旅 日 記
初めての北海道ドライブ旅行
奇跡か? 摩周湖が見えた。 2004年7月8日(木)
早朝6時、運動不足解消も兼ねてボッケまで朝の散歩に出かけることにした。 曇り空ながら空は高く空気がカラッとしていて爽やかである。 半袖のTシャツに長袖のブラウスを羽織っているとそんなに寒くは感じない。
湖面を渡るそよ吹く風がわずかな波を引き起こして水の色に変化を持たせ、周りを取り囲む新緑のように鮮やかな森の姿を愛でながら湖畔の遊歩道をゆっくり、ゆっくりと歩く。 人影もなくとても静かである。
ほどなく到着したボッケは泥火山だそうな。 ぼこぼこと泥が音をたてて吹き上がり硫黄の臭いが漂っている。 そういえばこのあたりだけ少し暖かいかな?
帰りは森の中の道へ向かい、気持ちよく森林浴を楽しんだ。
なんとこんなところで阪神タイガースのTシャツを着てTHマークの帽子を被ったおじさんと出会ったではないか。
「おはようございます。 昨日は負けて残念でしたね〜。」
とご挨拶。
「どおってことないさ〜。 まあ最後の最後にちょっとだけ抜け出せば優勝さ〜。」
なんとおおらかな阪神ファンである。 北海道にはこんな阪神ファンがいるんだ〜。 関西の皆さん、ちょっと見習えば?
なに? 手湯? 足湯は知っているが・・・。 初めての北海道、まだまだ知らない世界をいろいろ教えてくれるところらしい。
チェックアウト後、まずはスキー場に設けられた展望台へ向かった。 細い砂利道だが早くも観光バスが来ている。 上から見ると阿寒湖の大きさがよくわかるが、残念ながら雲が低くたち込め、雄阿寒岳の頂を隠していた。
前を走っている赤い軽自動車と共に着いた先は双湖台。 パンケトー、ペンケトーが見えるとあるがパンケトーしか確認できない。 何だか形が北海道に似ている?
その赤い車は郵便車であった。 売店には北海道の形をした木製の葉書が置いてあり、120円切手でここから送れるそうな。 人の良さそうな郵便屋さんがあまりにも上手に勧めるものだから嫁二人に出してしまったではないか。 なんと商売熱心なことよ。
後でよく考えてみると、こんなの貰ってうれしいはず無いじゃん。 イヤミ以外、何ものでもない? 恨むなら人の良さそうな郵便屋さんを恨んで下さいな。
駐車場には自衛隊の車がたくさん停まり真っ黒に日焼けした皆さんが休憩していた。 二週間の訓練が終わり富良野駐屯地へ帰るところだそうな。
「ご苦労様でした。」
「いや、イラクへ行っている者の事を思えば・・・。」
次の双岳台は大きな木に囲まれ何も見えない。 やがて道の駅摩周温泉に到着。
何分この天気、霧の摩周湖で我慢するしか無さそう・・・と諦めていた。 しかし聞いてみると晴れているらしい。 ならば急げ〜。
駐車場にはたくさんの車、観光バスも並んでいる。 急いで展望台へ向かうと・・・見えました、晴れた摩周湖、感激! しばしうっとり・・・。 これは奇跡でしょう!
ここまで天気に恵まれずぼやいていたものが、そのモヤモヤもいっぺんに吹き飛んだ気分である。 天気が悪くても美しい緑の世界を走ってきたことだし・・・と全てが好い方に思えるのも北海道の風土がそうさせる?
何十分、いや一時間は経った? 湖面に映された雲が入れ代わり立ち代り、見飽きることがない。 それに加え水の色が微妙に変化していく様を見ているとなんだか不思議な気分である。

湖の反対側にはすぐ近くに荒々しく削り取られた硫黄山が、その後に控える屈斜路湖を左右に分断している。 第三展望台からの眺めも十分に堪能してようやく摩周湖を離れた。
「こうなったら次は霧の摩周湖も見なあかんな〜。」
「よう言うは。」
硫黄山は山に囲まれた広い砂地の奥に煙が立ち昇り、硫黄の臭いを漂わせている。 煙が出ているところは黄色く盛り上がり、異様な景観をかもし出している。 自然の営みが感じられる不思議な世界である。

突然大きなダミ声。 拡声器を使っているようだ。
「たまご〜、たまご〜。 そこのお兄さん、待ってるよ〜。」
そんな誘いに乗るやわな人間ではない。 いや、それが逆効果になる天邪鬼な人間であることを知らないらしい。
「温泉卵のような半熟のものが欲しいんやけど・・・。」
当然ながらそうではないようだ。 それ見たことか!
カミさん、今日はもう大丈夫そうだ。 そこでクリーム童話へ。 おいしいジェラートに満足そう。 特に少し酸味がきいたハスカップがお気に入り。 そこで嫁たちへのお土産に贈り物。 少しばかりのおすそ分け? イヤミ葉書の罪滅ぼし?
さてちょうどお昼時。 昼食にしようと向かったオーチャードグラス。 ガイドブックに載っている川湯温泉駅構内の食堂だが満席で断られた。 時間が時間だから仕方がない?
ならばまだそんなに空腹感もないことだし先へ進もう。 屈斜路湖畔沿いの道は湖から少し離れ、湖面を眺めながらのドライブとはならない。 だがここでも周りの緑が美しく、快適である。
やがて屈斜路湖の砂湯に到着。 少し晴れ間が覗き出した湖面はとても穏やかで静かな雰囲気。 なるほど、少し掘っただけで熱いものが感じられる。 掘られてあるお湯に手をつけると、とても熱い。 湖畔では子供が砂遊びをして遊んでいた。
この際である。 美幌峠まで行ってみよう。 通行量の少ない快適な国道である。 やがて峠道に差し掛かり、周りの小高い丘の緑の美しさに圧倒された。 道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠に到着。
よく見るとその緑はクマザサらしい。 ついこの前まではまだ茶色っぽかったそうな。 こんなに新緑が美しくなったのはつい最近のことだそうな。 なんと運の良いことよ。
売店で揚げ芋とおにぎりを買い展望台へ。 大きな屈斜路湖とそこに浮かぶ中ノ島、遥か彼方に斜里岳を始め、美しい山並みを眺めながらの昼食。 質素ながらこれ以上の贅沢は無かろう。 また揚げ芋のうまさは感動ものである。

さて、今日の泊まりはどこにする? 標茶町? 塘路湖畔? それとも行ける所まで走る? できれば釧路市内? まあ、どこでもいいっか〜。
900草原を目指したが結構走ったのに標識が出てこない。 見過ごしてしまったのか? そこへ突然多和平の標識が現れた。 どちらも同じようなものだろ? 900草原は右のはずだが、まあいいっか。 ところが後で調べてみると全く違う道だったようだ。
のんびりとした畑、いや農場が続く道を走ること、いやこうなれば何キロでも何分でもいいじゃん。 ここではそんなことどうでも良いではないか・・・そんな気にさせるほどの雰囲気が漂っている。
到着した多和平は 「地平線の見える大牧場」 と示してある。 とにかく広い。 展望台から360度、見渡す限り緑の中である。 遠くに牛たちがのんびりと遊び、トラクターが草を刈っている。 なるほど、あれが地平線か〜。 納得・・・。
売店でおいしい牛乳と自家製パンを買い、テラスで休憩。 これはたまらない。
夕暮れが近づいてきた。 天気も悪くなってきたようだ。 ラジオの天気予報によれば明日の釧路は雨だそうな。
塘路湖畔から砂利道をコッタロ湿原へ向かう。 雨が降らないうちに釧路湿原の一つ位は見ておきたい。 低い木が生い茂る草原の中のデコボコ道を釧路川を渡り、砂埃を立てながら走ること10Km足らず。 やがてその低い木も無くなり一面緑の草原が現れた。 小さな沼もあり細い川が蛇行している。 その広さは周りのスケールに圧倒されてか、そんなに大きくは感じない。
展望台に登り、その全容を眺めるとやはりこれは相当な広さであると感心させられる。 曇り空が残念である。 晴れていればもっと違った姿を見せてくれたのだろう。

時間は5時少し前。 このあたりで泊まっても明日が雨なら・・・。 ならば釧路で宿をとり、何かおいしいものでも食べようか? 道中いろいろ見所もあるようだが、仕方あるまい。 と言うことで一路釧路へ急ぐ。 車の窓に雨粒もかかり始めた。
どこのホテルにする? 電話をしていたカミさんが突然大きな声、携帯電話の画面が突然消えたという。 電池切れ? 慌てて充電器を取り出した。 だがどうにもならない。 先はまだ長い。 ここでの故障は行動を左右しかねない。
目の前のホテルに飛び込み部屋を確保。 そこはホテルセンチュリー釧路で朝食付きツインルーム、二人で14910円。 近くにNTTドコモの営業所があるらしい。 ヤレヤレ。
シャワーを浴び、教えてもらった炉辺の店へ。 おばさん5人が忙しく立ち回る大繁盛の店 「番小屋」 で新鮮な魚とおいしいビールに腹一杯、そして大満足。 北海道ならではの水蛸やルイベ、ホッケを始め見事な焼き加減の魚などなど、また絶妙の焼きおにぎり・・・二人で〆て8780円。 旅館食が続いていたからちょうど良い気分転換になったようだ。
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