旅 日 記
関金温泉 湯治と桜
鳥取城址 久松公園 2013年3月31日(日)
昨年11月のこと。関金温泉の湯楽里と言う湯治宿で一泊したときからこの旅は決まっていた。関金温泉へは2006年にも訪れたことがあり、日帰り温泉施設湯命館で入浴したことがある。
その時にこの湯楽里と言う宿泊施設があるのは知っていたが、自炊ができる湯治宿とは知らなかった。もっとも当時は湯治のことなど全く頭に無かったのも事実。歳と共に、いや、ばあさんの闘病のこともあり、我々夫婦の旅の形が変ってきたと言うことだろう。
いかに長逗留の湯治が体に良いとはわかっていても、そう度々行けるものでもない。また、たまに行けたとしても費用のこともあり、自炊湯治が基本となる。ところが我が家のばあさんのこと、自炊ができればどんなところでも良いと言う訳にはいかない。
2009年の春に初めて経験した鎌先温泉のように、自炊湯治宿と言えば古い建物、古い共同炊事場、冷蔵庫も共用が通り相場で、部屋に鍵が無いところもあるようだ。何分清潔好きで怖がりなばあさんのこと、そんなところで長逗留はできない。
ネット検索でいろいろ調べてみても、今のところばあさんが自炊湯治ができる温泉と言えばその後にお世話になった露天風呂水沢温泉くらいかな? ところがその水沢温泉、何分秋田県のことゆえ遠すぎて簡単に行けるところでもない。
関金温泉は鳥取県でもあり、今までにも何度か日帰り旅行をしたところ。そこで去年の秋、どんな施設か知りたくて一泊したのだが、この湯楽里の部屋と炊事施設、どちらも合格点でここなら長逗留をしてみたいと言う。
そうとなれば是非冬場に訪れたいところだが、何分山陰のこと。雪も多いだろうし装備の無い車ゆえ、運転に自信が持てない。ならば春だろう。桜の季節もまたいいじゃん。そこで早くから予約を入れておいた。4月3日から12日までの10泊。いかに山陰とは言え、その頃なら桜も咲くだろうし・・・。
ところが今年の桜は全国的に異常らしい。3月半ばだと言うのに各地から桜の便りが届きだし、毎日毎日ウェザーニュースの桜開花予想とにらめっこ。なに? 鳥取でも3月20日ごろに開花する? ならば4月3日ならもう葉桜じゃん。湯治も目的の一つだが、やっぱり桜も見てみたい。ならばどうする?
キャンセルすることも考えたが、ダメもとで一回聞いてみるか? とは言え3月30日にはばあさんのお兄さんの一周忌法要があり、それ以後にしか出発できない。ところが幸運にも部屋は空いていると言う。そこで3日間前倒しして31日の日曜日に出発することにした。開花は早くても満開には間に合う? 開花後、花冷えと言うこともある? でも大丈夫かな〜。
当初は国道9号線でのんびりと関金温泉へ夕方到着の予定だったが、出発が早まったこと、またそれが日曜日になったこと、桜も満開になっているところもあり・・・と予定がめまぐるしく変ってゆく。
3月22日に鳥取の桜も開花したようだが、ここしばらく冷え込んだこともあり、ちょうど満開らしい。となれば行く道中、久松公園で花見かな? ならばと31日、早朝4時過ぎに出発した。何分満開の日曜日、花見客で混雑するのは避けられないだろう。
幸いにも3月23日に中国道の佐用インターチェンジから鳥取まで鳥取道が全線開通したと言う。それも無料だそうな。ならばそれを利用しない手は無い。
7時前、トイレ休憩のため道の駅河原に到着。なに? 道の駅? ここはサービスエリアではないの? このあたりが無料の高速道路たる所以かな? さすが高速道路、やはり早い。いや、ちょっと早すぎた?
曇り空だが雨の心配は無さそうだ。視界には河原城。そこでちょっと寄り道してお城へ向ったところ、可愛い紅枝垂れが少しばかり咲いていた。そんなに本数は無いが、これが見ごろを迎えたらどうなるのだろうか。
そうだ。この近くに長瀬の大枝垂桜があったはずだが・・・。ところが簡単な地図ではなかなか見つけられず、聞こうにも日曜日の早朝ゆえ人影も見当たらない。ならば出直すとするか? 関金温泉から1時間ちょっとのところ。何分10泊もすることだし、時間はたっぷりとある。
これは全く知らなかったのだが、道の駅にあった写真に誘われて三谷神社へ行ってみた。のどかな田園風景の中、集落の神社の鳥居を従えて咲く枝垂桜の優雅な姿。これぞ日本の春の趣だろうか。
8時を回り久松公園に到着。公園前の道路に駐車スペースが設けてあり、早くも結構な車が並び、花見客も見られる。車椅子を押して濠にかかった橋を渡る。屋台が並び、早くも営業を始めたお店。これぞ日本の花見の雰囲気だろうか。緋鯉が泳ぐ濠には満開の桜が映りこんでいた。
さすがは城址公園のこと、立派な石垣、そして階段・・・。車椅子ではどうにもならない。石段の下でばあさんを待たせ、ちょっとだけ登ってみた。思ったほど桜は多く無いが、その存在感は感じられる。桜の下では早くもブルーシートが敷かれ、お花見の場所取りがしてあった。
改めて濠沿いの芝生の広場へ。そんなに広くはないが、周りを満開の桜に取り囲まれ、近代的な白い建物、仁風閣を眺めながらのんびりとお散歩。その上に聳え立つ石垣の上には人の姿。あそこまで登れるようだ。
帰り際、波静かだったお濠に一羽の鴨が扇形に波を切って現れた。見送りに来てくれたのかな?
久松公園からほんの数キロ、鳥取の街中を流れる袋川へ向う。川沿いには満開の桜並木。だが適当な駐車場も見当たらず、車の中からの花見で我慢することにした。
時間は9時40分。いつものことだが海の近くへ来たからにはばあさんの好物、回転寿司と海鮮丼は外せない。ネットで大人気の海鮮丼屋さんで食べたいと言うが、予約が必要だそうな。だが間もなく10時、開店したところだからまだ大丈夫かな?
それは鳥取砂丘の近くにある鯛喜と言うお店。とりあえず電話したところ今なら大丈夫らしい。もう昼食? まあ今朝は出発も早かったし・・・。ところが行って驚いた。もうお客さんがいるじゃん。10席ほどの小さなお店、空いている席には予約席の表示。間も無くその客も到着したようだ。
その海鮮丼だが、1150円と1550円のものを注文。こんなものかな? もっとも私はそんなに好物ではない。ご飯が酢飯では無いが、ばあさんがまずまずだと喜んで食べていたから、これはこれで良かったかな?
砂丘会館の展望台から鳥取砂丘を眺める。ばあさんはこの先、この砂丘を踏みしめることは無いだろう。手を引かれて砂丘を歩いたのはもう10年以上も前のこと。なんとも懐かしい。
遠くにハンググライダーが見えている。10年たつと遊び方も随分変わってきたようだ。
さて、今日から2〜3日分の食材を買いに行こう。そこでイオン鳥取北店へ行ったところ、その近くにあった回転寿司のすし若が無くなっている。何分ばあさんお気に入りの店である。このすし若はチェーン店だが、他の店はどうなのかな?
時間はまだ12時になったところ。ここから関金温泉までは1時間半ほどで到着できる。まだチェックインするには早すぎる? ならば行く途中にもう一箇所、花見をして行くか? それは白兎海岸の先から南へ10Km足らず行った鹿野城址公園と言うところ。
桜は6〜7分咲きくらいかな? 濠には白鳥が優雅に泳ぎ、赤い橋と桜が濠に映りこみ、これはこれでなかなかの雰囲気である。さすが日曜日。こんな田舎町にもかかわらず、満車の駐車場、大勢の花見客で賑わっていた。
3時前、10日間お世話になる関金温泉湯楽里に到着。部屋タイプがいろいろあり、去年はキッチン無しだったが、今回はキッチンとダイニングテーブルが付いた10畳の部屋を予約しておいた。土曜日は対象外だが10泊以上なら割引があり、10泊二人で69990円。キッチンも部屋もかなり広く、これはのんびりと過ごせそうだ。
荷解きをしてほっと一息。まずは温泉へ。小さい湯船ながら優しい湯でほっこり温もる。ばあさんの手料理と風呂上りのビール、これは堪えられない。最初の夜が静かに更けていった。
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