旅 日 記
層雲峡へ
2004年7月6日
カミさんは昨夜遅くから下痢と腹痛で大変だったらしい。そんなこととはつゆ知らず熟睡していた。持参の薬を飲み、ほぼ治まったようで大丈夫とは言うものの朝食をほとんど口にしない。本人は夕食の最後に出たウニご飯のせいだろうと言っているが・・・実際のところはわからない。当然私も食べたことだし・・・。
だが本来ウニを好まない私ゆえ、少しだけでほとんど残してしまった。生ビールで満腹? それもあったかな? そのウニは今まで食べたものと変わりが無く、何ともまずかった。積丹で食べたおいしすぎるウニ丼と比べてやるのも可哀想?
昨日せっかく買ってきたケーキだが、朝食後にも食べたいと半分残していたそうな。仕方なくそのケーキはゴミ箱へ。ゴメンネ! フルーツファクトリーさん。窓の外は小雨が降っている。夜半にはかなりの雨が降ったらしい。
清算をしてみると一泊二食が8800円。なに? シルバー割引? ラッキーではあるがシルバー割引なるものも初体験である。なんだか複雑な心境?
朝里川インターチェンジから高速道路を利用。道中はほぼ曇り空ながら時々雨が降り、ところどころで霧がかかっていた。しかし北海道らしい雄大な台地を確かめながらのドライブは快適である。やはり本州とは何かが違っているようだ。
比布ジャンクションからは紋別道が愛国まで開通、後は国道で層雲峡を目指した。どこを見ても緑一色、それが雨に洗われてとても美しい。だがこの天気である。早く着いても仕方がない? ロープウェーに乗っても何も見えないだろ?
11時過ぎに休憩をかねて寄った北の森ガーデンでは観光バスがずらりと並び、修学旅行の元気な高校生たちで賑やか〜。公園では可愛い花が咲き、蒸気機関車が展示してあった。ほとんど気にならない程度の霧雨がかえってしっとりとした良い雰囲気を醸し出している。
なに? 割引券? ならば時間もあることだし、この際入ってみるか? ところがそのアイスパビリオンは置いてあったお土産屋さんのすぐ隣じゃん。1050円が945円。たったの100円? まあいいっか。
高校生の団体は最後のグループが入場を終わっていたが、中はまだ外以上の大騒ぎ。ワァ〜ワァ〜、キャ〜キャ〜・・・まあ仕方がないかな?
防寒具を借りて入場、それでもかなり寒い。なに? 零下20度? だが若者は制服のまま、それも女の子は短いスカートじゃん。日本で記録された最低温度のマイナス41度の世界も一瞬体験できる。
その寒さから解放されると今度は水槽の中を泳ぐクリオネの姿。ローズ? 赤? 初めて見たクリオネが元気に動き回り何とも言えず可愛い。
すぐ隣のお土産売り場での温かいお茶のサービスにホッ! ようやく静かになり、暖かなおもてなしに心を和ませたカミさん、今度はお土産の物色に夢中になっていた。
ついでにお昼ご飯にする? 腹痛は治まったもののまだ少しばかり下痢は続いているらしい。うどんなら大丈夫かな? なに? 立ち食いうどん? まあ仕方がない、お付き合いしましょうか。
キガラシ畑を求めて大雪アンガス牧場へ向かう。さすが北海道、雄大である。美しい緑が続く国道を快走、天気は悪いが見通しはそんなに悪くない。
やがて現れた石狩川は流れが速く、岩に砕ける白波に舞い上がる水しぶきが霧のようにもやっていた。
どこまでも牧場が続き美しく刈られた草原に牧草ロールが転がっている。白樺の木と可憐に咲く小さな草花がまるで高原のよう・・・。やがて各牧場の名前が書かれたサイロが見えてきたが、境界線はどうなっているのだろう。
アンガス牧場が現れた。だがどこを見ても黄色の花が無く目にするのは牛ばかり。しばらく走ると違う名前? 聞こうにも人っこ一人いない。
ようやく車から降りた関係者らしい人を発見。聞いてみると今年は種をまくのが遅れ、咲くのはまだ先になるそうな。オイオイ、それは無いだろ? なに? 我々観光客の都合で仕事をしている訳ではない? そらそうだ。
畑の中では怪訝な顔をした鹿がこちらを見ている。鹿など奈良公園でいくらでも見られる? しかしここで出会えるのが何ともうれしいではないか。
ほどなく層雲峡に到着。屏風のような絶壁が現れた。空からは弱い雨が落ちてきているがその頂まではかろうじて見えている。緑の中の高い断崖に雲がかかり、まるで墨絵の世界である。
さて、今日の宿を決めよう。温泉街には 「本日空室あります」 の看板があちらこちらに。大きなホテルは高校生やその他の団体でうるさいことであろう。昨日も最初に聞いたホテルは、
「高校生の団体が入っていますが、よろしいですか?」
と聞いてくれ、丁重にお断りをした。それに加えカミさんの体調のこともあり部屋にトイレが付いている方が良かろう。と言うことでホテルノーザンロッジにお世話になることにした。一泊二食一人9600円。
まだ時間はあるが黒岳ロープウェーは雲の中。これではどうにもならず、大雪山は最後に富良野から旭岳温泉に行き、旭岳ロープウェーで観光することにしよう。
そこで向かったのは銀河の滝と流星の滝。新緑のような緑の中に流れ落ちる二つの滝はそれぞれに個性豊かで、名前の由来も何とか想像がつく。 向かいには双爆台があり二つの滝が見られるそうだが何分この天気である。小雨が降り続く中、別々だが何とか見ることが出来たからこれで十分だろう。贅沢は言えない。
次に向かった大函でも靄がかかり、幻想的な雰囲気を醸し出していた。これも柱状節理だろうか、断崖と緑、そして流れる清流、自然は粋な演出をしてくれる。
ところがカミさん、頑固親父のアイスクリームの店の前で恨めしそうな顔・・・。
しかし今日は絶対に・・・ダメ! ダメ!! ダメ!!!
天気予報では当分晴れる見込みは無さそうだ。これではこの先が思いやられる。
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