旅 日 記


みちのく桜前線追っかけ旅


八幡平、八甲田の雪の回廊と十和田湖へ 2009年4月18日(土)


 テレビのニュースによると作日の17日、八幡平アスピーテラインが開通したそうだ。例年なら秋田県側と岩手県側の開通日が異なっていたが、今年は全線が同じ日に開通、これは初めてのことだそうな。

 同時に国道341号線も開通、ならば早速出かけようではないか。だが今日は土曜日、混み合うことは必至だろうと7時30分に飛び出した。

 ところが標識を良く見てみると・・・ここしばらくの間、夜間は通行止めらしい。なに? 凍結? う〜ん、さもありなん。え〜? 解除は朝8時? まだ20分もあるじゃん。

 なに? それは玉川ダム付近から? それならもう少し先・・・そして通過したのが8時10分。これは計算通り? いやいや、このような情報は全く知らず、偶然の賜物であった。

 しばらく登ってゆくと徐々に雪が多くなり、やがて少し低いが雪の壁が現れた。確かこのあたりは紅葉の美しいところだったけど・・・。しかし冬枯れというよりは全くの銀世界である。

 八幡平アスピーテラインに差し掛かる。大沼はまだ雪と氷に覆われ、静か〜・・・。

 後生掛温泉も営業はしているようだが、雪の中でひっそりとしていた。

 上から見たふけの湯ではところどころ地面が現れ、噴煙を上げている。地熱の威力を再認識。真冬でもこの状態なのだろうか?

 やがて雪の壁は4〜5mの雪の回廊となり、その雪の上からアオモリトドマツが顔をのぞかせ、雪を被った山々が優しく見下ろしている。

 あれは鳥海山だろうか。空の色が青・・・いや藍色? なんだか複雑な色をしていてまるで海のよう・・・その海に浮かんでいるような鳥海山・・・となるとその左に小さく見えているのが月山だろう。

 そして畚(もっこ)岳。秋に見たが・・・雪をかぶるとこうなるんだ〜・・・。そしてあの山はが諸檜岳・・・かな?

 やがて岩手山と頂上の駐車場が見えてきた。駐車している車はかなり多いが、思っていたほどの混雑ではない。え〜、もう駐車料金を取るの? なんと商売熱心なことよ。樹海ラインはまだ閉鎖中で開通にはあとしばらくかかるそうだ。

 しかしこの駐車場を利用しているほとんどの人はトレッキングとスキーのためらしい。展望台のところまでスキーを担いで登り、軽やかに滑ってゆく。でもまた担いで登るんだよね〜。ご苦労様・・・。

 振り返って見れば今通ってきた雪の回廊、見下ろせば雪が消えかけているまだら模様の山並み、目の前には大きな岩手山。岩山に雪をのせ、秋に見た岩手山とは一味違った雰囲気である。

 立山の雪の大谷でも感じていたが、ここまで除雪するとは・・・すごいね〜。いや有難いことであるが、それにしても近年の土木技術の進化には驚かされる。

 さあ御在所スキー場へ行こう。ジャガバターが待っている。だがその目論見は見事にはずれ、まだシャッターが下りたままじゃん。これは当然のことだろうか。仕方がない。先へ進むとしよう。


 松尾八幡平インターチェンジから高速道路に乗り、黒石インターチェンジまで。当然1000円である。真っ白なおいわきやまが迎えてくれた。前回は2007年秋だったから、まだ1年半しかたってないのに、なぜか懐かしく感じる。

 黒石こみせの近くでつゆ焼きそばの昼食。前回訪れたときにうっかり食べ忘れ、わざわざ立ち寄ることにしたのだが、さてそのお味は?

 焼きそばにつゆがかかっただけじゃん。まずそのつゆを飲むと焼きそばの味がする。当然? 麺は平麺で、どちらかと言うと日本そばに似ているかな? どちらにしても何だか複雑な味? お店によって味が少しずつ違うそうな。話のネタに一度は食べてもいいかな? まずくはないが・・・。


 酸ヶ湯温泉を目指す。この道は走りなれた道だが、やはり様子が違っている。見事な紅葉、いや紅葉には早くても緑豊かな癒しの道だったが、今は枯葉も見られず、丸裸の木々が連なり真に味気ない。城ヶ倉大橋から岩木山が今日はくっきりと近くに見えていた。

 酸ヶ湯温泉の駐車場にはかなりの車が停まっている。やはり立ち寄り湯の人が多いのだろうか。

 地獄沼はどんよりとした空を写し、なんだかさえない表情をしていた。

 やがて雪の回廊が現れ、ほどなく笠松峠。磐梯吾妻スカイライン、田沢湖高原、八幡平とこれだけ雪を見てきたからか、ばあさん、あまり興味を示さない。それよりなんだか眠そう・・・?

 睡蓮沼ではばあさんを車に残して雪の階段を登ってみたが、池の姿など全くなく真っ白な世界である。あの人たちが持っているのはスノーボード? ここではどこで滑るの?

 蔦温泉へは急なカーブが連続する道を下るのだが、いつもはブナ林に覆われて薄暗いのに、ここでも雰囲気が全く異なっている。木々やその葉に隠れていつもは見えない清流が木の間隠れに見えてるじゃん。もっとも雪に覆われてはいるけれど・・・。ここまでになると丸裸のブナの木が何だか寂しそう・・・いや哀れにさえ思える。

 奥入瀬渓流は雪解け水で流れが早いのだろうか? 黄葉、いやそれ以上に緑の世界には癒され、晴れやかだった景観が、目の前にあるのは冬枯れの林と岩をも砕かんばかりの清流・・・ここまでになるとなんだか不気味な感じさえする。この変わりようは・・・。

 見るからに寂しげな森の中、千筋の滝、雲井の滝、白布の滝、そして銚子大滝・・・より激しく流れ落ちる水の色がいつもより白く見えるのは気のせいか?

 十和田湖も少し波があるようだ。休屋の無人の桟橋では観光船が寂しそうに停まっていた。

 瞰湖台からも曇り空のせいもあり、まだまだ冬枯れの風景と共に水の色もさえない。この十和田湖に春が来るのはまだまだ先のようだ。

 ばあさんと十和田湖と言えばやはりアップルパイだろう。そこで湖畔の喫茶店マリンブルーに寄って見ると・・・え〜、工事中? そこで本家である十和田湖レークサイドホテルへ。ところがアップルパイを焼くのも、喫茶店の営業も明日からだそうな。そんな〜。ばあさん泣きそう・・・。

 発荷峠から十和田湖に別れを告げる。 またこの風景に巡り合える日は来るのだろうか? 少ししんみり・・・。

ワイド写真

 十和田インターチェンジから盛岡インターチェンジまで高速道路を利用。1000円はありがたい。そのために土曜日に出かけたのであった。

 3度目の訪問となるぴょんぴょん舎で冷麺と焼肉の夕食をとり、8時半、水沢温泉に帰り着いた。本日の走行距離、500Km。


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