旅 日 記


阿蘇ロングステイ


津和野 そしてエピローグ 2011年5月14日(土)


 今日がこの旅の最終日。朝食のあとばあさん、ホテルの売店でまだお買い物があるそうな。なに? 孫に果汁100%のみかんジュース? 今までにもあちこちでたくさん買ってたのに?

 チェックアウトしたのは9時をまわっていた。こんなにのんびりすることなど我々にしては珍しい。帰り道の一泊と言うのは余裕があってやはり良いものである。

 まずは瑠璃光寺へ向かった。見事に晴れ上がり境内の緑が美しい。ここでも車椅子を借りてお参りさせていただいた。案内の人が親切に通路を教えてくださる。このお方たちはボランティアだろうか?

 改めて五重塔へ。なんだか落ち着いた雰囲気のある塔だが・・・。よく見れば屋根がちょっと違う? なに? 檜皮葺? 奈良の法隆寺や興福寺の五重塔は瓦葺ではなかったっけ? また屋根の反りが大きい。そうか、檜の皮だからできるのか・・・。奈良などの華やかな五重塔に比べれば質素のように思えるが、見ていてなぜか落ち着く。

 新緑の中に浮かんでいるように見え、また池を前に従えているようにも見える様がたまらなくいい感じである。ばあさんもじっくりと眺めてしばし動かず。来て良かっただろ?

 池の周りにたくさんのカメラマン。どうやらかわせみを狙っているらしい。なに? きのうは2回飛来した? と言うことはきのうも来ていたの? それも一日中? カメラマンの執念に脱帽・・・。


 さて、津和野へ向かおう。のんびりと国道9号線を1時間。到着してまず観光案内所へ。ここ津和野も全く寄るつもりはなかったからなんの情報も無い。そこでいろいろ教えていただいた。

 早速教えてもらった駐車場に車を停め、人力車を利用することにした。またこの駐車場のおばさんの親切なこと・・・。人力車を探しに行ってくれるは、いないとわかると電話をしてくれるは・・・。人力車、30分コース、二人で8000円。

 歴史ある津和野の町を案内してもらい、ほぼ観光終了? それほどに小さな町だが、なかなか趣のある町並みである。なまこ壁に石州瓦。見どころはやはり殿町の武家屋敷と掘割の鯉かな?

 よく見ると石州瓦になにかわっかのようなものが見える。聞けば雪が落ちないようにするためだそうな。いろいろあるんだ・・・。

 なに? 津和野役場津和野分庁舎? 本来の役場として業務中? なるほど・・・観光都市としてはそこまで気を遣うんだ・・・。まあ、昔のものは大事にしなくっちゃ〜ね〜・・・。

 12時46分、SL列車が津和野駅に到着する。それを待って駐車場近くの橋の上は大変な人だかり。なんとか1枚撮れたかな?


 駐車場のおばさんに教えてもらったお店で津和野名物うずめ飯の昼食。その昔質素倹約の時代に役人にわからないよう贅沢なものをご飯で隠したそうな。これがさっぱりとして、とてもおいしい。1200円。

 その上足の悪いばあさんを気遣って、

 「そのお店には駐車場があるから、そのあとまたここに停めにくればいいよ。」

 そのお言葉に甘えさせていただき、少し離れた教会でばあさんを下ろし、再度駐車させていただいた。そして私は歩いてばあさんのもとへ。

 津和野カトリック教会は珍しく畳敷きで、その畳にステンドグラスの模様が見事に映っている。これはいいものを見せていただいた。

 その前にあるお土産物やさんでコーヒータイム。そこにばあさんを待たせて車を取りに行く。おかげさまでばあさん、歩くことなく大助かり。そのご親切に感謝、感謝。

 車で向かった太鼓谷稲成神社の駐車場からは津和野の町並みを一望できる。この神社は稲荷ではなく、稲成と書くそうな。ばあさんを待たせて少しばかりの石段を登り、お参りをした。ここではお賽銭の代わりにお揚げさんを奉納するのだそうな。

 さて、これで本当にお終い。時間は2時半になろうとしている。国道9号線から見事な新緑と清流が流れる美しい高津川沿いの道、国道187号線をのんびり、そして快適にドライブすること1時間。六日市インターチェンジから高速道路を利用して10時少し前、無事帰り着いた。


 少し天候には恵まれなかったが、予定していたところはほとんど回ることができたからまあいいっか。だが、季節の変わり目? 今年は異常気象? 最初は寒くって・・・それが最後は暑くって・・・。

 出発したのが4月半ば。ならばセーターに薄いジャンパーくらいは必要だろうが、まさか半袖はいらないだろ? 特にパジャマは少し厚手のものだったから蒸し暑かった夜は寝苦しくって・・・。もっともクーラーの事もあったけど・・・。

 だが最後はこの時期らしい五月晴れとこの爽やかさ。言うことないじゃん。最後良ければ全て良し。


 ばあさんも途中、少し体調を崩しかけたようだが、なんとか頑張ってくれた。本人は大丈夫だと言っているが・・・膝が少し心配である。

 寄る年波には勝てず、帰りは途中で一泊と言うばあさんの好意をありがたく受け入れ、おかげで楽をさせてもらった。感謝している。

 そんなことより、たくさんの優しい人たちに巡り会え、各所でいただいたご親切が身にしみ、より一層心が癒された気がする。旅って本当に良いものである。日本人で良かった〜・・・。

 こんな旅をいつまで続けられるだろうか? いや、今回でもうお終い? 来年の東北は? 弘前は? それは神のみぞ知る?


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