁調理器、電子レンジ、魚焼き器、トースター、各種の鍋、フライパンと充実している。また食器類はお茶碗にお椀、丼鉢、お皿にコップ、グラス、お箸にスプーンと揃い、菜ばしまである。

 「これやったら、うちより立派やん。」

 とばあさん。


 各部屋のルームナンバーがついた炊飯器とポット、まな板、包丁が用意してあり、隣のスペースには洗濯機と乾燥機。それらが全て無料で使える。そうそう、自動でお茶とお湯が飲める設備もあり、それも無料とはうれしいではないか。

 あとは食材と調味料などを持参すれば良いだけである。また炊事場の前にはラウンジルームがあって4人掛けの机が3つ設えてあり、当然食事もできる。これなら部屋へ運ぶ手間もなく、後片付けもしやすい。

 布団も羽毛布団で何も寒くなかった。今朝方少し暖房は入れたが、風呂上りには熱すぎてすぐに切った。機密性も完全でとても暖かく、外の音はあまり聞こえない。これなら快適で、長逗留も苦にならないだろう。


 温泉は乳白色のにごり湯で、玄関から硫黄の臭いが漂い、男女とも同じ大きさの露天風呂と内湯が二つずつあり、温湯と熱湯になっている。露天風呂をうたい文句にしているくらいだからかなり大きい。乳頭温泉の鶴の湯へもう一度行きたいと言っていたばあさんは、

 「ここで十分や。いやここのほうがええやん。」

 若いスタッフも礼儀正しくてとても感じが良く、炊事場の掃除などを丁寧にしていたのには感心させられた。1階の休憩室には見たこともないような大型のテレビ。これは良いところを選んだものだと大満足。いや、ばあさんは私以上にお気に入りのご様子である。


 朝からの雪は降り続けば大変なことになっていただろうが、さすがにこの季節、2時間ほどでやみ、天気は回復してきた。すると窓からは秋田駒ケ岳が顔を覗かせている。ここからも見えるんだ〜・・・。


 午後から買い物に出かけることにした。まずは可愛い建物の山のはちみつ屋を再訪。店内が結構広くなっている。ばあさん、早くもいろいろとお買い物。そして向かいにはお菓子工房もできており、おいしいロールケーキとシュークリームでコーヒータイム。なに? 100円でコーヒー飲み放題? これは常連客になりそうだ。

 田沢湖駅近くのスーパーで食材のお買い物。これなら都会と変わること無く何でも揃いそうで一安心。さて、今日の夕食の献立は?

 帰り道、ようやく広がり始めた青い空と白い雲、そして雪を被った秋田駒ケ岳が正面に見えていた。なんと美しい・・・。


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