旅 日 記

日光 2001年10月18日

 カーテンを開けると幸運にも雨が上がっている。雨に打たれながらの露天風呂も風情があってよいものだったが、今朝は曇り空を見上げてのんびりと朝風呂を楽しんだ。上気した顔をして戻って来たカミさんが、もう一度半月山展望台へ行こう・・・と言いだした。ならばと急いで支度をし、7時30分からのバイキングの朝食を済ませ、すぐに飛び出した。

 中禅寺湖スカイラインを登り始めるが、今なら華厳の滝が見られるかも・・・とUターン。ようやく見ることが出来た華厳の滝は雨の後でもあり水かさも多く迫力満点。朝のさわやかな空気と、しっとりと霧のように降り注ぐ水しぶきがなんとも心地良い。そんなに広くない空間だが、見上げる滝は雄大で荘厳な雰囲気をかもし出し、不思議と気持ちが落ち着く。帰りのエレベーターの中は林間学校や修学旅行に来ている元気な小学生でとても賑やか〜。

 半月山展望台では昨日見た美しく紅葉した山は残念ながらほとんどが雲の中。だが、反対側には一面に雲海が広がっているではないか。それも手が届きそうで、歩いて行けそうじゃん。これはこれで言うことはなく、再度ここまで来た甲斐があると言うものだろう。

 今日はゆっくりと戦場ヶ原展望台からの早くも晩秋の気配漂う風景を楽しみ、光徳牧場へも寄り道。

 心残りではあるが素晴らしい日光の余韻を振り払い、意を決して湯元から金精道路へ向かい、今までいた穏やかな日光とは似つかわしくない荒々しい赤茶けたガレ場の急な坂道を登り始めた。金精峠から奥日光最後の景色を目に焼付けトンネルへ入った。

 ガラッと変わった雰囲気の中、菅沼、丸沼を横目にカーブの多い下り坂を過ぎるとやがて片品村。大根一本50円の看板がかかった産地直売の店が並んでいる。カミさんのパート先は八百屋だが、車一杯買って帰れば儲かりそう。

 休憩を兼ね吹割りの滝までお散歩。ナイヤガラの滝の超縮小版のような珍しい滝。いやこれは川? 世の中には見てみなければわからないことも多い。カミさんは干ししいたけの安さにつられ、つい買ってしまった・・・と苦笑いしていた。

 椎坂峠からの眺望は雲が多くて望めず。道の駅白沢の辺りは真っ赤なりんごがたわわに実り、その重さに今にも折れそうな木がずらりと並んでりんご狩りの客を待っている。

 ようやく沼田を通過。まだまだ緑ばかりの吾妻峡を横目に長野原から嬬恋村へ。

 帰りを急ぐあまり、バイキングの朝食の食べすぎといつもの通りカミさんが子供の遠足のように持って来たお菓子をつまみながらのドライブで昼食をとるタイミングを逸してしまっている。

 鳥居峠は霧の中。上田から長門町を経て新和田トンネルを抜け、下諏訪が近くなり日が暮れた。

 岡谷から中央自動車道を利用。恵那峡サービスエリアでやっと食事にありつけた。時計の針は7時30分を指している。

 11時過ぎ、1820Kmの長い旅が無事終了。天気はいまいちであったが、素晴らしい紅葉に出会え、今は思い切って行ってよかった〜・・・としみじみ思える。

 こうなれば来年の紅葉狩りは十和田湖か?

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