旅 日 記

霧ヶ峰

2007年7月26日

 近畿では梅雨があけたと言うのに、信州では梅雨空が続いているそうな。でも間もなくあけそうで、26日は曇り空で時々晴れ間も覗くとの予報。そこで思い切って出かけることにした。信州なら温泉を探すまでもない。道中の注意点として、できるだけ首を固定するようにとの医者の進言により新たにヘッドレストを購入。まずは大丈夫だろうか。

 しかし、8時過ぎに到着した霧が峰の車山肩の駐車場では雨が降り、霧がかかって花も景色もほとんど見えない。これではどうにもならないじゃん。

 「もう帰ろか。」

 「まあ、もうちょっと待ってみよ。」

 とばあさん。

 早くも8割ほどうまっている駐車場では大きな三脚を担ぎ、雨合羽を着た人たちが行き来している。半袖の小学生の女の子が震えながら帰ってきた。そんな光景を車の中から眺めながら待つこと30分、いや40分。ようやく小降りになってきたようだ。雲の流れが速く、ニッコウキスゲの黄色い花が見え隠れしている。ならばと半袖のTシャツの上に長袖のブラウスを羽織ってジャンパーを着込み、なお上下のレインコートとトレッキングシューズの完全武装で車を離れた。

 これは見事ではないか。霧にかすむ山一面が黄色く染められている。時々山も姿を現してくれ、その裾野まで咲いているように見える。時間と共に雨も完全にやみ、霧も薄くなりだした。となるといくらなんでも暑い。そこでレインコートの上だけ脱ぐと・・・これ、ちょうど良い塩梅じゃん。

 だだっ広い草原の見えるところ全てにニッコウキスゲが咲いている。至るところにハイキングコースがあるのかな? 通路? そんな高原を少しばかり散策。あれが車山か? 確実に天気は回復しているようだ。

 ところで、ニッコウキスゲは一日花だそうな。と言うことは朝に咲き、夕方にはしぼむの? ならばこの花は今朝咲いたばかり? 取れたてピチピチ? それはうれしいではないか。でもそれでこれだけ咲くのだから、いったいどれくらいの花があるの?

 道路の両側にある駐車場が満車になり、道端に並び始めた車を横目に八島湿原へ向かう。ガイドブックで見たビーナスライン沿いのニッコウキスゲの写真を、

 「こんなん、嘘やろ。」

 と思っていたが、これが青空なら全くその通りであろう。こんな道もあるのだから日本と言う国は本当に美しく、また素晴らしい。

 「さっきちょっと歩いて大丈夫やったし・・・。」

 とばあさん。そこでこちらもほぼ満車の駐車場に車を停め10時30分、八島湿原一周のハイキングをすることにした。曇り空からは少しばかり霧雨が降っている。しかし雨具を着るほどでもなく、大きく崩れることはなさそうだ。

 以前草紅葉の八島湿原を眺めたことがあるが、見渡す限り一面緑の世界も見ごたえ十分。暑くはなく、いや涼しいくらいの気温のなか、設置された木道を心地よく歩く。

 八島ヶ池、鎌ヶ池、そして大きな湿原と可憐に咲いているさまざまな花たちを愛でながら、ゆっくりゆっくり、のんびりとハイキング。

 持参のおにぎりの昼食をとっても1時間30分くらい。ほとんど平坦な道でもあり、我々にはちょうど良い距離だったようだ。

(写真タップでパノラマ)

 さて、今回第一の目的、ばあさんの首のために温泉に浸かろうではないか。今夜の宿は一度行ってみたかった白骨温泉にしよう。それもできるだけ安宿のほうが良い。そこで電話作戦。10000円の部屋は満室らしいが、14000円の部屋を12000円で泊めてくれると言うので 「ゑびすや」 さんにお世話になることにした。

 まず向かった先は上諏訪温泉の立ち寄り湯、片倉館。温泉施設とは思えない古いレンガ造りの洋館だが、手入れが良くいき届き、内部や湯船もとてもきれいである。少し大きめの黒い玉砂利が敷かれた深くて大きな湯船と透明でまろやかな温泉に大満足のばあさんであった。

 片倉館からすぐ近くの 「菓子工房ラ・ピュルテ」 で汗をふきふきティータイム。もちろんケーキつき。

 さあ、白骨温泉まで一っ走り。岡谷インターチェンジから長野道を松本インターチェンジまで利用すると3時40分に到着。後はのんびり湯浴みをして体を癒してくださいな。首も回るようになるといいのにね〜。

 ところで白骨温泉はすごいところ。国道158号線からたった4〜5Km入ったところだが、こんなに山奥とは知らなかった。急な上り坂の上に急カーブの狭い山道。観光バスが唸りを上げてあえぎながら登って行く。これは驚いた。

 何年か前に問題にもなったにごり湯だが、なかなか風情があっていいところじゃん。露天風呂は少し温めかな。雲が多く、星空を眺めながらの露天風呂とはならず、少し残念。

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