旅 日 記

別府〜湯布院

2007年5月14日

 午前10時30分、別府に到着。天気は晴れ、絶好のドライブ日和である。

 日付が変わってから出発した。山陽道を利用し、小倉東インターチェンジからは国道10号線を南下。宇佐インターチェンジから宇佐別府道路を利用し、別府インターチェンジから約10分のところ。ゆっくり休憩をとりながらおよそ10時間、おおむね予定通りである。

 到着した最初の目的地、別府温泉海浜砂湯が今回の旅の始まりである。穏やかな海から吹くそよ風が優しくほほをなでている。

 砂風呂は2度目だが、なんだか砂が違う? 指宿温泉は海砂で別府温泉は川砂を使用しているそうな。また指宿は地熱を利用し、別府では温泉で温めているらしい。

 砂に埋もれてゆっくりほっこり・・・。目の前には穏やかな別府湾と雲ひとつ無い青空が広がっていた。目をつむっていると眠らなくても長距離運転の疲れも取れたようだ。

 2箇所しかないシャワーを浴び小さな温泉で入浴。そのどちらの設備もお粗末ながら、それを気にしなければまずまずと言うところ。砂湯で温まった体に爽やかな海風が心地よい。

 時刻は11時をまわったところ。温泉に浸かると途端に空腹感を覚える。ましてや砂風呂、その効果はてきめん? そこで少し早いが昼食をとることにした。

 5分ほど南へ向かった国道10号線沿いにあるファミリーすし金太郎。お薦めのマグロづくしと近海地魚のにぎり、そしてミニちらし寿司、それと単品を少し頼んで合計3000円ちょっと。ネタも大きく新鮮なお寿司に大満腹で大満足。

 別府と言えば地獄巡りだろう。しかし8箇所全ての地獄を巡るつもりなどなく、またその時間もない。ばあさんも修学旅行の記憶が少しはあるようだし2〜3か所でいいだろう。

 そこでまずは血の池地獄へ。自然の力をまざまざと見せつけられた気がする。赤? いや朱色をしたお湯になんだか不気味な気配・・・これはこの世のものとは思えない? また中央の色の変わったところは深さが200mもあり、温度は78度だそうな。これでも8地獄の中では一番低い? これは驚いた。

 ところがばあさん、そんなことにはお構いなく土産屋さんをうろうろして血の池軟膏をお買い上げ。それって定番中の定番じゃん。1300円?・・・結構高いんだ〜。

 「そんなんよりこれはどや?」
 「うちは地獄なんかに負けへんしぃ〜。」

 ばあさん、さすがに逞しい・・・脱帽・・・。

 おとなりの竜巻地獄は次の噴煙まで40分? と言うことは今あがったところ? しまった、先に行くべきだったようだ。35分から45分毎に20mほどお湯が吹き上がるのだが、言わば噴水と同じだろ? 当然その時間まで待つつもりなどない。

 次は海地獄。こちらは鮮やかなブルーである。地の池地獄とは異なり爽やかな気もするが97度もあり、もうもうと湯煙が吹き上がっていた。その晴れやかな色とこの荒々しさ・・・なんだかミスマッチ?

 卵が入れられた篭が吊るされていたが何分でゆであがるのだろうか。

 対照的に隣の温室では可憐に咲く蓮の花・・・こちらは清々しく、癒される・・・しかしなんだか複雑・・・。まさに地獄から天国? 大オニハスの大きな葉っぱには子供なら乗れるそうな。

 なに? ここも小さな赤い温泉が・・・これも血の池地獄? 源泉? ちょっと離れているのに・・・不思議・・・。

 まあ、この二つが代表的だろうから、これで十分かな? どちらも入場料400円。8地獄全てをまわれる共通観覧券は2000円で無料の駐車場が各地獄にあるそうな。

 さあ、湯布院へ向かうとしよう。県道11号線、通称やまなみハイウェイを登って行く。やがて優雅な由布岳がその姿を現し、

 狭霧台からは湯布院の町並みがぼんやりと見えていた。春霞なのか? 少し見通しが悪いようだ。

 湯布院の街中で駐車場に車を入れ、湯の坪街道を散策。ばあさん、いきなり金賞受賞の看板がかかったお店でコロッケとソフトクリームを購入。それを口にブラブラとお土産屋さんなどを冷やかしながら金鱗湖まで散歩する。

 なるほど、この雰囲気が女性を中心に人気がある秘密だろうか? 人はかなり多い。まあ、それなりの風情ではあるが・・・。中国語、韓国語が飛び交っていた。

 夜行運転で到着した一日目、さすがに少し疲れを感じる。時刻は4時。早く一風呂浴びてゆっくりしたい。そこで散策を切り上げ、大まかな地図を頼りに今日の宿に向かうことにしたが、複雑で狭い道に大苦戦。何とか到着したのが奇蹟?

 町外れの田んぼの中にたたずむ離れだけ5部屋の 「すみか」 と言う小さなお宿。露天風呂付き離れのお部屋と言うので予約しておいた。露天風呂付きなんて初体験。しかしお値段は二食付きで13000円とはうれしいではないか。

 連休にあわせて建て増ししたらしく、まだ木の香りがする新しいお部屋に落ち着き、まずは由布岳を眺めながら湯浴みをし、少しばかり横になる。

 食事は母屋の食事どころでいただく。寡黙なご主人と明るい女将さんの名コンビ、そして高校3年生のご子息も手伝う全くの家族経営だそうな。

 部屋へは飲み物の持ち込み自由でチェックインした後は何の干渉も無く、布団も各自で敷くという徹底振り。これはこれで我が家にいるようで、なかなかいいじゃん。

 夜遅く、満天の星空を眺めながらの露天風呂、これがささやかな永年の夢だったが、ようやくその夢が叶い、大満足であった。その星も心なしか大きく見える? 真上に邪魔な電線が通っていなければより素敵だった?

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