旅 日 記


阿蘇ロングステイ


長串山 平戸 2011年4月25日(月)


 今回の旅行の目的の一つ。それはつつじの花を愛でること。一昨日昭和園でも楽しめたが、なんと言ってもその一番手は長串山だろう。ところがご他聞にもれず開花が遅れているようだ。例年なら4月中頃に見ごろを迎えるそうだから、いくらなんでももうそろそろかな? そこで問い合わせをし、天気予報も見定めながらその機会を待ち、満を持して出発した。


 高速道路を佐世保まで、そこから約1時間。9時過ぎに到着した長串山は青空が広がり、この上ない散策日和である。足の悪いことを伝えると上の駐車場まで登らせて頂けた。これはありがたい。

 駐車場からは眼下に青い海とそこに浮かぶ緑の島々が眺められ、また見上げればボリュームたっぷりで今にも爆発しそうなつつじの花に圧倒され、ばあさんも大感激。はるばる遠くまで来て良かったね〜。

 わ〜、鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでるじゃん。しかし天気が良すぎるのか? 春霞? 手が届くように見えている九十九島が少しもやっている。だがこれは贅沢な望みかな?

 ばあさんを駐車場に待たせて散策路を登ってみた。色とりどりなつつじ、そして高度が上がるにつれ、なお一層視界も開け、見事な景観・・・これは見事。今は久留米つつじが満開で、平戸つつじは2〜3分咲きだそうだ。

ワイド写真

 4年前、阿蘇の仙酔峡でミヤマキリシマを見たときにも感じていたのだが、今回も大津町の昭和園と言い、この長串山と言い、九州のつつじは臭いがない。随分前になるが奈良県の葛城山でつつじを見たとき、その独特の臭いに辟易したことがある。どうしてだろうか?

 そんな見事なつつじをゆっくり楽しみ平戸へ、真っ赤な平戸大橋を渡る。

 まずは川内峠を目指す。海岸線から山道へ、突然視界が開け、あとは穏やかな丘陵のドライブとなるが、それは少しばかりの距離だし、海はもやがかかって見通しも悪く、まあ、こんなものかな? 期待が大きすぎた?

 今度は青い生月大橋を渡り道の駅生月大橋に到着したが・・・なに? 食事どころがない? そこで教えてもらったお店で海鮮丼の昼食をとる。古びた島のお寿司屋さん? だが魚はやはり新鮮である。

 生月島の最北端、大バエ灯台に到着。険しい断崖・・・大きな海・・・この海も東シナ海と言うのだろうか。これは遠くへ来たもんだ・・・。

 時間は午後の1時前。今回、せっかく大津町に滞在しているのだからこのまま帰るのが当前? ところがもう一箇所訪れたいつつじの名所があり、ばあさんは長崎へも行きたいそうな。となると時間の余裕はそんなにない。

 明日もう一度出直すか? 熊本、長崎間の高速道路が約200Km、料金が4000円ほど、それが往復である。運転の疲れ、ガソリン代などを考えれば・・・ここは宿泊するのがベターかな?

 ならばこの平戸でのんびりする? しかし我々には5年前佐世保で宿泊した際に満室で断られた宿がある。そこで電話。なに? 空室がある? ならばリベンジするか? 聞けばここ佐世保でもこの大震災からの自粛ムードと外国人観光客のキャンセルで大変なことになっているそうな。

 その宿は「潮幸の宿はな一」と言う全て離れの部屋、8棟だけの小さな宿である。料金を聞くと、じゃらんの予約サイトと同じにすれば9800円だが、12000円でおいしい魚料理を食べさせてもらえると言うのでお願いすることにした。

 再び生月大橋を渡り、平戸へ戻る道中、道沿いに突然現れたレンゲ畑や菜の花やつつじの花に癒されながらの〜んびり・・・。そして少しばかり平戸の町中を走り、教会や平戸城などなど・・・これならここ平戸で宿を探しても良かったかな? ばあさん、平戸大橋手前の平戸物産館でお土産探し。ゆったり〜・・・。

 さて佐世保を目指して平戸大橋を渡りますか。


 なに? 佐世保バーガー?

 「そら佐世保へ来たんやから佐世保バーガーは食べなあかんやろ。」

 とばあさん。おいおい・・・。でも食事前じゃん。


 「潮幸の宿はな一」へは4時過ぎにチェックイン。ところがこれがロケーションと言い客室と言い、とても素敵なところではないか。高台にある宿だから部屋からも九十九島が手に取るように眺められ、和室とツインベッドの洋室、二部屋でとても広い、いや二人では広すぎる。

 温泉ではないが当然部屋にお風呂もついている。また足の悪いばあさんの事を考慮して部屋のことや食事する部屋、椅子など、いろいろご配慮をいただいた。

 夕食も言うことなし。たくさんの種類の新鮮なお刺身に大満足。その上、いろいろ出てくる料理もおいしく、もう満腹・・・。なのに今度はステーキが出てきたではないか。なに? 最後はお寿司? もうこれは食べきれない。

 この離れのお部屋で、このお料理で12000円? これは安くない? いや、安すぎる。このロケーションならば、また接客の仕方次第では高級旅館で一泊二食3万円と言われても納得する。

 ところが少し間がぬけていると言うか・・・小さなところに目が行き届いていないと言うか・・・まず気がついたのが庭の手入れ。せっかく素敵なお庭がついているのに少し草が伸び、またトイレでは壁紙が少しはがれていた。どちらもそんなに気になるほどではなかったが、そんなところが高級旅館とは違うところかな? とは言え今のままで十分である、いやこのままであって欲しい。我々貧乏人が高級旅館など手が届くものでもなし、その雰囲気があり料金が手ごろと言うのが理想なのだ。この旅館にはその理想がある。

 目の前の九十九島の海を夕日がほんのりと茜色に染めている。これも100点満点ではないもののそれなりに満足できた。まあ春の海ならばこれくらいで上出来だろう。贅沢は言えない。

 泊まった部屋からも見ることが出来るが、食事した部屋からはより美しい角度で見ることが出来た。いろいろいただいたお心遣いに感謝、感謝・・・。

 静かな夜が穏やかな海に抱かれて深まっていく。爆睡。


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