旅 日 記
思いもかけないプレゼント
秋山郷 2013年10月28日(月)
朝の6時20分。ホテルの窓からは雲海? こんな街中で見られるの? またその上には常念岳を中心に北アルプスがうっすらとピンク色に染まっている。これってモルゲンロート? まあ、それ以上赤くならなかったから、そんないいもんじゃ無い?
6時45分からの朝食を済ませて飛び出した。すぐ近くのインターチェンジから豊田飯山インターチェンジまで約1時間。あとは国道117号線を津南町まで。ここはもう新潟県である。
津南町から国道405号線に入り15分も走っただろうか、いよいよ秋山郷に突入。途端に渋滞が始まった。谷間の狭い道に車が押し寄せ、小型だが観光バスも多く、当然大型の定期バス、仕事のトラックなども走っている。工事の箇所もあり、これは大変なところへ来たようだ。
渋滞をようやく抜け、萌木の里でしばし休憩。周りは見事な紅葉に囲まれていた。雲一つ無い青空から差し込むお日様の光を浴び、輝いている。これが秋山郷か・・・。だがここもまだ新潟県だそうな。
その後も何箇所かで渋滞。とうとう車が動かなくなった。そろりそろり、やがて橋が見えてきた。これが前倉橋らしく、たくさんの人が写真を撮っている。すぐ先にあるへいけ茶屋の満車の駐車場から溢れた車や観光バスが道路をふさぎ、これはどうにもならない。
動かないことを良いことに、ちょっとだけ車を離れて写真撮影。清流と紅葉、これもまたいいもんだ。
ようやく長野県に入ったようだ。観光案内所「とねんぼ」で情報収集。その先はそんなに渋滞も無く、まずは教えてもらった布岩へ。国道からも見えているがここは少しでも近くまで行ってみよう。
屋敷集落を目指して下る。中津川にかかった橋からも美しい清流と紅葉。静かな集落にはよくお似合いの風景である。
山を目指して登って行く。ここまで来ると車にも会わなくなった。それより立派な、いや立派すぎる道路ではないか。ここまで走ってきた国道405号線はいかにも獄道であったため、余計にそう感じたのかな? まあ、どこまで続いているかは問題だろうか。
やがて目の前に布岩が現れた。大きな岩に張り付いた木々が色付き、見事なコントラストを演出してくれている。遠くから見るのも良かったが、近くで仰ぐ布岩は覆いかぶさるように迫ってくるようだ。ただ少しピークは過ぎていたかな?
道路を挟んだ反対側には雪を被った山が見えている。あれが苗場山だろうか。
続いて天池へ、案内板を頼りに狭い山道を登って行く。やがて現れた天池には数台の車が止まり、池の周りには10数人の三脚を立てたカメラマンがいるだけで、とても静かな佇まいである。もっと人が多いのだろうと覚悟をしていたから少し肩透かし?
静かな池を取り囲むように優しく色付いた森。そしてその上には大きな山々が・・・。あれが鳥甲山かな? 鬱蒼とした林の中では白樺の木が白く輝いていた。
ワイド写真
池を通り越し、その奥の林道へ車を進める。両側には紅葉した林が続き、目の前には色とりどりの大きい山。車には全く出会わなくなった。教えてもらった道だが、これで合っているのかな? ここまでになるとなんだか心細い。
ようやく案内板が出てきた。ふぅ・・・。この先は苗場山3合目の駐車場だそうな。その看板を左折して下っていく。今度もなかなか現れない。この道で合っているの? こんなに遠いの?
現れました、大瀬の滝。そんなに大きくない滝だが、豊かな水量と色付いた森の中の静かな世界を揺るがす音量には、見た目以上の迫力を感じさせてくれた。この滝は車からも見ることができ、ばあさんも納得のご様子。20〜30m下れば滝壺を見ることができる。
もう少し下ったところで見えてきたのは先ほどの観光案内所。そうか、ぐるっと一周してきたと言うことか。時間は1時半になっていた。またまた丁寧に教えていただいた食事どころ楽養館でお蕎麦の昼食。温泉施設でもあるらしい。
「昨日の日曜日は車が多くて大変だったでしょう。」
「それが一日中雨だったんですよ。おとといの土曜日からやみま無しでした。だから大したことなかったですよ。」
と女将さん。そう言えば道に水溜りが多かったっけ。山水だと思っていたが、雨のせいだったのか。おかげで車はどろどろになっている。
今朝の天気予報では台風が去ったあと冬型気圧配置だと言っていたっけ。この秋山郷は名立たる豪雪地帯。そうなればこの時期、雨になるのだろう。
あとは切明温泉を目指す。なお狭い道を下ったり登ったり下ったり、ところどころで車と出会い、対向できずにバックもさせられる。
ようやくたどり着いた切明温泉には清流沿いに3軒の宿があるそうな。それにしても聞きしに勝るすごいところである。橋からは美しい清流と見事な紅葉が見られ、周りはすべて山、山、山。その全てが色付いている。
さて、志賀高原を目指すとしよう。こちらは立派な秋山林道が続いている。それも見事に紅葉した山々を眺めながらのドライブである。
今が一番の見ごろでは無いだろうか。見ごたえたっぷりの紅葉を目の前にして何度も車を止め、なかなか前へ進まない。こんなところとは知らなかったから、これは得した気分である。
反対方面、志賀高原から来た車から降りて上を見上げた人が、わぁ〜・・・。そんなお人を何人か見たばあさんもにっこり微笑んでいた。
やがて左、志賀高原、右、野沢温泉の標識が現れた。そうか、前は野沢温泉上の平から志賀高原へ、この道を走ったのか。と言うことは右へ行けばカヤノ高原だろう。その時は10月16日だったっけ。時期もあるのだろうが、こんな見事な紅葉が見られる道では無かったような気がする。
やはり美しい紅葉もそこまでだったようで、色あせた木々が目立ち、最早冬枯れの雰囲気に先を急ぐ。西日がいやにまぶしい。
奥志賀高原から蓮池、丸池を通過して湯田中まで一気に下る。さて、湯浴みとしますか。今日の温泉は湯田中駅前にある駅前温泉楓の湯。入浴料300円でシャンプー、ボディ-ソープ、そして露天風呂まで付いてる。無色透明の湯にほっこり温まり、今夜の宿へ。
小布施には宿が少ない。いや、我々夫婦が泊まれるところは全く無いと言っても過言ではない。隣町、信州中野にもビジネスホテルは2軒しかなく、ダメなら湯田中温泉か渋温泉、または志賀高原にあるホテル、旅館と考えていた。
その一つ、ルートイン中野は満室だそうな。だがもう一つのホテルトラベルインに空室があった。なに? ツインで6800円? どんなホテルなの?
「寝るだけやし、安いほうがええやん。」
「それもそやな〜。」
ところが外観は古びた感じだが、部屋は内装も感じが良くなかなかのもので、しっかり掃除も行き届き、この6800円は値打ちがある。
「夕べのルートインよりええやん。」
とばあさん、すっかりお気に入り。夕べ泊まったルートインはデラックスツインで11800円。どこがデラックスだったの? ルートインは大曲で2泊、函館で1泊、郡山で4泊したことがあり、結構お気に入りのビジネスホテルである。しかしこの松本ではなんだか居心地が良くなかった。狭い? ホテル全体が窮屈?
そう言えばルートインコート松本インターとあったが・・・。コート? なによそれ。
聞けば普通よりちょっと小型のホテルだそうな。どうも原因はそれらしい。それなら宿泊料金もちょっと小型になさったら?
それとこれはうっかりしていたのだがこのルートイン、どこでも日曜日はレストランがお休みなのだ。だが滅多に行かない居酒屋さんが近くにあり、これはこれで良かったけれど・・・。
以前にも書いたが、我々夫婦にはビジネスホテルが合っている。旅館などは料理が多すぎて食べきれない。ホテルならどこかで好きなものを好きなだけ食べれば良いし・・・。またばあさんは畳に座ることが苦痛であり、寝起きも布団よりベッドの方が楽だそうな。あとは料金の問題。
ところで泊まったこのホテルトラベルイン。ばあさんのご不満は部屋に冷蔵庫が付いていないことだけだそうな。私はウォシュレットでは無いこととネット環境は整っているのに、繋がりにくいと言われたこと。古いから? 試してみれば良かったかな?
夕食はホテルにレストランが無く、近くに適当な食事どころも無いが、それも車さえあれば何も問題はない。最悪、コンビニ弁当と言う手もあるだろ?
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